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紙の本
村松アカデミズムの原点
2003/09/11 18:12
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投稿者:魚籃坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録作『作家装い』…「作家装い夜毎の宴」という新聞記事を見た筆者が、群馬県の梨木温泉に検証に行くと、実は作家に憧れた失業者が宿代を払うことができないということだった。それでは偽者の作家と本物の作家の違いは何かと筆者は考える。
こう考える原因に、アクチュアルな真実である純文学作品が認められず、リアルな虚構『時代屋の女房』が認められて“しまった”村松氏の「屈託」が見て取れる。それは、表現が、本当に自分が書きたい現実から離れていってしまうという不安かもしれない。
作家とは生き方であり著書がない作家像もあるのではないかという考えも、直木賞受賞のベストセラー量産作家の表現からは実感をもって感じられる。それにしても偽者の作家を小説の中だけでも本物にしてやろうなんて、泣かせる話ではないか。
同作品を中心に、このような考えが生まれる過程を説明するかのように編まれた作品群だ。偽者を本物にする作家魂だけでなく、素晴らしい編纂の技術を見ることができる秀逸な著作群である。
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