投稿元:
レビューを見る
乱歩の写真がたっぷり。乱歩全集を数冊読んで、乱歩という人はどんな人なのかなーという興味から読み始めました。期待を裏切らぬ情報量。交友関係が広く見えつつ、一方向に向けて狭い印象のある乱歩さんでした。新年会の人数の増えっぷりが凄い……! そして、毎年きちんと写真を撮って保存しておくマメさがステキです。
芝居(出る方)に関心があって、いっぱい読みたくて色々な人とたくさん話したくて小説を書き始めたのかなぁという印象です。それなのにあれだけ書けるのは怖いくらい。乱歩の作品って、構成はワンパターンで整合性が微妙なところがあるけど、それを補って余りあるパワーが……! シーン毎の魅せっぷりがスゴイのですが、あまり本人、そういうの気にしてないのかしら。なんだか、そんな印象でした。
引っ越し魔で記録魔で、というのはすごい「らしい」なぁと思ったり。スランプになると失踪しちゃうとか。「乱歩氏失踪、明智小五郎呼んでこい」とはよく言ったものです。
糸井重里の「ほぼ日」で、乱歩の『蔵』を探検するページがあって、そこと合わせて見ると情報が相互補完されていい感じです。
ちなみに、表紙のピストル構えている乱歩氏……ガンダム作った某トミノさんに雰囲気がすごーく似ている気がするのですが……どうでしょう……?