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純粋であり、清らかでありたい、と願う私の心とは裏腹に、私は悪魔に蝕まれ、身を任せ続けた。こんなはずではなかった。この純粋さは見せかけ?悪魔の素質を持った娘?いや、私は本来悪魔なのかもしれない。いっそ、100%悪魔になってしまえば、純粋な心はこんなにくるしまなかった。そして、今、答が分かった。「純粋であればあるだけ、悪の力に屈服しやすい。」この言葉、これこそ、私がずっと待っていたもの。やっと、やっと自分を見つけられた。悪魔に私は渡さない、もう。ありがとう!
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買うときレジの人に官能小説と勘違いされました。いや、内容はエロスに関してですけど。
あくまで、明朗にフェチズムについて熱く語る渋澤さんの語り口に憧れます。
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[ 内容 ]
ヨーロッパで使用された姦通防止用の奇妙な道具〈貞操帯〉に関するさまざまなエピソードを収集した「女神の帯について」。
乳房に関する男性のエロティックな趣味の変化から、男性の〈乳房コンプレックス〉を考察する「乳房について」。
ポルノグラフィーについてその豊かな知識を披露する「エロティック図書館めぐり」など16篇を収録した。
エロティシズムをめぐるエッセイ集。
[ 目次 ]
女神の帯について
オルガスムについて
性とは何か
コンプレックスについて
近親相姦について
愛の詩について
優雅な屍体について
サド=マゾヒズムについて
ホモ・ビオロギグス
オナンの末裔たち
乳房について
ドン・ジュアンの顔
エロティック図書館めぐり
ピエール・アンジエリック『エドワルダ夫人』について
玩具考
マンドラゴラについて
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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以前に読んだ『少女コレクション序説』と重複する部分があったので、1日ですらすらと読めた。
「性とは何か」ではゾウリムシの話に驚いた。ゾウリムシは無性生殖なので、セックスはしないと思っていたが、接合をし体の一部を交換するらしい。その様はいかにも愛欲的で、無性生殖のゾウリムシがそのような行為をするということは、「繁殖の現象と接合の現象とは別の物」であり、「愛欲の現象はセクシュアリティ(有性生殖の活動)に先行している」ということになる。このような生殖行為と接合は別物であるという考えは聞いたことがなかったし、面白いと思った。これに付随して、接合による快楽を積極的に求めろと主張しており、世間の考えとしてそうだったらいいなと思った。
また、性的な牽引力をアンドロギュヌスの神話になぞらえて説明する話を紹介している。原初の人間は両性具有者(アンドロギュヌス)であったが、ゼウスに罰せられ二つに分かれてしまったので、それ以来再び元の一心同体になろうと熱望するようになったという話だ。性的な衝動がこのような退行的衝動で、神話によって説明されることが良くある。非科学的で信じるに値しないように思うが、相当昔に作られた話が現在の人間の心理を説明する材料になりうるということがとても不思議に思う。著者自身も科学的でないことは分かっているし、そのことがこの説の強力な反駁にはならないのだ。
他の評論にはサディズムに関する話が多くあるが、それを読むたびに自分はサディストなのだと思う。サディストに関する精神分析には自分が共感できる感情が多くあるからである。特に、「磔刑執行人にとっては、犠牲者が自由を裏切る瞬間、犠牲者が屈服する瞬間こそ、快楽の瞬間である」という一説には非常に共感できる部分である。
とにかく、共感できる部分や引用したい一説はたくさんあるがきりがない。題材もさることながら、ほかの評論よりも難しくなく、理解しやすいというのも、読みやすく面白い所以だろうと思う。
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[要旨]
ヨーロッパで使用された姦通防止用の奇妙な道具〈貞操帯〉に関するさまざまなエピソードを収集した「女神の帯について」。乳房に関する男性のエロティックな趣味の変化から、男性の〈乳房コンプレックス〉を考察する「乳房について」。ポルノグラフィーについてその豊かな知識を披露する「エロティック図書館めぐり」など16篇を収録した。エロティシズムをめぐるエッセイ集。
[目次]
女神の帯について/オルガスムについて/性とは何か/コンプレックスについて/近親相姦について/愛の詩について/優雅な屍体について/サド=マゾヒズムについて/ホモ・ビオロギグス/オナンの末裔たち/乳房について/ドン・ジュアンの顔/エロティック図書館めぐり/ピエール・アンジエリック『エドワルダ夫人』について/玩具考/マンドラゴラについて
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「エロティック図書館めぐり」が面白かった。こんな本ばかり(じゃないけど)読んでたので、既に10代のころ、オジサン相手に貞操帯の話をして、彼のほうに引かれてしまった……。
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貞操帯からオルガスム、コンプレックス、近親相姦、ネクロフィリア、サド=マゾ、オナニズム…。
澁澤節の博覧強記。
いやはや、やっぱりとんでもない。
オナニズムの語源は旧約聖書のオナンから来ているそうだ。
初めて知りました。
本当に澁澤龍彦氏の本は勉強になる。
知って得するかはおいといて。
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なかなか面白かった。以下はお気に入りの箇所。
「性とは何か」のゾウリムシの件が面白かった。相手を必要としない単性生殖を行う彼らも互いに愛欲のように駆られた行動をとる。
これは愛欲は生物に根源的に備わる欲であり、また性に隷属するものではない。
つまり、性交は生産的なだけのものと限定されるべきものではなく、むしろ一種の遊び、生物が持ちうる贅沢のひとつの属性として見たほうが科学的にも正しいのである。
その他にも興味深い内容がたくさんある書だったと思う。
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読者を置いておくことも簡単な話でお茶を濁すこともせず、わかりやすくでも深く、そしてひとつひとつの章を短く明確にしてあるので内容に比べ読みやすかった。
興味深かっただけじゃなくて刺激的で、こんなの読んでいいのかなとどきどきしながら美術の時間にこっそりページをめくったのを覚えている。読書で知る背徳感はとても心地よかった。ぎゃーぎゃーと氾濫するエロじゃなくて堂々と美しいエロス。おもしろかったです。
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女性の『性』について。
貞操帯から、当時の絵画まで。
時代背景が見えてくるものがあります。
言われてみれば、なギリシャ神話。
謹慎相関どころか、年齢をものともしない内容。
面白かったです。
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「優雅な死体について」、「サド=マゾヒズムについて」は特に興味深く読めました。『少女コレクション序説』よりは固くて装飾性のある文章だけど、澁澤節はやっぱり炸裂、かなり筆が踊ってる感じが目を通すだけで念々と伝わってきます。エロスに関連するワードとして乳房や近親相姦はもちろんのこと、貞操帯や玩具や媚薬をも紹介していたのは、さすが澁澤だなぁと思いました。
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数年ぶりに再読。性とその周辺にある事物を博覧強記の澁澤龍彦が縦横に語るエッセイ。性科学や生物学的に見れば内容が古いですが、本作は情報としてではなくて読み物として楽しむのが正解。人の持つ性的な幻想は果てしがなく、興味が尽きない。「マンドラゴラについて」では奇っ怪な植物=動物が紹介されており、西欧人が東洋に抱いていた憧憬が垣間見えるようで面白い。想像、幻想、奇想、人の可能性は飽くなき好奇心と空想なのだと改めて思った。