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双子の姉弟が主人公の恋愛小説。
同じ人物が少しずつ変わりながら別々の時代・背景で愛し合う
オムニバス形式の作品です。
最初の現代の場面では「??」という感じだったのですが
二章目から一気にのめりこみました。
全体を通して“耽美さ”が強く打ち出されていてとても官能的。
甘ったるいのではなく耽美なのです。
登場人物だけでなく小道具も共通して使われていて、その使い方も巧みです。
読み終わったあと不思議な「ほわーっ」というため息が漏れます。
普通のラブストーリーとは何かが違う「ほわーっ」なのですが
うまく言葉にできませんゴメンナサイ。
著者自ら女性向けと言い切っている作品ですがどうなのでしょう。
男の人が読んだらつまらないのかなぁ。
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異なる性の双子が貪る、禁断のエロティシズム・・。
なかなかロマンチックですが、なんかこれ、時をかける少女?
・・たぶん、雰囲気で読まなくちゃいけないのね・・。
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双子にしかわからない血の絆が、運命となり、2人を破滅へと導いてゆく。濃く、せつない、悲しい恋の結末。ちょっと重いです。
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衝撃的な部分も多いので勧めにくくはあるけれど、とにかくせつなく胸が苦しく、読み終わったあとにうあーーーと無意味な音を発したくなる。一箇所だけどうしてもダメなちょっとグロい性的シーンがありました。でもそこを差し引いても嫌いじゃない作品。
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「変奏曲」は、ライラックの章と石榴の章が好き。素人目に見てもリアルな時代考証でロマンに浸れるから。
あと、エロすぎる。
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違う性を受けた双子のインセストな話だ。
犯罪ではないが、道徳的タブーを犯した二人の苦悩を、
時代を超えて同じ名前で、それぞれの登場人物たちが繰り広げるオムニバス。
これは深読みすれば、輪廻転生とも言えるのか?
切なくも短絡的なSMチックな血の絆。
これほどまでに淫美で耽美に感じられる話はない。
グロい性表現には賛否両論あるだろうが、
引き込まれてしまう一冊。
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2009/7/24
これはちょっとよくわからない。
一貫したストーリーじゃないのだな。
最初の人たちはどうなったのだろう・・・
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『ペニスとヴァギナの話を、無計画に書けば「衝撃的な文学」と称され、ふつうくらいに書けば「艶やか
な文体」と称され、計画的に書けば「ポルノ小説」と称され、ていねいに書けば「ロマンス小説」とな
り、ぞんざいに書けば「恋愛小説」となる。』※姫野カオルコ 著【不倫(レンタル)】より
以前、姫野カオルコの【不倫(レンタル)】を読んだとき、物書きを目指す僕としては、この一節に妙に
納得し、深く共感した記憶がある。
それを踏まえた上でこの【変奏曲】は何小説か考えてみるが、非常に難しい。
艶やかな文体であり、ポルノとロマンスの間。いや、ポルノと呼ぶにはかなり距離はある。ポルノという
よりエロティカ。エロティカよりもエロティシズム。つまり、肉体的欲求はもはやたいした意味を持た
ず、精神的な欲望をどうやって処理しようかという方面に重きを置く。他に方法が思い浮かばないから男
女は抱き合うのであって、他の方法があるならばそっちで結ばれてもかまわない。
しかし結局のところそんな方法は見つからず、男と女は抱き合うしかないのである。
姫野カオルコの作品は哲学です。
【変奏曲】は洋子と高志という双子の姉弟の禁断の愛の物語である。4章にわたる物語だが、4つの章は
それぞれ違う時代であり、4つの短編という読み方もできる。双子の姉弟という設定はすべてに共通する
ものだが、それぞれの時代でふたりの置かれた環境や立場は異なる。だが、微妙にすべてがリンクしてい
るように時間軸を絶妙に操る文章はさすがである。
血の繋がった双子の姉弟だからこそ作りだせる空間。双子の間で交差する強烈なサディスティックとマゾ
ヒズム。ただの男と女の関係ではないからこそ生まれる重苦しい切なさと泣きたくなるほどの快楽と甘美
な世界。
著者はあとがきでこう語る。
「女の人ならいくつになっても夢みる完全なる《おはなし》の世界を一度、綴ってみたかった。男の人が
読んでもちっともおもしろくないやつを一度、やってみたかった」
なぜ男が読んで面白くないだろうと想像したのだろうか。おそらく、文章から滲むエロスのデティールが
男性が好む(望む)ポルノ的要素ではないからだろう。紡ぎ出されたのは、確立したエロティシズム。
その辺の安いエロビデオと一緒にしちゃいけません。これは、立派にはっきりと「文学」です。
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あくまで推論だが、変奏曲は恋愛小説の文学史案内ではないか?
