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カントの現代的意義が少しも述べられていないため、ちっとも興味がわかない。そういう書き方こそが新書的なのではないのだろうか。
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『純粋理性批判』を世に残したカントの入門書。
テーゼとアンチテーゼについて比較しているところが、理解し易かったから、入門書としては取っ掛かりやすいと思う。哲学書は、コメント書きづらいので、印象に残った一説を載せる。
『四角い円はまるい』『四角い丸は円である』どちらも偽だから、これは空集合なのである。
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人間の理性は対象をどのように認識するのかという問題を認識批判という試みから難題に挑んだカントはやはり偉大だとおもう
ヴィトゲンシュタインの影響で、形而上学的価値に抵抗感あったけど
そんなことないお!!!
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カントの思想内容や思考手順が、
非常に丁寧に整理されていたように思う。
わかりやすかった。
ただ残念ながら、一読では十分な理解ができない。
うー、難しい。
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正直カントは意味がわからなかった。
純粋理性批判もプロレゴメナも、
何回読んでもまるで理解できない難解さである。
それが本書で氷解した!
なるほど、彼がどれほど革命的なことを成し遂げ
西洋哲学史の上に金字塔を打ち立て
全ての哲学の基礎になっている意味がようやくわかった。
そうは言っても入門書であり
まだまだカントを理解したとは全然言えないのだろうけれど
入門書としては白眉の出来。
あれほど難解だったカントが手の届く位置に来てくれた。
ああ、助かりました。
これで先に進めます。
カントを脱落した全ての人に、是非。
カントは怖くないよ!
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カントの『純粋理性批判』の構造をとくにアンチノミーの解説から説き起こし、自由の問題、宗教の問題、とくに法廷モデル・合目的性など、たいへん面白くよんだ。カントの入門書には最適かもしれない。カントの革命的な部分、理性批判がよく分かる。のちのニーチェなどとも関わる部分であろう、また、因果律と自由と、物理的世界観と定言命法や道徳律への尊敬の念から語っているところは朱子学の理気二元論との共通性を感じる。二律背反で理性が破綻するところは、中国思想に通底する二元論にも関係すると思う。
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2010.8.8
いろんなところに顔を出すカント。ちょっとだけ分かった気がした。
批判哲学。アンチノミー。物自体。合目的性。
いや、でも分かってないな。新しい単語と場合分けが多くて覚えきれない。
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[ 内容 ]
真理の最高決定機関であるはずの理性が人間を欺く二枚舌をもつとしたら、一大事ではないだろうか。
この理性の欺瞞性というショッキングな事実の発見こそが、カント哲学の出発点であった。
規則正しい日課である午後の散歩をするカントの孤独の影は、あらゆる見かけやまやかしを許さず、そのような理性の欺瞞的本性に果敢に挑む孤高の哲学者の勇姿でもあったのだ。
彼の生涯を貫いた「内面のドラマ」に光をあて、哲学史上不朽の遺産である『純粋理性批判』を中心に、その哲学の核心を明快に読み解き、現代に甦る生き生きとした新たなカント像を描く。
[ 目次 ]
第1章 純粋理性のアイデンティティー
第2章 カント哲学の土壌と根―批判哲学への道
第3章 迷宮からの脱出―第一アンチノミーの解決
第4章 真理の論理学―経験世界の脈絡
第5章 自然因果の彼岸―自由と道徳法則
第6章 自由と融合する自然―反省の世界
第7章 理性に照らされる宗教
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ちくま新書の哲学者入門書シリーズのカントを読んでみた。カントは『純粋理性批判』という有名な著書しか知らなかったが、今回この本を読んでみて、ある程度はその本の名前の予想通りだったが、意外な部分もあった。この本はカントの思想の流れをつかむために、カントの人生を辿るように時系列的に書かれており、この書き方が分かりやすくておもしろかった。
