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20年前、「能無しワニ」や「タルカス伝」が好きだったので、古本屋で購入しました。長編ではストーリーテラーだったこの作者ですが、短編では一つの世界を作ることに専念している感じ。長編と短編でやるべきことをきっちり分けているのかも。
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「忘れえぬ人」
「見果てぬ風」
「山の上の交響楽」
「昼寝をしているよ」
「駅は遠い」
「電線世界」
傑作が多く、奇想に満ちたとても良い短編集。
「見果てぬ風」が感動。人間が越えることなどできない平行する巨大な二つの壁に挟まれた世界。壁がとぎれる世界の果てを求めて、歩き続ける男の物語。人生をかけた男の述懐が胸に残る。
「忘れえぬ人」、「山の上の交響楽」も好き。
記憶を忘れなければ死ねない世界という前者の設定は、設定だけなら皮肉を感じるんだけど、読んでるとノスタルジックで切なくて皮肉さが感じられない。
「電線世界」の奇想×童貞小説も素敵だった(笑)
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SFとは新しく世界を創り出すものであると思い知らされる短篇集。
物忘れしないために死ねない頑固老人、壁に挟まれた世界の果てを目指す男、全てを演奏するのに1万年掛かる大交響楽の行く末、もうひとりの自分と入れ替わること、意識しなければ行動できなくなった男、電線の上に広がる世界。
どれもこことは違う世界を見せてくれます。30年以上前に書かれた世界が、古びずにまだ見ぬ世界として眼前に広がります。
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本書を知ったきっかけは何だっただろう。たしか伴名練氏の「1万字メッセージ」で言及されていたからだと思う。上質な作品(特に短篇)が時と共に散逸し、埋もれていく事を危惧されていた。氏のメッセージでそんな作品たちに再び日があたり、こうして読むことができた。本書の中で一番のお気に入りは「見果てぬ風」。巨大な二つの壁に挟まれた世界、壁の途切れるところが見たい一心で、歩いて世界の果てを目指す男の話。次に「電線世界」。頭上10mほどのところで繰り広げられる日常。そんな、まさかと思える設定ながら、あまりにも淡々と書かれているので、電線の上に人が住んでいるのが当たり前の様に思えてくる。そして飛魚が少し羨ましい。kindle版がお手頃価格なので、ぜひたくさんの方に読んでいただきたい。
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「忘れえぬ人」★★★
「見果てぬ風」★★★★
「山の上の交響楽」★★★
「昼寝をしているよ」★★★
「駅は遠い」★★★
「電線世界」★★
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表題作、クライマックスへの盛り上がりが完全に予測可能回避不能で、すごく熱量の大きくて良かった。
嫌いじゃないけれど、空想科学的な意味でのSF感が薄くて、少し不満感が残る。