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邪教集団トワイライトの追撃 上 みんなのレビュー
- ディーン・R・クーンツ (著), 白石 朗 (訳)
- 税込価格:776円(7pt)
- 出版社:扶桑社
- 発行年月:1989.9
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文庫
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紙の本
クーンツ大好き!
2002/02/12 18:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろぐう - この投稿者のレビュー一覧を見る
これだよ。クーンツはこうでなくっちゃ。冒頭からあっと驚くような事件が発生し、あとは息つく暇もないスリリングな逃走劇。最後になるまでわからない謎もあるが、それが話の中心となっているわけではないので、サスペンデッド状態が長すぎてイライラさせられることもない。
そしてラストの大どんでん返し。今回は予想が当たったが、それでも失望することはなかった。もともと『エクソシスト』『ローズマリーの赤ちゃん』などの、「悪魔にとり憑かれた子供」系の話は大好きだし、それに、どちらとも解釈できるようにぼかしてあるのもうまい(今回は珍しく完全なハッピーエンドではないのだ)。
面白いスリラーの重要な条件として、絶体絶命の危機をどうやって逃れるか、読者の想像もつかないような鮮やかなアイディアを提示できるか、ということがある。この作品はその辺をみごとにクリアしている。だから、少々本筋のネタがばれても満足感を得られるのだ。
それにしても、リー・ニコルズ名義で発表した『戦慄のシャドウファイア』『雷鳴の薔薇』そして本書はどれも抜群に面白い。三作とも同工異曲のヒロイン、わざとらしいロマンス、浅薄なストーリーなど、探せば欠点はいくらでもある。しかし、どれも面白B級パワーに満ち溢れているのだ。そして、こんな話はクーンツにしか書けないという強烈な個性に彩られている。
『ストレンジャーズ』以降ソフィスティケートされたといわれるクーンツだが、本作と『戦慄のシャドウファイア』はその前後にまたがって発表されていることを考えると、あながちB級イケイケ路線から脱皮しようとしたわけではないことがわかる。その証拠に、近作の『インテンシティ』はソフィスティケートされながらもB級パワーを失っていないという傑作になっている。
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