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[ 内容 ]
夫との別居に始まり、離婚に至る若い女と稚い娘の一年間。
寄りつかない夫、男との性の夢、娘の不調、出会い頭の情事。
夫のいない若い女親のゆれ動き、融け出すような不安を、“短篇連作”という新しい創作上の方法を精妙に駆使し、第一回野間文芸新人賞を受賞した津島佑子の初期代表作。
[ 目次 ]
光の領分
水辺
木の日曜日
鳥の夢
声
呪文
砂丘
赤い光
体
地表
焔
光素
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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ろくでもない夫とようやく離婚することが出来たが、娘との生活とライブラリーとの仕事、隣人とのいざこざがあったりと大変な思いをするがそれでも生きていく。
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生活能力の低い女が、未成熟な娘と孤独やストレスに耐えながら生活する中で、何となく光が見えてゆく過程に心が洗われる。
全篇に透き通った雰囲気があり、読後もサッパリした良短編集。
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津島佑子の「初期作品」にあたる。いわゆる連作短編の形式で、巻頭の一篇から順番に読むことが吉である。
文学の感想としてよくある表現に「日常世界のざらざらした感触」という言い方があるが、少々横着してその表現を借りてしまいたくなる。いうなれば、それ系です。
本作よりも後に世に出た「水府」「真昼へ」も"それ系"と云えますが、後発の二作のほうが、ざらざら感に加えて「もう一要素」追加された感がある。
いわば本作のほうが、小説として練るよりも先に、私小説的ざらざら感が突出した造りだという印象(決して私小説ではないのだが)。どちらが良いか悪いかではなく。
『水辺』という一篇が哀切でもあり夢幻的でもあり、鮮やか。
センター試験でも出題された一篇なのだとか。