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そんな都合の良い話あるわけない
女だってバカじゃない
「私の中には中間的なものが存在しないし、中間もまた存在しないの。
だからあなたには私を全部取るか、それとも私を取らないか、
そのどちらかしかないの。」
― 国境の南にはたぶん存在するかもしれない。
でも太陽の西にはたぶん存在しないのだ。―
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いわゆる春樹な日常と非日常の小説.
ある種お馴染みの世界観.
でも他の人気作品ほどの吸引力は無かった.
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村上春樹の中ではちょっとマイナーですが、
私は一番好きです。
単純に不倫の話としてでなく、なんか矛盾して若干身勝手主人公の考え方とか共感できる部分もあるのでは。
島本さんの身の上がとっても気になります。
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漂う虚無感、喪失感…
現実味のある不倫の話。幸せだけど切なくて孤独。
後半一気に面白くなった。読み返そう。
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実際に生きたわけではないので定かではないが、その時代の「薫り」をとてもきれいに描き出せている小説だと思う。
村上春樹の作品の中で好きな作品の上位に上げられる。
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釈然としない。それなりに起伏のある人生を送っていても、どこか矮小な自分に絶望している。ところに酔っているような。
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どんだけ村上春樹好きなんだ。笑
主人公の思想が限りなくあたしの持ってるものに近い。
主人公だけじゃなくて、この物語に出てくる人物はみんな似たもの同士。
というか、大抵の日本人ってこうなのだろうか。
あるいはあたしが村上春樹の小説を読み過ぎて、単にそれに近づきすぎているだけか。
幸福なはずなのに、同じところに留まり続けることへの疑問。
あるものを求め続ければ、もう二度と元には戻れなくなるという現実。
葛藤、喪失、空白、再生。
何が正しくて何が正しくないかなんて、やっぱり全然分かんない。
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高校生の頃に読み、釈然としない気持ちになった本。あれから約10年、縁あって再読し評価が上昇。
「取り返しのつかないこと」に対する後悔をたくさん知った今だから、心に強く響いたのだと思う。ラストシーンで胸が痛んだ。
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村上春樹の作品で一番好きな小説。色彩の美しさ、男の現実と希望の挟間で揺れ動く心情・・・。再読するたびに発見がある一冊です。
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読み終わった後不思議な感覚に襲われる本。さすが村上春樹なのでしょうか。不思議な描写の力かな。結局何を伝えたいのかはわからなかったんだけど深い気はする。中島さんはチョット気持ち悪いって思ったときもあった。結局彼女はどんな人なんだろう。主人公の苦悩は共感できた。自分は何を求めてるんだろう?
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良くも悪くもいつもどおりの村上春樹の恋愛小説。なんだか言い方が悪くて申し訳ないのだけれど、妄想恋愛のマスターベーションとしか理解できない私。
(071017)
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出てくる石川県の川はどこなんだろう?
村上春樹はいつも孤独を書いているように思うけど、どっぷり孤独。
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初・村上春樹。すごい悶々としてますね。空をつかむような歩き方をしている。こんなに人生は重苦しいものか?
