紙の本
猫視点の本
2020/07/21 19:44
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投稿者:かなた - この投稿者のレビュー一覧を見る
猫の視点から、主人やその友人たちの何気ない会話や生活ぶりを面白おかしく描いている。
文章量が比較的多いが、最後まで楽しく読めたのは、さすが夏目漱石だと思った。
紙の本
なにげない日常
2002/02/25 09:28
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投稿者:ユカリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正月の雑煮のもちが喉に詰まって立ち踊りしている猫。のびる白い餅と立ってもがく猫の映像が脳裏に焼きついて離れない。本人は死にそうで必死なのにご主人苦沙弥先生をはじめとする家族は大笑い。猫はプライドが傷つきながらもなお必死で踊り、格闘している。普段はクールな眼で周りを批評したり思索したりしている猫も、やっぱりただの猫じゃないか! と吹き出してしまう。人間を皮肉に観察する猫が、人間に馬鹿な猫だとおもわれている皮肉。滑稽で、でもありがちな、ユーモラスな日常生活を猫として、批評家として体験できる。
紙の本
吾輩は猫である
2001/08/14 03:59
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投稿者:平岡 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「我輩は猫である。名前はまだない」と始まる夏目漱石の作品の中でもっとも有名な作品の1つ。猫の目を通して社会の様子を風刺する憎らしいぐらいに饒舌で手厳しい猫がなんとも愛らしい。
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ぐだぐだな会話をぐだぐだだなーと思いながらもだらだら読み続けてしまうところが漱石先生のすごさだと思う。意外にラストが暗い。
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文体は堅いが内容はギャグ小説。
あまりに有名なだけに小学生の頃に読んだ記憶があるが、ギャグの内容は非常に高度なので、多少教養がついてから読むとより一層面白い。
もちろん原作で読むべき。
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滑稽で風刺がきいていて、面白く読めました。
ただ近代人の孤独観とか個人主義とか、その時代独特の観念などは解せない部分もあってちんぷんかんぷんで読んでました。
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夏目氏のユーモアのセンスに参りました。
本を読んで初めて、声を出して笑った。
何回読んだか覚えてない。
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言わずと知れた夏目漱石のデビュー作。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
そんな猫が”主人”やその周りでの出来事を淡々と滑稽に語る。
100年も前に書かれたものですが、読むとクスっと笑ってしまう面白さがある。
それでもやはり100年前の文章。読むのは少し疲れました。
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学生のころ教科書として買わされて、なにが面白いんだかさっぱり分からなかった一冊。
出だしは小学生だって暗唱出来るのに、分からない。さっぱり分からない。単語もよく分からない。
というわけで途中放棄して、感想は図書室のビデオを見て書きました。(最低な生徒)
だけどそれからしばらくして、夢十夜にうっとりし(第一夜がおそろしく好き)、本棚にあったからなんとなーく手を伸ばし、ごろごろーんと読み出したら、もっ、すっごく面白くてっ!
いや、オススメ! これオススメ! 声出して笑っちゃう!
ただ、漱石初心者さんは、「こゝろ」とかのほうがとっつきやすいかなあ? どうでしょう。(ここだけの話、男同士ラブが好きな女の子だったら「こゝろ」は読める気がする…。思い出すと今だにトキメク。あたしもうダメなんじゃないか?)
あとね、「思い出す事など」っていうエッセイみたいな作品があるんですけど、その中の
「先生死に給う事なかれ、先生死に給うことなかれ」
っていう一文があって、新幹線の中で泣きそうになった。
知らない青年の見舞いが漱石を通って自分に届いたと思った。ここだけ何度も読み返しました。
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ほんとは猫が表紙の本のやつもってるんだけどこっちにしてみた。
この話にでてくる猫、めっちゃ人間を上から目線w
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僕がこの本を読んだきっかけは、たまたま家にこの本があったためいい機会なので読んでみることにした本だ。
夏目漱石の代表的な作品であり、今まで名前と冒頭の「吾輩は猫である、名前はまだない」というくだりだけは何度も耳にしたことがある。実際に読んでみるとなかなかの長編であり、古い言葉づかいなども多かったため少々読むのが大変だったが猫の視点から見た人間象や猫を擬人化する独特の描写などがとてもおもしろく夏目漱石という人物の感性が非常に興味深く思えた。
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夏目漱石初体験本です。
阿呆な事をしてる人間の生態が細かく、
猫の視点らしく、斜に構えた感じで書かれてます。
文章が古いので少し読みにくいけど、
中身はギャグ小説に近い様な気がする。
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猫の視点から人間社会の滑稽さを描く作品。100年も前にかかれたものなのに未だ新鮮さを放っているのは凄いことだと思う。
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表紙がわたせせいぞうさんの絵の本だったのですが見当たらないのでとりあえずこの本で書きます。
何度か読み始めては最後まで読むことが無かった本です。久しぶりに手にとって読み始めたら面白いのなんの!以前読破出来なかったのは自分の精神年齢(と実年齢)が低かったせいだろうなあと思いました。
それにしてもものすごい知識ですね。巻末に注釈が載っていたのでしおりを2枚使って注と読みさしページに挟んで読み進めました。孔子の論語からギリシアの逸話等その博学ぶりに感嘆しました。それにしてもうちで話されている本当かどうかわからない話って結構ここからきているなあ…とそれも感心しました。
(ローマの貴族は満腹になると胃から吐き出して又食べるとか大根のジアスターゼの話とか…)
私は大人になって読んだ方が面白いなあ~と思いました。今度は坊ちゃんや他の本も読み返してみようと思います。
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しかし俗人の考えうる全知全能は、時によると無知無能とも解釈ができる。
・・・・・・・『吾輩は猫である』179頁
明治の日常を淡々と軽妙に、猫の視点で語り出す。
登場人物は皆、一癖も二癖もあるが、愛嬌がある。そして、雄弁多弁である。物語の大半は彼らの語り、落語のような講釈。おもしろい話を聞かされると、負けず嫌いに火がついて、ならこっちにもこんな話があると語り出す。
なるほど、物語の登場人物は皆、作者の分身だと思っていたが、やはりそうだ。腹にないものを書こうとしても書けない。書こうすると嘘になる。どこか魂のない人形になる。
漱石自身がモチーフであろう苦沙弥先生も、風変わりな迷亭君も、彼らの言葉も生き生きしている。それは皆、漱石の分身だから。
そして、そんな彼らを冷静に観察し、分析する猫も。
風刺の効いた猫の語りが何よりの魅力で、興味深いものだ。博学で、時に哲学的なことも言うが、全く言いたいことを言わせてる、言いたい放題というやつだ。
この猫の視点、つまりは漱石の視点が当時、そして今もなお、多くの人々を唸らせるのにも、合点がいった。
読み進めて行くうちに、人物像が出来上がってきたせいか、後半の話がより面白く感じたのだが、迷亭君の予言、未来記については驚いた。自覚心の発達で、個人が強くなり、親兄弟、家族のつながりが弱くなり、別々に暮らすようになると・・・これは、核家族化する日本を予想、的中してしまっているではないか。感服した。
願わくば、最後の最後を夢オチということにして、続編を出していただきたい。