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テーマは魅力的なのだが、全体的に冗長な印象。登場人物の心情を掘り下げて描いている為に長いのかといえば、意外にそうでもない。どうにも無駄なやり取りが多い気がして集中できず、読むのに時間がかかった。
メインの謎よりも傍流(?)の嘘がより残酷に感じられる。
ただ、各章の冒頭にある文章が最後に収斂される様は秀逸。
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東京創元社2019年復刊書目。
夢がきっかけになって引き起こされる心理サスペンス。但しジャンル小説というよりは、一般文芸に近いテイストだった。書かれた時代もあるのか、昨今のスピード感に溢れるサスペンスものに慣れていると、作中の時間が経つのが随分と遅く感じられるかもしれない。しかし、主人公が徐々に真相に近付いていく様子はスリリングだし、後味の良くないラストは良かった。あと、主人公の父親が、ぶっちゃけロクな人間じゃないのだが、なかなかいいキャラをしているw
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ある夢からはじまった。
ただの夢なのに、そこから失った時が引き戻され、二度と元にはもどれない。罪深い運命のいたずらに翻弄された。
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差別的な社会観は時代を考えると仕方がないのかもしれない。本作は女性と家族の揺れる心理を細かく描いて不安感を募らせる。どうしようもない駄目人間のスタンが緩い展開の場面にスパイス的な役割をしている。30年前の再読。
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「ききわけのいい小さな女の子のようにおとなしく家に帰って、やたらあれこれ訊きたがったり盗み聞きしたりしなければ、たぶん破局は避けることができて、この先ずっと幸せに暮せるのでしょうね。でもわたしはもうききわけのいい小さな女の子じゃないし、主人なり母なりがわたしのために一番いいって勝手に決めたことも信用していないんです」
2020/2/8読了
主人公の夫と母は、「あなたのため」と言いながら、“自分たちのため”に不都合な事実を隠蔽していた。共謀者の組合せは珍しいと言える。
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マーガレット・ミラー初読。1960年頃、中期の作品。
主人公のデイジーは、夢で自分の墓標を目の当たりにする。夢の中の墓標では四年も前に死んだことになっていた。自分の墓は、現実に存在するのか。死んだとされる日に、自分は何をしていたのか。夫と母に黙って独自に探偵を雇い、調べ始める。
自分の墓を夢に見るイントロから、外連味のある雰囲気を想像していたが、全くそんなことはなく。どちらかというと、ピーター・スワンソン、アリス・フィーニーのような作風だと感じた(時系列的には逆かもしれないけど)。
最後のまとめ方は良いのだが、いかんせんそこまでが長い。少し冗長だったと思う。面白くないわけではないが。。。
次は短めの作品を読んでみたい。