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この本を読んだのは、10代に読んだ時以来、2度目のことになる。
その当時に感じたことと、今感じることが大きく違うことに驚いた。
昔はまったくわからなかったことのうち、今では共感とともに、とてもよくわかることがあった。
それもそのはずで、この話しは、「失われてしまった時間」についての話しだから、貴重な時間の真っ最中にいるうちには、失われた時間のことについてなど理解が出来るはずがないのだ。
でも、その逆に、昔は気づいていたのに、今はまったく気づくことが出来ない事柄も、中にはあるんだろうと思う。読むときによって、本が変わっているのではなく、自分自身が変わっている。きっと、しかるべきタイミングで、しかるべき本に出会うように、上手く出来ているんだろう。
この本は、もし、ずっと後になってもう一度読み返したら、きっとその時にしかわからないことに気づかせてくれるテーマを含んでいるんじゃないかと思う。
ずっと後になってからもう一度読むことがあるかどうかわからないけれど、その時に一体、この作品のどの部分にひっかかりを感じるか、それが楽しみだ。
そのときの彼女の手の感触を僕は今でもはっきりと覚えている。それは僕が知っている他のいかなるものの感触とも違っていた。そして僕がそのあとに知ったいかなるものの感触とも違っていた。それは十二歳の少女のただの小さくて温かい手だった。でもその五本の指と手のひらの中には、そのときの僕が知りたかったものごとや、知らなくてはならなかったものごとがまるでサンプル・ケースみたいに全部ぎっしりと詰め込まれていた。彼女は手を取りあうことによって僕にそれを知らせてくれたのだ。そのような場所がこの現実の世界にちゃんと存在することを。(p.20)
もちろん僕はイズミを損なったのと同時に、自分自身をも損なうことになった。僕は自分自身を深く、僕自身がそのときに感じていたよりもずっと深く、傷つけたのだ。そこから僕はいろんな教訓を学んだはずだった。でも何年かが経過してからあらためて振り返ってみると、その体験から僕が体得したのは、たったひとつの基本的な事実でしかなかった。それは、僕という人間が究極的には悪をなし得る人間であるという事実だった。僕は誰かに対して悪をなそうと考えたようなことは一度もなかった。でも動機や思いがどうであれ、僕は必要に応じて身勝手になり、残酷になることができた。僕は本当に大事にしなくてはいけないはずの相手さえも、もっともらしい理由をつけて、とりかえしがつかないくらい決定的に傷つけてしまうことのできる人間だった。(p.55)
僕はBMWのハンドルを握ってシューベルトの「冬の旅」を聞きながら青山通りで信号を待っているときに、ふと思ったものだった。これはなんだか僕の人生じゃないみたいだな、と。まるで誰かが用意してくれた場所で、誰かに用意してもらった生き方をしているみたいだ。いったいこの僕という人間のどこまでが本当の自分で、どこから先が自分じゃないんだろう。ハンドルを握っている僕の手の、いったいどこまでが本当の僕の手なんだろう。このまわりの風景のいったいどこまでが本当の現実の風景なんだろう。それについて考えれ��考えるほど、僕にはわけがわからなくなった。(p.80)
なあ小学校の頃にウォルト・ディズニーの「砂漠は生きている」っていう映画見たことあるだろう?あれと同じだよ。この世界はあれと同じなんだよ。雨が降れば花が咲くし、雨が降らなければそれが枯れるんだ。虫はトカゲに食べられるし、トカゲは鳥に食べられる。でもいずれはみんな死んでいく。死んでからからになっちゃうんだ。ひとつの世代が死ぬと、次の世代がそれにとってかわる。それが決まりなんだよ。みんないろんな生き方をする。いろんな死に方をする。でもそれはたいしたことじゃないんだ。あとには砂漠だけが残るんだ。本当に生きているのは砂漠だけなんだ。(p.89)
僕は読んでいた本から顔をあげて、よくわけのわからないまま彼女を見た。でもそのとき何かが僕を打つのが感じられた。胸の中の空気が突然ずっしりと重くなったような気がした。僕は吸引力のことを考えた。これはあの吸引力なのだろうか?(p.94)
まずまずの素晴らしいものを求めて何かにのめり込む人間はいない。九の外れがあっても、一の至高体験を求めて人間は何かに向かっていくんだ。そしてそれが世界を動かしていくんだ。それが芸術というものじゃないかと僕は思う。(p.118)
その写真は僕の胸を痛くさせた。その写真を見ていると、僕は自分がこれまでにどれほど多くの時間を失ってしまったのかを実感することができた。それはもう二度と戻ってくることのない貴重な時間だった。それはそのときのその場所にしか存在しなかった時間だった。僕は長いあいだじっとその写真を見つめていた。(p.159)
あのときに、彼女は本当に僕のことを求めていた。彼女の心は僕のために開かれていた。でも僕はそこで踏みとどまったのだ。この月の表面のようながらんとした、生命のない世界に踏みとどまったのだ。やがて島本さんは去っていき、僕の人生はもう一度失われてしまった。(p.170)
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僕の考え方の軸になってくれる作品。
賛否両論あるらしいけど、僕は主人公の気持ちがすごくわかった。
今の自分の行動や状況の正当性はすぐにわかるもんじゃない。時間をかけてそれに慣れて、それを辛抱強く認めていくことでしか意味づけできないのかもしれないって感じた。