紙の本
ま、辞書ですな
2008/02/16 09:14
20人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
英文法の泰斗、江川泰一郎先生のあらわした「かんぺき」な英文法の参考書である。問題なのは完璧なところで、細かいところが書かれすぎている。字が小さすぎる。本が厚すぎる。重すぎる。で、受験参考書というよりは辞書の趣が非常に強いものとなっている。もちろん江川先生の作なので、よく見ると例文なんかも厳選されており、非常に良い仕上がりとなっているんだが、なにせ厚すぎる、中味が多すぎる。初学者には、もうすこしポイントを絞った、ハンディな参考書の方が使い勝手が良い。文法なんてものは時間をかけて学ぶものではない。とっとと片付けてしまうに限る。そしてあとはひたすら長文を読み、ボキャブラリを増やし、英語というものに「慣れる」ことが英語力を伸ばすのである。
私は今やおよそ考えられる英語の試験すべてで最上位の資格を取ったが、その立場から振り返ると、
動名詞・関係代名詞は血肉化するくらい身につけるべし
仮定法はそんなに出てこない
仮定法過去完了はもっと出てこない
英語というのは、最初に主語と述語が出てきて、そのあとにずらずらずらずらと説明が続くような構成となっている。これに慣れるべし。
あと、念のために言って置くが、原仙作の「英文標準問題精講」に出てくるようなカビの生えたような「英文学」なんか読むな。読むなら一章ごとのボリュームが少ないマイケル・クライトンの小説あたりから入れ。いきなりTIMEとかNEWSWEEKなんか読むな。アメリカの芸能政治ニュースなんか興味も関心もどうせないのだから、金の無駄だ。読むなら日本のことを書いてあるものを読め。ジャパンタイムズなんかマシなんじゃないか。健闘を祈る。
紙の本
まあ、辞書ですね
2009/10/14 17:11
10人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:武井啓蔵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
受験参考書としては、詳しすぎ、厚すぎて、かえってポイントがつかみにくくなっている。重いので持ち運びも不便。途中で投げ出すのがおち。参考書として使うなら、同じ江川泰一郎による『英文法の活用』(あすとろ出版)のほうが、遥かにコンパクトで分かりやすいが、残念ながら、こちらは廃刊になっている。最近、この手の受験参考書の古典の復刻が盛んだが、まあ、本書は買う前に、書店で実物を手にとって、自分に合うのか合わないのか、じっくり品定めする必要がある。
投稿元:
レビューを見る
本来は教師向けの英文法書だが、高校生でも十分に読める。内容は詳しいが無駄はなく、英文法に関する疑問はこれで解決。ただ、練習問題は少なく、別に問題集を用意して演習する必要がある。
投稿元:
レビューを見る
目からうろこの文法解説書です。膨大な例文は、実際の文献から。著者が勝手に作ったのではなく、出典も必ず書いてあります。
投稿元:
レビューを見る
良い文法書です。
大学受験はもちろんの事、その後に英語を勉強するのにも使える深い内容です。
和訳・翻訳には文法的知識も必要です。
投稿元:
レビューを見る
この本には独特の味があり、とにかく面白く読めるのである。その理由のひとつは、例文選びの的確さだと思う。例文を並べられただけで「なるほど」と得心のいく参考書は少ない。しかも、「おや」と気にかかるところには、必ず「解説」がつく。(晴山陽一『英語ベストセラー本の研究』幻冬舎新書043頁)
投稿元:
レビューを見る
分厚くて色刷りも図表もなく、基本的な説明は切り詰めて、その分例文をこれでもかと詰め込んだハードコアな本ですが、とにかく通読しました。
通読できた原動力は、これまた細かい文字でびっしりと書かれた「解説」欄にあります。目から鱗の切れ味鋭い説明、とぼけたユーモアや江川先生の迷いまでなんでもありです。
項目相互間のリファレンスも充実しているので、2周目は、行きつ戻りつ立体的に読んでみようと思います。
…練習問題は、どうしようかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
出てすぐに買った気がする。家庭教師か塾の講師か忘れたけれど、よい解説書がほしくて本屋で探していたときにたまたま出会った。今回、タイ人大学生の質問を受けるために久しぶりにひもといた。
いろんな英語教本が出回っているけれど、文法に関してはこれを超える本に出会ったことがない。部厚で、読むのもしんどいし、文法詰め込みは時代遅れという認識も強いが、こうした「千本ノック」を浴びせてくるような本は絶対に必要。
投稿元:
レビューを見る
大学の教授に勧められ購入。
しかし残念ながら
どうしてもこのような分厚い本は
なかなか手をつける気になれない(;_;)
投稿元:
レビューを見る
例文が非常に豊富であるが、例文の質も非常に高い。
ロイヤル英文法と共に私の英文法力の根幹を支えた一冊。
特に名詞構文の項目はこの参考書の右に出る物はないと断言できる。
投稿元:
レビューを見る
