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バッテリー 1 みんなのレビュー
- あさの あつこ (作), 佐藤 真紀子 (絵)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:教育画劇
- 発売日:1996/12/01
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紙の本
漫画ちっくな「やめられない面白さ」
2000/09/25 23:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おぐに - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言えば、すごく漫画ちっく。もちろん、これはほめ言葉だ。
主人公、原田巧はリトルリーグで脚光を浴びた天才ピッチャー。弟の青波は虚弱体質だが心優しく、実は兄の一番の理解者。家庭の事情で父の故郷に転居した巧は、その小さな町で、最高のバッテリー、永倉豪と出会う。
この設定はもう、古き良き「あだち充」系青春野球漫画そのもの。
誰もが読み飽きたような設定なのに、読み始めるとこれが止まらない。無茶苦茶おもしろいのだ。
この「止まらないおもしろさ」というのがまた、漫画ちっくなんだな。
結局、私は続編2、3巻と読むうち、徹夜してしまった。
あえて言うなら、森絵都の「DIVE」に似たテンポの良さ。だから森絵都が好きな人なら、この3冊はお勧めだ。
第1巻はもう、とにかくいい。少年たちの心のひだが丁寧に描かれていて、文句なし。
第2巻になると、少々説教臭くなる。何しろ、テーマは中学校の管理教育。主人公の主張にも古めかしいものを感じるし、型にはまりすぎている。
ところがどっこい、それでも夢中で読めるのは、脇役のキャラクター設定の見事さゆえだ。そもそも主人公の天才投手君にしろ、大人顔負けに老成した相手役の捕手君にしろ、「いるかよ、こんな中学1年生!」とチャチャを入れたくはなるが、その周りを取り巻く脇役の一人ひとりがとても生き生きしている。
それぞれの思春期をもがく友人たちも。その周囲にいる親たちも。
主人公だけが魅力的で、脇役は似たり寄ったりの児童文学が多い中で、これまた森絵都にも言えることだが、「バッテリー」の作者は脇役づくりがものすごーーくうまい。
第3巻まで読み切って、なお「続編が読みたい」と思わせてくれた作品だ。
紙の本
最強バッテリーの作り方。
2002/02/22 11:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る
野球をするために生まれてきた天才児、原田巧。誰よりも速い球と、誰よりも恵まれた才能を持つ巧だが、それゆえに、野球を純粋に楽しむ気持ちと、自分の速球を捕ることの出来るキャッチャーにまだ出会っていなかった。しかし、父親の転勤で引っ越してきた町で、巧は最高のキャッチャーに巡り会うことになる。原田巧と永倉豪。二人のバッテリーとしての野球が、そこから始まる。
ピッチャーとしては天才、しかし人間としては欠陥だらけという巧のキャラに惹かれる。自分の才能を誰よりも理解し、自信を持っている生意気な巧は、学校や先輩、教師や大人たちの理不尽な言い分に一人反発する。普通はそこで妥協するだろ。というようなところでも、絶対に自分の意思を貫き通そうとする巧は、全部が全部正しいわけではないけれど、子供の頃に我慢してきた、私たちの子供なりの言い分を代弁してくれているようで気持ちが良い。
それを補うように人が良く、面倒見が良い豪は、巧とは正反対の性格で面白い。巧のことを分かろうと努力するのに分からない。しかし、自分は巧のキャッチャーであり続けたいという豪のジレンマは、まだまだ続きそう(現在4巻まで読破)。しかし、彼らが最高のバッテリーになることは、間違いないだろう。
第35回野間児童文芸賞受賞作。たいへんオススメな一作。