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内容紹介:現代では、人と人との繋がりが希薄になってしまった。人と人との間には、安全という名の距離ばかりが広がった。しかしその平和な時代に、人はどれだけ残酷な涙を流すことが出来るのか。それを1千年前に見据えてしまった女性がいる。その物語をもう一度、“豊か”と言われる時代に再現。最も古い近代恋愛小説の古典。 (「BOOKS」データベースより)
資料番号:011220118
請求記号:F/ ハシモ/ 2
資料区分:文庫・新書
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若紫、末摘花、紅葉賀が収録されています。
若紫が特におもしろかったです。光源氏と惟光のやり取りが好きです。光源氏が可愛くて。
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大変おもしろかったです。これはすごいですね。一種の超訳でしょうか。「末摘花」が特におもしろかったです。読みやすいですね。
橋本源氏の光君は、中性的で性的に主体にも客体にも成り得る存在として描かれています。「美しい」ということはそれだけ貴種として、客体(見られる側)として生きることを運命づけられた存在としてありながら、同時に一人前の男として性的主体(見る側)でありたいともがいている。そんなアイデンティティの模索をしているのが橋本源氏でしょうか。一個の人間としての主体と客体のゆらぎ(ジェンダーのゆらぎ)が現代に通ずるものもあると思います。
個人的には頭中将が全力で好きです(どうでもいい情報)。男君に注目している方はこの訳がオススメです。
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橋本治 窯変 源氏物語 2/14 若紫〜紅葉賀
1巻における著者の源氏物語観
*愛=政治の別名。美=力→貴族社会を揺るがす力
*右大臣と左大臣の勢力争い→女との結婚=父の勢力引継
*左大臣の後見→第二皇子である源氏の出世
*源氏の孤独、女性たちの愛
2巻における源氏物語観
*貴族社会における 源氏の自由(源姓を受ける)
*源氏の孤独と背徳→自分に相応しい女性を作りたい、自分の子供を撫でたい
若紫=紫の上=藤壺の宮の兄の娘
*源氏が後見→源氏が紫の上の父かわり
末摘花
*自身の求める女(空蝉、夕顔、藤壺の宮)と 身分に相応しい女(葵の上)の違い→自分に相応しい女を作りたい
*コミカル〜末摘花の容姿、源氏と惟光の会話、源氏が嫌々 後見となったり、悪趣味の贈り物をもらったり
紅葉賀
*国は治っている→源氏の政務は 帝に愛されること〜何もしない臣下を約束されている
*撫子の花言葉=子→その花は 子を撫でた時を思い出す→源氏は 藤壺の宮との子を 撫でたい
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2巻です。
若紫から紅葉賀までが収録されていました。
窯変源氏では登場人物の出自から政治的背景までかなり詳しく詳細に説明されているので、その身分だからこその考え方や思い願いが理解しやすく、なので単純に源氏がカッコいいから注目されているのではなく、出自や身分、権力構造からみてもモテるとかが分かるんですよね。
王命婦や大輔の命婦の家の没落の過程とか、宮家の危うさとか、血統へのこだわりなんかも含めたその時代の世界観を自然に受け入れながら読めるところが橋本先生の素晴らしいところ。
だから、逆に言えば源氏の立場の危うさなんかもわかってしまう・・・そうやって紅葉賀を読むとさらに楽しめます。。
また、末摘花の章では、大輔の命婦と頭中将の関係をチラつかせてました。
こういう解釈は他ではないでしょうねえ。
こういうのも踏まえて、頭中将と源氏のこの時期の関係は覚えておこうっと。
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参加している読書会の企画で読破を進めている源氏物語。第二巻。光源氏は十代後半、今でいう高校生くらいに成長。マザコン的な一面を見せつつ、うっかり接近した相手の容貌がひどい、趣味も悪いと一人毒づいていて、ああ、モテる男というのはなんて身勝手なんだろう、と思ってしまう。
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末摘花のことを普賢菩薩を乗せる白象のようだなどと言う
座高が高い、額が大きいのに面長に見えるほど顔がでかい、鼻が長くて赤い、その赤いのは何かのまじないかと容赦ない
源氏が二条の院に戻り幼い紫の上とキャイキャイ
自分の鼻に赤い紅をさし「どうしよう、落ちない」とか言っちゃって。それが原文どおりだったのが衝撃的´∀`
でも貧しい末摘花のために、門番の分まで衣装を整えてやる。
源氏はなまじの仏心が人の為にならないと知っていても、つまらない身の入れ方をしてしまう。
求めるべきものは、私の中の奥深い暗闇を埋める、それに見合うだけの暗がりだけだからと。
若紫…誰か、彼女に私を会わせてほしい!
末摘花…朧月夜に錯誤の心は忍び逢う
赤葉賀…射るように煌めく光が落ちてくる