名著だという評価があったので通読した。1991年第三版、著者は2006年逝去だから、もう改訂はされない。参考文献は1988年のAlexanderの文法書が最新のようである。Jespersenの古典的研究もよく引いており、Bolinger(「同じ形態の言葉は同じ意味」というボリンジャーの法則の言語学者)なども引かれている。最近の認知言語学の成果は反映されていないが、それで価値はおちない。特長としては、名詞構文の重視(Jespersenのネクサス実詞、江川氏は名詞から筆を起こしている)、動詞を状態動詞と動作動詞に分類し相異を指摘(知覚動詞・私的動詞・遂行動詞なども)、助動詞could,might,wouldのちがい、5文型からもれるS+V+O+不定詞の解説、動詞と不定詞・動名詞の結合(toがつく不定詞は基本的に未来志向、ingの動名詞は経験済み)、疑問文や命令文を依頼・勧誘・提案・助言にわけ機能文法の立場から解説、などいくつかある。仮定法はもう少し分かりやすい教科書がある。古英語の意味を駆使して、語彙の中心的意味を理解させる所もよく、aはone、theはthat、willが意志、shallが義務、everがat any timeなどはとても面白い。こういう古義から〜will you?が、「知っていて当然」の意味をふくむので、依頼につかうと失礼にあたる場合があるなど実際の現象が理解できる。接続詞や前置詞の機能拡張の説明も分かりやすい。asが比較から様態・限定へ派生、forが向かって、求めて、「として」に派生、withがプラスの関係から道具・理由・関係・調和・比較・対立の意が発生などである。名著である。
投稿元:
レビューを見る
友人に借りたのですがわかりやすい!仏語版でもこういう文法書がればなあと思いました。少し重たいので、持ち運びは大変かなあと思いますが、説明がわかりやすく、読んでいて楽しいです。
投稿元:
レビューを見る
大学入試の際に使用していた参考書。英語の先生に猛プッシュをされた本でした。文法はもちろん、辞書の代わりみたいにも使える万能選手です。例文も豊富で、これ1冊で大概のことは解決できます。日本人が書いているので、日本人が陥りやすい部分を的確に解説しているんですかね。新しい版は出てないようですね。ちょっと残念。
投稿元:
レビューを見る
一か月ほどかけて読了。説明に使われている英語の例文が各々優れた文章で訳も適切。時代を超えた名著だと改めて実感しました。練習問題の量も丁度良い感じで、毎日、楽しく読めました。一方、和訳問題で英語力以上に自分の日本語力が落ちていることを知り、愕然としました。
投稿元:
レビューを見る
やっと読み終えた。
永遠に読み終わらないかと思った…。(白目)
9月の末に買ったのだが、年末の休みに突入した時点でまだ10分の1くらいしか読み終わってなかったので、自分を追い込むために、冬休み中は他の本は禁止にした。しかしそうなると映画とかドラマとか見ちゃうのよね~。冬休み全部使っても読み終わらなかった。
あーしんどかった。
だがしかし、くまなくじっくり読んだおかげで、すごいパワーアップした感でいっぱいです。RPGで言うと、経験値ボーナスが付きまくって、2LVくらいイッキにアップした感じ。
この本のレビューを見ると、もう絶賛の嵐なんだけど、本当に心から同意します。
素晴らしい本だった。
越前敏弥さんの「日本人なら必ず誤訳する英文」シリーズを読んで、文法の大切さを痛感して読むことにしたので、まず越前さんに感謝感謝感謝です。
数ある文法書の中からこの本を選んだのは、「ヘミングウェイで学ぶ英文法」の巻末のお勧めリストにあったからなんだけど、確かヘミングウェイで学ぶ~の著者も巻末で「なんちゃって文法書」じゃない「ちゃんとした文法書」を読んだ方がよい、と書いてあったような気がする。その意見にも同意。
分厚い文法書なんてマニアックな人が読むもの、と思っていたけれど、普通に洋書を楽しみたいと思ったら、この本に書いてあることは知ってないとけっこうキツいな、と思った。逆に言うと、この本に書いてあることを知っていると、読むのが格段に楽になると思う。
欲を言えば、「依頼」の項目が、もう少し実用的だったら嬉しかったかな。丁寧度の違いがやや分かりづらかった。
読んでいる時、日々の仕事のメールの中にも発見があっておもしろかった。
たとえば、「due to~ は副詞的に使うのは誤りとする文法家もいる」と書いてあって、驚いた。
今日もまさに、rescheduled due to conflicts…なんてリスケメール書いたとこだよ~!と思った。思いっきり副詞として使っていた。
嘘でしょ?みんな使ってるよね?と思って調べてみたが、確かに日本人の同僚は使っているが、アメリカ人からのメールには形容詞的用法しか見つからなかった。
まあ、この本は完全には間違いとも断定はしてませんでしたが。
あと、同じく米西海岸からのメールで、「××さんが~するのかな?」みたいな質問に、未来進行形が使われていて、ん?なぜ未来形じゃなく未来進行形なんだろう?と素朴に疑問に思ったが、それもこの本にはちゃんと言及されていた。
私は意志未来なのかなとボンヤリ思っていたが、意志とは関係なく、事の成り行きで自然に何かすることになる場合に使われる、とのこと。
未来進行形には単純未来だけで、意志未来はない、とまで書いてあって、へー!と思った。
仕事では誤解なく通じれば良いという考え方もあるので、そこまで気にするのは趣味の世界に近いかもしれないけど、でもこういうことにたまに目を留めるのも日常の彩りの一つ。
いずれにせよ、下手に近道しようとして簡略化された文法書(「一億人の英文法」みたいなやつ)を読むよりは、この本みたいに直球なものを読んだ方がよほど��道だと思った。
ただ、ある程度苦労した経験とか実例が頭にないと、こういう本を読んでもピンとこなくて苦行なだけなのも事実。
学問には王道なしよね~とつくづく思う。