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ジェシはどれい船に誘拐され、笛を吹く係にされます。
船上は爽やかさとは無縁、ガテン系∞!!!
最悪な環境の中で、船乗りたちの性格があらわになってきます。
男気あふれるパービスには、惚れてまうやろぉ~★
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アメリカが、まだどれい取り引きをしていた時代、アフリカから黒人奴隷を運ぶ船に拉致されて乗せられた13歳の少年の物語。
どれいたちとのやりとりは後半にしかなく、物語のほとんどは、どれい船に乗る船乗りの男たちとのやりとり、その人物の描写などが中心となっている。どうして、そんな仕事をしているのか、その人間性、その末路。少年ジェシが、それらから何を感じるかが主題だ。
ジェシは九死に一生を得て、難破する船から脱出した後、家に帰るが、南北戦争が起こった際には、南部出身ながら、奴隷解放を目指す北軍で戦う。それが彼が出した答えなのだと思う。
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『ナバホの歌』と同様に人類の黒い歴史を取り上げた1冊です。重い内容なんですが、ぐいぐい読まされてしまい…こう言っていいのかどうか…面白かったのです。
(あらすじ)
ジェシはニューオリンズに住む13歳の白人少年。父は亡くなり母の裁縫で得た収入で病弱な妹と3人でつましく暮らしていた。ある日母のお使いに行った帰りに2人の船乗りに拉致されてどれい船に乗せられてしまった。
船の中には威張りくさった怖い船長、冷酷な一等航海士の他にいろんな乗組員がいた。ジェシは何かと親切にしてくれるスタウトが何故か好きになれない。逆に自分を拉致した恨んでもいいはずのパービスに親近感を感じる。ある事件でその謎が明らかになる。
辛い事もあるけど、荒々しい男達とも馴染んでなんとか船の生活が送れるようになった。だが本当に辛いのは、奴隷達が船に乗り込んで来てからだった。
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前半は嫌な事はあってもパービスをはじめとした乗組員達に可愛がられてジェシもその場に馴染んでいた。でも奴隷が来てからは状況が一変する。ジェシは奴隷達に同情すると同時に嫌悪感を感じてしまう。それは差別というよりも見たくもないのに悲惨な状態を見させられてしまう事への嫌悪感ではないかと思う。
元の生活に戻ったジェシは港で働き始めるが、ちょっとでもどれい船と関連する仕事に抵抗があって、薬剤師に転職する。いかに心の傷が大きかったのかがうかがえる。
[国際アンデルセン賞受賞作家 14/35]