カントは主に1700年代に活躍した哲学者であり、以前に読んだフーコーやバタイユよりも前の時代に活躍した哲学者である。『純粋理性批判』という言葉通り、われわれが万能であると考えている理性が嘘をつくということを指摘した哲学者である。一見正しいように思えることが、実はそうではないということが多くあり、それをカントは「仮象」と呼んだ。例としてはコペルニクスが発見した地動説がある。一見、太陽が級の周りをまわっているように見えるが、実際は太陽は静止し、地球が太陽の周りをまわっている。このような仮象が、理性が誤謬を生む一つの原因となると指摘した。
また、理性が誤謬を生むことの原因として、4つのアンチノミーを挙げる。このアンチノミーというのはパラドックスと同じ意味で、二律背反のことである。ここで挙げられるアンチノミーは、時間・空間は有限か、無限かというものや、すべての物事は必然であるという運命論的な考え方と、物事は自分で決められるという自由的な考えの対立である。
第一の時間・空間に関しては、時間・空間はもともと量を持たない概念であり、どちらの命題も偽であるという結論であった。つまり、われわれが認識する物事は必ず何かしらの量を持っており、そのことから時間・空間に関しても量があると考えがちであるが、それらは量を持っていないということである。この結論は自分にとってかなり意外なもので、いまいちしっくりこなく、なんだか騙されているような印象を受けたが、このように説明づけると矛盾することがなく、正しいのだと思う。
また、運命論と自由論についてはどちらの主張もある程度正しく、これは適用範囲の問題であるという結論であった。これは当然の結論であると思った。普通に考えればそのような結論になると思う。それともカントの時代はかなり新しい考えだったのだろうか。
カントの思想に対して、なぜだかは分からず漠然とであるが、かなり厳格でストイックなものだという印象があったのだが、道徳法則に関するところを読んでその通りであることが分かった。道徳法則に関することは全てが「~べし」・「~なかれ」という命令形で記述され、義務的なものである。例えば、「正直であれ」・「嘘をつくなかれ」等である。このような命令文の方式を「命法」とよんだ。カントは更に、無条件の命法を定言命法、条件付きの命法を仮言命法に分類し思考を進める。
カントが言うには、仮言命法は道徳法則を教えるのに非常に理解がしやすく便利であるが、同時に強い副作用を持つという。例えば「人に親切にされたければ、自分も人に親切をしなさい」という仮言命法は子供に説明する際も、なぜ親切をしなければならないかという説明が与えられているので教えやすいが、同時に「人に親切されなく���もよいならば、自分も人に親切にしなくてもよい」という理屈が成り立つ。仮言命法には、このように道徳の根拠が自分の利益等という下心に結びつく「エゴイズムの原理」が隠れており、普遍的妥当性を持たない。この意味で、仮言命法はア・プリステオリなものである。
対して、定言命法はその根拠が示されていないため、教えるのが難しく、そのような行動をとるのは非常に難しいものであるが、普遍的でア・プリオリなものである。またそのような行動は、ペテロの例をみるように、非常に強い「道徳法則への尊敬の念」を喚起する。
以上のような意味で、仮言命法による道徳法則は絶対的な「善」ではあり得ず,定言命法による道徳法則こそ「善」であるとした。このように道徳に関しての考え方が、カントに対する印象を厳格なものにしているのだろう。
他にもカントが理性批判において良く用いた思考法である「法廷モデル」等、興味深いことが沢山あったが、ここで挙げることができない。自分の文章力がもっとあったらと思う。ただ、カントに関して物足りないと思ったのは、道徳に対する根本的な批判が少ないことである。後に、ニーチェなどがそれを批判していたようなので、次はニーチェ入門を読んでみたいと思う。
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よくわからんというのが本音。まだまだ自分の知識が足りないのか、書いている内容が難しすぎるのか。それより何でこれを読もうとしたのか思い出せない。とりあえず、もう一度きっかけと目的を見直して再読しよう。
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理性が人間を騙す。それは避けられないことだけど、人間はそれをよく考えることで乗り越えることができる。何が正しいか、わかることができるんだって。
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読者に理解しやすいよう、カント哲学を丁寧に説明しようとする著者の努力はよく分かるが、著者自身「むすび」で「カントは新書スタイルにはなじみにくい」ために苦労したと告白していることにも伺えるように、カント哲学の本質を初学者に分かりやすく伝えることはあまり成功していないような気がする。
