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鉄道会社の経営者は個性豊かな人が勢ぞろい。
1991年に発行された古本だが、読んでいて興味深い。
2月は受験シーズン。
男子御三家の1つにで知られる武蔵学園。
その武蔵を創設したのは、東武鉄道の創業者の根津嘉一郎(先代)だった。
鉄道会社が学校経営とは驚いたが、二代目根津嘉一郎は、次のように述べている。
他の財界人といちばん違っていたと思うのは、財産のほとんどを公共事業に投じたことだと思います。
大正10年に個人財産で武蔵高等学校(現・武蔵大学)を設立した。
それに根津といえば、根津美術館。先代が美術愛好家でいろいろなものを集めた。
根津美術館には、日本、中国、朝鮮の江戸時代までのものを中心に、総数1万点ものコレクションがある。
私鉄でトップの営業キロ数といえば、近鉄(近畿日本鉄道)だ。
明治43年9月、近鉄の前身・奈良軌道(株)が発足して以来、何度も合併と路線延長を繰り返して昭和19年6月1日から近鉄になった。
そんな近鉄が始めたサービスの数々。
昭和22年10月、座席指定列車特急を始めた。
戦後の電車の込み方が半端なレベルではなく、大変だった。
指定席があれば、女性や子供でも座れる。
乗客におしぼりを配ったのも日本で初めてで、昭和26年11月から始めた。
電車でラジオを聞けるといいなあと言うことで、昭和32年10月に、座席ごとにイヤホーンで聞くラジオをつけたり、日本で最初の冷房電車を昭和32年6月につけている。
この他にも阪急、名鉄、東急、西武の経営者が登場している。