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中国史で「征服王朝」と呼ばれた中で、「遼」は一番マイナーな存在ではないでしょうか?
金を建国した女真族は、英雄・岳飛との戦いが有名ですし、やがて満州族と名を変えて中国最後の世界帝国たる清を建国しました。
元はいわずと知れた「大蒙古帝国(イヘ・モンゴル・ウルス)」で、チンギス・ハーン(成吉思汗)を初め数多くの英雄を輩出し、世界全体に影響を及ぼしました。
それに較べると遼は、征服王朝とはいえ実際には燕雲十六州を占領して中華の一部に食い込んだだけでしたね。
しかしこの遼を建国した契丹族(キタイ)の名は、現在でも使われています。
ロシアではこの「キタイ」を中国と見なし、ロシア語では中国を"Китай"と書きます。
これが欧米に伝わり、英語で中国の別称である"Cathay"となって、こんにちではキャセイ・パシフィック航空(Cathay Pacific Airways)の名に使用されてます。
マイナーながらも、意外なところに名を残した遊牧民・契丹の歴史や文化を知るうえでお薦めの一冊です。
学校の授業では、英雄・耶律阿保機の名前を暗記させられただけでしたからねw
ニン、トン♪