最初の桜の章では他の章にはない多くの謎から始まっているが、これは現在の恋愛に対する謎である。なぜ、今私はここにあるのか?という問いに対して求められるのは答えであり、答えはいつも過去にあるのだ。だから物語に他の物語が介入すると言う特殊な設定が組み立てられる。過去、つまりライラックの章は近代文学の成熟期である大正時代の特殊な恋愛から答えを導き出すストーリーが編み出される。そして、耽美的な美を備えた大正の物語は関東大震災という文学の転機点から第二次世界大戦という断絶を経て、悲劇的な物語へと一変する。柘榴の章は娼婦になった洋子の登場だが、ここで注目すべきは、洋子のある種分身であるたかしが死んでいるところから始まる。つまり一度男は死んでいるのだ。男の死は男の文学史の死の象徴だと言える。だからライラックの章の主人公であったたかしは男だけの語られる文学の象徴に成り得たのだ。そして、ラストの章は一気に2020年の物語になるが、ここに壮大なオチが誕生する。本文抜粋「会社があらかじめ仕組んだ単純なセリフと動作を稚拙に繰り返せるだけだ」←これってつまりラブプラスだ!
だから、これは未来の恋愛がラブプラス化せざるを得ないと言うことを予見したとんでもない小説だったのだ!という感想。
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ラストの話しが好き。
読んでいて気持ちよくなれる。
ここまで愛されてみたい。
血のつながった人からの、血のつながり以上の愛情って、これ以上ないくらい癒されるものだと思う。
「痛みもぜんぶ飲んであげるよ」という弟の言葉は究極の癒し。
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2010/01/24.
色は全然違うが、若干恩田陸「ライオンハート」を思い出した。
こういう、ちょっとした禁忌ものはすきです。
えろてぃしずむを加速させるために必要なのは、背徳感。
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masochistishな香り。人にはお勧めできない。こっそり読むべきだ。奇妙なメロディを繰り返す変奏曲。
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読み終わった後、ライラックの花だけ妙に印象に残った…。
中学生の自分が読むにはちょっと難しかったと思う。
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このくそ暑さに読書なんてとっても出来ないと思っていたが、読んでしまった。しかし残念なことに依然読んでいたことを忘れて同じ物を読んでしまった。姫野カオルコと言う名前で借りたからだ。「整形美女」は哲学だった。外見と内面のギャップ、不潔な清純さ、単調で変化のない生活のようで真理を知っていた父親。印象深い作品だった。しかしこれはまた別である。なにかレディースコミックを思い出してしまう。暑苦しい、とため息。2005・8・11
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洋子と高志、双子の姉と弟。
性別は違っていても、同じ時間に同じ母の腹から生まれた双子には、二人にしかわからない神秘と親密さをもっていた。
話が古い!女学生とか貴族とか。
で、話が4つほどあってどれも状況が違っていて話がつながらないし謎、って思ったけど、あとがき読んで納得した。
それぞれ独立したいろんなバージョンの洋子と高志の話し。
ただのエッチな話し…ぽい。淡々としている。
下妻物語の、名字忘れたけどなんとか野ばらを思い出した)^o^(