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ウィリアム・ギブスンと並んでサイバーパンク・ムーブメントの第一人者と言われた作家の日本オリジナル短編集です。・・・って、「サイバーパンク」と今さら言うと結構気恥ずかしい(^_^;当時は「これこそ新しいブンガクだ!」的なもてはやされ方をしましたけど、あっという間に失速しましたね(^_^;だって読みづらいんだもんウィリアム・ギブスン(-。-)ボソッ失速したのはそれだけが原因ではありませんが、まぁジャンルとして成熟するきっかけも時間もなかったということなんですかねぇ。
てなわけで、鴨的にはほとんど読まないジャンルの作家なのでこれまで食わず嫌いでしたが、何やら評価が高いので試しに読んでみたら、ウィリアム・ギブスンとは全然芸風の違う作品でした。読めます(-_-)きっぱり何て失礼なレビューだ(^_^;非常に全うなSFでした。あらびっくり。でも、サイバーパンク以前及びポスト・サイバーパンクのSFと比較すると文章がやや稚拙で、若干読みづらい感は否めません。
これ、短編集ではありますが、同じ未来史に属する作品のみを集めて構成した、いわばオムニバスです。時は遥か遠未来、宇宙に進出した地球人類は地球外の過酷な環境下で生き延びるため、自らの肉体を、ひいては社会構造さえも改変させていきます。やがて<工作者><機械主義者>の二大勢力に分かれた人類は熾烈な抗争を繰り広げることとなりますが、そこに経済至上主義の異星人<投資者>も絡んで人類の歴史は加速度的に複雑な様相へ・・・
この世界に登場する人類は、我々とは全く別の生き物、と考えても過言ではありません。この世界の人間は工場で綿密な設計の下に生産され、強固な思想教育を受けながら、権力抗争に塗れる長期間の生を闘い抜いていきます。地縁も血縁も友情もなく、頼れるのは己のイデオロギーと経済力のみ、という過酷極まりない世界。
異質過ぎて、残念ながら鴨には最後までピンと来ませんでした。最初の作品「巣」はスゴいなと思いましたけどね、「スゴい」以上の感動は生まれませんでしたね。異質な世界観に入り切れなかったのか、それ以上に淡々とし過ぎた文体に入り切れなかったのか・・・うーん、同じ未来史に属する「スキズマトリックス」も読んだ方が、しっくりくるんだろうか。「スキズマトリックス」も、絶賛する人がいる一方で文章が稚拙過ぎてダメという人がいて、まだ読んでないんだよなぁ。
そんな感じで、期待して手に入れた絶版モノでしたがイマイチ微妙な結果に。まぁそんな当たり外れもSF読みの醍醐味ですヽ( ´ー`)ノ
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大作「スキズマトリックス」外伝といった趣の短篇集。本編の素晴らしさもさることながら、著者あとがきに書かれている、スターリングのサイバーパンクにかける熱い思いが素晴らしい。
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サイバーパンクの金字塔 奥が深い短編集
表紙 6点横山 宏
展開 8点1988年著作
文章 7点
内容 800点
合計 821点
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読んだことがなかったサイバーパンクの走りの短編集。
「工作者/機械主義者(Shapaer/Mechanics)の対立を軸に、そこに「投資者」がからんでくる、政治的にも複雑な世界の物語。
ちゃんとは理解できてない気がするけど、いちおうは読めたし、わからないなりに惹かれるものもあったかな。(ぼんやりした感想w)
「スキズマトリックス」は、読もうとしたけどまったく無理で断念しました(^_^;;