紙の本
難解な書
2003/12/01 19:47
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投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「構造主義」この耳慣れない言葉に引かれて、本書を手にした。現代は、「ポスト構造主義」の時代らしいが、私にとっては「構造主義」という言葉自体が新鮮であった。しかし、本書を読んで「構造主義」とは何ぞやと問われると明確な回答が出来ない。本書は、「構造主義」なるものがあったとして、それに何が関わった考え方であるかを触れるという形式で書かれていた為、「構造主義」そのものを理解することは出来なかったのである。ただ、「構造主義」とは、ある考え方、思想であるという事だけは分かった。
例えば、「言葉」。「言葉」は、物質的な根拠によって成り立っているか? 答えは、NOである。日本語では、「水」と「湯」は別物だが、英語では、「water」という言葉で表せるのである。
未開社会の神話に見られる「構造」。これは、数学の中に隠れている秩序であり、調査の結果、未開社会の神話には、この「構造」が見られたのである。従って、未開社会は決して劣った社会では無く、現代社会も未開社会も、「構造」においては、同じ物と言えるという意見を進める。
「クラインの四元群」という数学の世界で2000年かかって、やっと解けた難題をオーストラリアの原住民の人々は、誰に教わらないでも、ちゃんとそれと同じやり型で、大昔から自分達の社会を運営している。
このように、物事の中心には、「構造」という思想があり、それによって社会は成り立っているというのが、本書を読んでの私の感想である。
なかなか、難解な書であったが、こういう本も楽しいものである。
紙の本
興味を持てた
2023/11/24 18:02
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投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る
レヴィ=ストロースによる構造主義は全ては理解できていないが、とても興味が持てた。その他の作品も読んでみたいも思う。
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橋爪大三郎って実はバカなんじゃないかと思っていたのだけど(新聞読んだり、横市大問題とかで)当然そんなことないと思わされた。
数多ある構造主義本では、ソシュールに沿って解説され、イマイチわからんかったけど、遠近法(幾何学)、群論での解説は素晴らしくわかりやすかった。
ただ具体例に乏しくて、(新書の限界・・・)まだまだ「とったど〜!」って感じにはなれん。
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これはとてもいい。
わかりにくい構造主義をとてもわかりやすく説明してくれる。
橋爪はこういう本がいいね。
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「寝ながら学べる構造主義(内田樹 著)」が各論だとすると、この本は構造主義ってどんなの?という総論を教えてくれる。ページ数の関係から各論についての記述はレヴィ・ストロース以外はほとんどないが、それでも構造主義の構造とはなんぞや?という疑問にきちんと答えてくれている、そしてわかりやすく答えてくれてるのは良いと思う。この本を読まないで「ソシュールの思想」を読んでも多分難しかっただろう。そういう点で、この本は構造主義のスタートに読む本としてふさわしい。また哲学の本だからと言って、数学的思考から、または数学から逃げていない点も評価できる。この本を初めとして、ここからさまざまな著書を読んでいくのが良いだろう。
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その名の通り、構造主義の入門書。哲学、思想の初心者がこれから構造主義とどう向き合っていこうかと考える時、その方向性を定める時、とりあえず読む本。
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言語学の授業で紹介されたのだけど、べつの本で「今では古い考え方」と書かれていて読んでません。
でも、どこが今となっては古いのか、とか根本的な考え方を知るためにはやっぱり読んだほうがよさそう。
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なるほど〜、と目からウロコが落ちるような内容でした。「はじめての」と銘打っている割には、読むのは決して簡単ではないと思います。しかし、目に見えないことを学ぶということは、常に難しさが付きまとうものかと思います。
この本では特に、オーストラリアの民族の婚姻クラスの話がなかなか興味深かったです。近親相姦はなぜ暗黙の了解として禁止されているのか?真実はともかく、非常に納得できる説明があり、とても感心してしまいました。
今までの思想は西欧中心主義だから、それを「相対化」してしまえば、何か新たな糸口が見つかるんじゃないか。構造主義は、決して古い考え方ではなく、今こそ改めて徹底的に研究しなおしてみる必要があるんじゃないかと実感させられました。
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東工大の橋爪先生が放つ珠玉の1冊。
レヴィ=ストロースの考え方を中心に、構造主義の全体を網羅しようとした意欲作。
イトコにもいろいろあるんだなと感心させられた。
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今さら「はじめての構造主義」ってのもなんですが、やっぱり分かってないので気取ってないで読んでみました。
入門書だけど骨は太いです。いろいろ腑に落ちたので読んで正解。思い切って話を絞りつつ、バックグラウンドの説明は外さないので理解しやすい。「西欧近代の腹の中から生まれながら、西欧近代を喰い破る」って言い草が好き。西欧の知の大黒柱として数学についてページを割いてるのもGJ。理系の人に読んでもらって感想が聞きたいです。『国家の品格』の人(数学者だよ)はこういう西欧内部の相克に触れずして情緒とか言うから薄っぺらいのだ。最後、この本を読んだ後はポスト構造主義や新しいものに行くのではなく、日本ではろくに揉まれていない「近代」にさかのぼってもいいんでは、という提言には、うわっ、やっぱそうですよねとうなだれてしまいました。
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たまたまなんか新書でも読もっかなー・・・と思って、手にとったのがこの本でよかった! わかりやすい、おもしろいで、知識欲を刺激してくれる一冊。
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古い本ですが、読みやすい本です。
著者が、文化人類学者の名前とリーバイスを間違えた話や遠近法と構造主義の関係についての話があります。
哲学って難しい、社会学って何って言う人にお勧めです。
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「構造主義」という言葉すら聞いたことがなかった私ですが、なんとなく理解できました。二回読みましたが。構造主義という「考え方」を理解しておくことは、他の本を理解するのにも重要です。
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構造主義の入門書としては内田樹さんの本かこちらか…。どっちも面白い本です☆こちらは僕の心の師、クロード・レヴィ=ストロースを中心に書かれています☆
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人類の進歩という幻想や、人間中心に創り上げられていく世界に対して疑問を投げかける。つまり、世界は変化しているように見えるが、本質であるところの構造はなんら変化しておらず、構造というルールの中での出来事にすぎないという考え方である。新境地開拓ってかんじだ。