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朝の読書に関わってすぐにこの本の重要さを知り、購入した本である。したがってもう10年以上前になる。その間、少しずつ読んではほったらかしにしていたのだが、『PISA型読解力の弱点を克服する『ブッククラブ』入門』を読んでいて、この本がそもそもの源流らしいので、今回本格的に読んだ。
いやぁ、圧巻だった。子どもの読みたい本を読ませるという「自由読書」が子どものリテラシーを育成し、向上させるという事実を230件もの先行研究をもとにして明らかにした本である。その読む本は本当に何でも良いのだ。漫画本でも、ティーンロマンスでも、とにかく文字に触れることがよい。そうすることで読解力はもちろん、識字力さえも育成される。
でも、これは自分自身の経験でもあるなぁ。私も幼い時から本を読んでいた。兄が取っていた科学雑誌『○年のかがく』を、おそらく保育園児の頃から読みふけっていた。おかげで、読解力はそこそこついたと思う。また漢字も、そりゃ宿題には苦労したけれど、読み書きはあまり苦にならなかった。全て読書の賜物、というわけだ。それは何となく理解していたものの、ここまで実証的に示されるともはや圧巻である。
早速子どもたちに漫画本を解禁いたしました。(^^ゞ
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とにかくすごい量の参考文献!これまでのこどもや若者の読書に関する研究が網羅的にまとめられており、これまでの直接的な指導の持つ限界をのべた上で、自由読書(自分で読みたい本を読む自発的な読書)がリテラシーの向上に貢献することを論じあげています。舞台がアメリカなので日本との状況の違いも感じましたが、「自由読書」がいい影響を与えることは日本でもおなじだろうなあ。さらにこども・若者を「自由読書」にいざなうための方策もさまざまに論じされていました。
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もう10年以上前に手にした版ですが、素晴らしい内容で、折に触れて、何度も読んでいます。子どもにとって幼いころからの自由な読書がほんとうの学力を育てる、最も大切な基礎なのだという事が、膨大な資料で述べられています。この、学力の基礎となる自由読書が日本の教育現場でほとんど取り組まれていないことは驚くべきことです。代わりにあるのは、細切れの知識のつめこみ。無味乾燥な知識のつめこみで子供の内発的な知的好奇心は育ちません。内発的な知的好奇心を伴わない、単なる知識のつめこみは子供にとって(大人だって)苦痛以外の何ものでもありません。脳にはバリアがあって、楽しい事、内発的な喜びを伴わないものは入っていかないのですから。
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ものすごくセンセーショナルです。
「自由読書」の効果を研究論文に照らし合わせて
紹介してくれます。
今までの文学指導、言語指導は
本当に力が付いているのか
もう一回考え直すチャンスをくれる本です。
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こどもに本を読ませることの重要性を科学的に検証した内容
自由読書(Free Voluntary Reading FVR)が重要と一貫して説いている。こどもが楽しく本を読むのは自由読書からであると。
漫画本を読むのも低学年の子の場合は効果がある。そこから興味ある本の自由読書へ向かうきっかけになることも十分にある。
親や学校が選定した本を課題として読ませ、感想を話しあったり感想文を書かせるのもときに有効だが、自由読書を重ねてゆくことを重視すべきと。
テレビは一日2時間以内に収めれば弊害が及ぶことは少ない。それ以上になるとマイナス効果が見られる。全くテレビを見せないことがいいこととはしていない。とにかく見すぎないことをから子供を守ること。