カント哲学を紹介するにあたって、アンチノミー論を導入にもってきたことは、非常によいアイディアだといえるだろう。ライプニッツ=ヴォルフ学派からのカントの離反についてきちんと説明されている点や、著者のいう「法廷モデル」に基づく立ち入った解説がされている点も、高く評価できる。
他方で、カントの批判哲学が、「可能性の条件」の探求であったという点についての説明が十分でないように感じた。とくにカントの理論哲学の解説では、演繹論や原則論についての説明が弱いことは否めない。カントの理論哲学は「認識の可能性の条件」の解明をめざしたものであり、道徳哲学は「道徳の可能性の条件」の解明をめざしたものだ。カント哲学の入門書に求められているのは、こうした問題設定を読者に納得させることではないのか。
そうした観点からいうならば、本書は、岩崎武雄の『カント』(勁草書房)や黒崎政男の『カント『純粋理性批判』入門』(講談社選書メチエ)ほどゆきとどいた解説がなされているとはいえない。とはいえ、それらの入門書とはべつの観点からカント哲学を解説したものとして、本書の意義は認められてよいだろう。
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これ読んでるとき、今カント読んで意味あるのだろうか。なんてずっと考えながらでした。
初カントだったのですが、入門書としては最高だと思います。
新書という紙面の限られた情報ですが、一人の学生として読む価値があったと思いました。
近々、カントに影響を与えたエミールを読みたいです。
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仮象批判
「独断のまどろみ」p40
仮象とは、主観的なものが客観的なものと混同されることによって生じるものである。p41
因果律(因果法則とも因果性ともいう)とは、原因と結果とを結ぶ法則、すなわちしかるべき結果はしかるべき原因による、という法則である。p42
「ア・プリオリ」とは経験に由来せずに普遍性と必然性をもつという意味(反対に、経験に由来し、特殊的で偶然的であることを「ア・ポステリオリ」という)p42
「仮象の論理学」と呼ばれる弁証論 p60
彼が最後まで維持し続けた有名な哲学概念の二区分がある。p70
ひとつは「学校概念の哲学」であり、もうひとつは「世界概念の哲学」である。
カントのコペルニクス的転回
「[われわれの]認識が対象に従うのでなく、むしろ対象の方がわれわれの認識に従わなければならない」p77
【第一アンチノミー】
テーゼ: 世界は空間・時間的に始まりを有する(有限である)。
アンチテーゼ: 世界は空間・時間的に無限である。p80
カントのもたらした多くの発見や、アンチノミーの解決は、基本的に、対立する二項を超えて第三項を措定することによって成り立っている。p95
「デウス・エクス・マキナ」=困ったときの神頼み p120
カントは善意志というふくよかな概念を、一転して「義務」という厳しい概念でとらえる。p141
条件付きの命法- 仮言命法
無条件な命法- 定言命法
「道徳法則への尊敬の念」
【定言命法の根本方式】
「汝の意志の格律がつねに同時に普遍的立法の原理となるように行為せよ」p163
「自由は道徳法則の存在根拠であり、道徳法則は自由の認識根拠である」(『実践理性批判』、序文)p174
【心的能力の体系】
(1)= 心的能力 (2)=上級認識能力 (3)=原理 (4)= 適用範囲
①認識能力→悟性→合法則性→自然
②感情(快・不快)の能力→判断力→合目的性→技(技術、芸術)
③行為能力(欲求能力)→理性→究極目的→自由
p188
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(たぶん)難解と言われるカント哲学だが、単なる「物語」に陥ることなく
(おそらく)入門編としては十分な手がかりをしっかり作ってくれる良い本だと思った。文章もしっかり構成されており、著者が情熱を込めて書き上げたのだなという印象を受ける。
内容については、確かに現代からみるとツッコミたくなる点もあったのかもしれないが、後書きに書いてあるようにそれを現代の知識で補完したつもりになっただけでは、新しい知識が出るたびに同じことの繰り返しとなる。時代を超えて存在するコモン・センスとは何か、に思いを馳せながら、エッセンスを吸収することが、今後哲学古典を読む際には必要なのだなと知ることができた。
★5つつけてもいいが、今後のコレ系の本のベンチマークとしたいので、一旦★4つにしておく。