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(私はたまたま国民文庫の版を手にいれることができ、それを読んだが、同じ内容のものが岩波文庫から出ており、「 空想より科学へ(大内兵衛訳)」がある。こちらのほうが入手しやすい。)
【内容】
マルクス経済学の哲学「唯物弁証法」「唯物史観」「下部構造・上部構造」などのことが非常によく分かる名著である。
かのレーニンも「非常に学ぶべきところが多い本である」と絶賛したそうである。
「フォイエルバッハ論」とあわせて読めば、より理解が深まるであろう。
【感想】
非常に感銘を受けた。
かのレーニンも「学ぶべきところが非常に多い本」と絶賛したそうで。
マルクス主義の哲学面である、「弁証法」「唯物論」が大体分かる。
またオーウェンなどに代表される「空想的社会主義」とマルクス、エンゲルスの「科学的社会主義」の違いも分かる。
弁証法や唯物論が与えられるまで、社会主義は科学ではなく夢物語に近かったのである。
この本は英語版の序文が異様に長いが、イギリスを例に取り「唯物史観」が説明されている。
この序文も非常に示唆に富んだものである。解説もあわせて読むことをお勧めする。
一文一文が冗長で少し咀嚼に困るところも少なくないので、なるほどそうだったのかと理解する助けとなるであろう。