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実践的哲学者、永井均による明快なウィトゲンシュタインの解説(にかこつけて、私的言語や独我論を展開する)本。
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哲学について語れる知識も素養も持ち合わせていないが、読んでいる間退屈しなかった。難しかったけど。入門書として成功なのでは。内容的には、前半で引用されている「論考」のきれっぱしが気になる。追求の仕方が論理的で無駄がなくエレガントな感じ。いつか読みたい。
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ウィトゲンシュタインの生涯は、なかなか波乱に富んでいて、興味深い。が、さて肝心の論理哲学は…残念ながら難しすぎて消化不良。哲学の専門的学習をある程度積んでいないと、これは無理だ。
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ウィトゲンシュタイン哲学について入門書。一読してみての感想。「ウィトゲンシュタインの問題意識」に照準を合わせて、それを読者に伝えるということについては成功していると思う。ただ、新書かつ入門書という制限があるため、ウィトゲンシュタインの議論を詳細に説明し尽くしているわけではない。この点には筆者も自覚的であり、より詳しくウィトゲンシュタインについて学びたい場合には、巻末の読書案内が役立つだろう。入門書としての役割は果たされていると思う。ここまでで★4つ。
★追加要素は、「ウィトゲンシュタイン入門」でありがながら、きちんと「永井均の本」であるという点。永井均が好きなら読むべき。それが本書が「他の入門書との相違点」すなわち「持ち味」でもあると思う。逆に言えば、永井均が嫌いな場合は、読むに耐えないかもしれない。
わたしは、永井均が好きだ。彼の本を読むと、その真摯な姿勢に胸を打たれる。その点を加味して、★5つ。
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文芸誌上の企画「哲学とわたくし」で川上未映子さんが対談した永井均さんの入門本。そもそもわたしって?そんな方にオススメです。
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巻末の読書案内が優れる。
Key concept; 規則、
ウィトゲンシュタインに関する書物
ノーマン・マルコム ☆読みたい
黒田
アンソニー・ケニー
藤本隆志
滝浦静雄
AJエイヤー
ACグレーリング
クリスティアンヌ・ショヴィレ
ウィトゲンシュタインを含む書
シュテークミュラー『現代哲学の主潮流2』第9章 入手
黒田 『経験と言語』の? ☆
飯田隆『言語哲学大全?』の第1,2章 ☆
本格的な研究
PMSハッカー
『洞察と幻想』
ウィトゲンシュタイン的な考えを展開し直接さまざまな問題にアプローチ
古典
心 ノーマン・マルコム『心の諸問題』 ☆
科学 Nハンソン『科学理論はいかにして生まれるか』
社会 Pウィンチ「社会科学の理念』 済
より最近
クリプキ『ウィトゲンシュタインのパラドックス』 古典のウィンチと読み比べて「規則」理解の違いは後期ウィト的問題の中核 ☆
クリプキ以降のウィト解釈を社会理論への適用例
落合仁司『保守主義の社会理論』 クリプキ以降のウィト解釈の社会理論への適用例 済
Wittgensteinと分析哲学との関係
マイケル・ダメット『真理という謎』 済 中央
リチャード・ローティ『哲学と自然の鏡』 直接読む 済 ICU
現代思想全体との関連
Hステーテン『ウィトゲンシュタインとデリダ』 ウィト哲学になじんでいる人向けにデリダとの関連を説く
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永井、ヴィトゲンシュタイン、両方とも魅力的であるが、この本を読む思考力が不足しており十分に味わい尽くしていない感がある。
論理学の理解は、自分には限界かな
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初期のウィトゲンシュタインは、言語は世界の「写像」だと考えたが、後期にはぼくたちはある規則を持った「言語ゲーム」の中に閉じこめられていると考えた。ずいぶん違うわけだ。その過程がわかる。(石原千秋『未来形の読書術』156頁)
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(2004.08.14読了)(2003.05.09購入)
「この本は、ウィトゲンシュタイン哲学の入門書である。第一に、この本は「哲学」の本であって、人物紹介の本ではない。第二に、この本は入門書であって、解説書や概説書ではない。」
「哲学にとって、その結論に賛成できるか否かは、実はどうでもよいことなのである。重要なことはむしろ、問題をその真髄において共有できるか否か、にある。優れた哲学者とは、すでに知られている問題に、新しい答えを出した人ではない。これまで誰も、問題があることに気付かなかった領域に、実は問題があることを最初に発見し、最初にそれにこだわり続けた人なのである。」「ある哲学者と問題を共有した時、それによって世界の見え方が変わり、人生の意味が変わる。」「もしウィトゲンシュタインがあなたにかかわりを持つとすれば、それを知らずに人生を終えることは、無念なことではないか。」
