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紙の本

謎の作家の本格ミステリ

2004/01/14 23:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

6年の間にわずか8作の本格謎解きミステリを発表、その後忽然と姿を消し、詳しいプロフィールはわかっていないという謎の作家ルーパート・ペニー。と、ここまで聞いただけで、ミステリアスで何かワクワクしてきませんか? さらには、残された8作がどれも標準以上のできばえのパズラー、幕間として読者への挑戦が挿入されていると聞いたら…、これはもう放っておけませんよね。そんなまさに幻の作家と呼ぶにふさわしいペニーの第7作、学園を舞台にしたミステリです。
学園でおきたチョコレートと毒薬の盗難事件、内密に調査を命じられたビール主任警部の目前でおきるいたずらと、それに続く殺人事件。前半は舞台となる学園やそこの内部の人間関係をじっくり書きこんであり、事件がおきるまでの不安な雰囲気を高めています。が、殺されることになる人物のことが、あまりよく描けていません。その人物の性格や行動が後から大きな意味を持ってくることになるので、もう少し筆を割いてほしかった。後半はビール主任警部とワトソン役のトニーとのディスカッションにつぐディスカッション、起伏に乏しくも感じますが読み応えは充分です。
と、けっこう大きなヒントを書いてしまったような気がしますが、これを読んでから本書を読んでも、もしかしたら犯人を名指すことはできるかもしれませんがトリックは見ぬくことはできないでしょう。よく練られたミステリです。
たった8作しかないのですから、ぜひとも全作翻訳してもらいたい作家ですね。

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2015/02/05 10:19

投稿元:ブクログ

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