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エルンストのコラージュ本、というだけで大体察しはつくと思います。そうです。今あなたの頭の中に浮かんだ様な。分かったような、分からないような。キャプションのような、詩のような言葉が添えられた、私の妹、百頭女。(真似してみた)
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学生時代にこれの大判の本を図書館で見つけて盗んでしまいたくなるほど欲しかったです。本屋で文庫を見つけた時はこっそり狂喜しました。それまで名前は知ってても興味がなかったエルンストの他の絵も見るようになりました。
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シュルレアリスムの代表的な人物であるマックス・エルンストのコラージュ・ロマン。エルンストは、シュルレアリストのなかで、手法的に一番意欲的だったとされていて、油彩をはじめ、印刷物のコラージュ、本書のような小説と合体させたコラージュ・ロマン、フロッタージュ、油彩に応用したグラッターシュなど斬新的手法を試みたアーティストでもあった。
20世紀最大の奇書とされる本書は1974年に河出書房新社から出版されたが、96年に『慈善週間または七大元素』らと共に文庫化されている。
表紙を開いて3頁目からはじまるブルトンの前口上も読み応えがある。
9章からなるこの書物は、コラージュとそれに添えられるように下に書かれている短い文章から成る。
一番最初のページに出てくる挿画と最後の挿画は同じもので、「おわり そしてつづき」という文章で終る。
百頭女が登場するのは、2章で、百の頭を持つ女ではなく、黒髪の美少女である。
襟にレースのついたぴったりとした服を着て、その服の左側の胸の部分は刳り貫かれて丸い乳房が覗く。
坐っている膝の上には、髪に薔薇の花をつけた頭だけの人形か仮面をのせ、左手の指を見開かれた瞳の上に置いている。
凭れているような大きな木箱は開かれて、無造作に放りこまれたような書物がたくさん見え、彼女の足元や膝元にも本が散乱している。
右奧には檻に閉じ込められた男が格子の隙間から手を差し出して何か叫んでいる。
エルンストの文章はこうである。
「ジェルミナル、私の妹、百頭女 (場面の奧、檻の中には永遠の父」
百頭女と怪鳥ロプロプの不思議な物語。
絵で読ませ、短い文章で読ませるこの本は超現実主義の芸術活動の一作品としてコラージュ文学の金字塔となっている。
エルンストにケルンからパリに出てくるように勧めたのは、詩人のポール・エリュアールの夫人だったガラであった。
パリ入りしたエルンストはエリュアール夫妻と同居し、奇妙な三角関係を享受した。ガラはその後、エルンストと同じく奇妙さでは群を抜くサルバドール・ダリの愛妻におさまり、エルンストもマリー=ベルト・オーランシュやレオノーラ・キャリントンなど華麗なる女性遍歴を重ねていった。
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コラージュ作品です。をやをや…シュールです。若干の気持ち悪さと訳分からなさに耐えられるかどうか、がシュールレアリスムの許容度に関わってくると思います。
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コラージュは大好き。
疲れた夜にぼーっと眺めるのに良いです。
もっと知識があれば、
どんなものがコラージュ素材として使われてるか分かって更におもしろいのだろうけれど・・・。
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巌谷國士の解説に従えば、エルンストの妹に対する近親相姦的な感情をコラージュ小説として昇華させたとなるのでしょうか。なるほど、ジェルミナルが「私の妹」のメタファーであると読むこともできる。それに鳥類のロプロプが男性的役割を果たしていることから、「私の妹」を喜ばせ、守るエルンスト自身であるといえるかも知れない。
む、私には難しい・・・。
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電車のなかで第3の章の111ページ、「それでは私のおじを紹介しよう、いつも日曜日の午後、私たちはおじの髭をくすぐるのが好きだった」のおじの肖像を眺めていたんだけど、間の抜けたおじさまのお顔が可笑しくてたまらず、すぐ次へ飛んでしまったのが惜しかったかな。129ページの「おい君、鞄をあけたまえ」もよいね。ジェルミナル、私の妹、百頭女…このコラージュ傑作は永遠…
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http://ameblo.jp/norun3sisters/entry-10025764466.html
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シュルレアリスム。
コラージュの要素がふんだんに詰め込まれた作品群。
作品は関連性があるようで、実は意味が無いような、しかし、そこから意味が見出せるような、不思議。
コラージュを制作するにあたり、勉強になる。
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天才すぎて理解できないと感じる
そういうタイプの天才
ストーリーがなくて、脈絡だけがうっすらある
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天下の奇書と言われているそうだ。
コラージュ文学とか。
古い本などを切り貼りして作られた絵に短い詩句が添えられて。
なんや!これは!ってのが誰もの最初の感想になるでしょう。
でも、147葉におよぶ絵を見、読んでいるうちに、奇妙に詩ごころをくすぐられて、楽しくなってきます。
何かがわきだしてくる。
ぼくはむしろ絵よりもキャプションの方に惹かれました。
正直、この本を気に入るためにはある種の感受性を持っているか、鍛えている(慣れている)かしていないと無理かもしれないとは思います。
でもシュルレアリスム的手法はぼくらくらいの世代だと(しばしば陳腐ですらある)一般的な手法ではあるので、驚きというものは(ある意味不幸にして)すでにないでしょう。
その点でのとまどいはないでしょう。
ギャグくらいのつもりで読めばいいかもと。
(2004年08月07日読了)
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緻密な絵(コラージュ)と、タイトルなのか詩なのか、絵に添えられた短い文章。その意味や、前後のつながりを考えるのも楽しいけれど、もっと単純にその語感だったり、パッと見の印象で想像を巡らせたりするのも一興。
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絵だけでも強烈な印象があり、それに文章がついていて、物語になっている。似たようなものを他に読んだことがないので、なんかすごい。
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惑乱、私の妹、百頭女。
―――これだけでこの本のレビューはいい気がしてきた(笑)
新国立美術館のシュールリアリズム展に行った際、売店でなんとなく購入。
エルンストのコラージュ作品であるので、難しいこと考えて味読するのではなく、気が向いたときに気が向いたページを開いて、言葉の雰囲気を味わうくらいにとどめておくのが、私に合った読み方かな、と思った。
そういう意味では、何度読んでも飽きることのないよい本。長期旅行か、無人島に漂着するときには一冊持っていたい本。
惜しむらくは、印刷が少し甘い(線が潰れてしまっている)ことか。いや、展示されていた原画を見てしまったせいだとは判っているんですが……。
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過去に読んだ本。
シュールレアリズムに凝っていた時に買った本。
意味不明の極致なんだけど、そこが面白い。