永井均の疑問 「私はなぜ、今ここにこうして存在しているのか」「なぜこの子が自分であって、隣にいる子が自分ではないのか」「無数にいる人間といわれる生き物の中に、自分という特別のあり方をしているやつが一人だけいて、こいつがそれである、ということが不思議でならなかった。」(このような疑問を持っている方は、ウィトゲンシュタインを読むといいということです)
ウィトゲンシュタインの独我論 「私だけが存在する」「もし私が存在しないとすれば、ある意味でそれは、何も存在しないのと同じである」「私に見えるものだけが真に見えるものである」「私の意識だけが唯一本当に存在するもので、他の一切は私の意識への現れである」
(これだけ読むと、自己中心主義、世界は自分を中心回っており、この世界では自分が主役であり、他は脇役でしかない。自分がいない世界など考えようがない。と言うことみたいに見えるような気がするけど、そういうことではないらしい。)
ウィトゲンシュタインの「論考」の主題 「言語の可能性の条件を明らかにすること」「ウィトゲンシュタインは、言語が世界について何事かを語りうるのはどういう条件の下でなのか、を問題にした」
「「論考」の最初のページを開くと、世界がどのようにできているか、ということに関する独自の見解が、何の説明もなしに、あたかもご託宣のように述べられている。」(これは、現代数学の影響を受けたものであろう。現代数学では、最初に公理を述べて、その公理を元にすると、どのような数学世界が可能かを導いてゆく、というスタイルで記述するようになっている。ウィトゲンシュタインもその記述スタイルを真似て、最初のご託宣に沿って論じると、どのような世界が構築可能かを論じたのかもしれない。)
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はじめに
序章 ウィトゲンシュタインの光と陰
第1章 生い立ち
第2章 像―前期ウィトゲンシュタイン哲学
第3章 復帰
第4章 文法―中期ウィトゲンシュタイン哲学
第5章 言語ゲーム―後期ウィトゲンシュタイン哲学
第6章 最期
終章 語りえぬもの―光と陰、再び
おわりに
文献案内
(目次より)
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[ 内容 ]
世紀末のウィーンに生まれ、20世紀初頭の英国ケンブリッジを舞台に活躍した天才哲学者ウィトゲンシュタイン。
ユダヤ系の鉄鋼財閥の裕福な家庭に育ちながら、その後たどった数奇な生涯と一風変わった人となりによって、彼の思想の全貌はいまも神秘的な色彩を帯びている。
彼が生涯を賭けて問いつづけた「語りえないもの」とは何か。
初期の写像理論から中期の文法理論、後期の言語ゲーム理論へと展開する独特のアイディアにみちた思想の核心にわけ入り、読者とともに考える、清新な魅力にあふれた入門書。
[ 目次 ]
序章 ウィトゲンシュタインの光と陰
第1章 生い立ち
第2章 像―前期ウィトゲンシュタイン哲学
第3章 復帰
第4章 文法―中期ウィトゲンシュタイン哲学
第5章 言語ゲーム―後期ウィトゲンシュタイン哲学
第6章 最期
終章 語りえぬもの―光と陰、再び
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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2010.9.3
「語りえぬものについては沈黙しなければならない」というフレーズにびびっときたので読んでみたけど、ほとんど分からなかった。
論理学の素養がある程度ないとダメなのかな。
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入門といいながら易しい内容ではありません。前提知識のいらないように書かれているようですが、実際のところは哲学上の語句や論理学上の知識が求められているように思います。
さらに、ウィトゲンシュタインが言うところの”語り得ぬもの”という問題について、かなり踏み込んだところまで解説しているので、かなり入念に読んで考えないとその意味することろが想像しにくいです。前述の知識の問題と相まって、読んでいてなかなかイメージのわかない印象があります。もしかしたら、著者が言うように、”語り得ぬもの”についての問題意識を共有できない人にしかそもそも理解の難しい問題なのかも知れません。
そんなわけで、哲学的な素地も問題意識の共有もできていない私にはちょっと厳しい内容でした。ただ、ウィトゲンシュタインの問題意識を共有することができるなら、これは単にウィトゲンシュタインの思想の紹介にとどまらないで、自ら本当に哲学するための入門書となりうる内容なんじゃないかなあと思います。常に自らの中の問いに向き合い問い続けていくという姿勢自体が哲学であって、応えを見つけることが哲学ではないという著者の主張には大変考えさせられるものがあります。
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「他人は『私が本当に言わんとすること』を理解できてはならない、という点が本質的なのである」("青本")
著者の理解するウィトゲンシュタイン哲学が、今までそれに触れたことがない人にも伝わるように説明されている導入本。
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ウィトゲンシュタインの入門書といいつつも、入門書としては難しかった。
ウィトゲンシュタインの哲学について、論考から哲学探究まで全て盛り込んで書いている結果、説明不足感は否めず、読んでいて大変。
もうちょっと勉強してから読みなおしたい。