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虐待を受けている子どもは、年々増えているらしい。どうして、そんな事になるのか。家庭の中は、絶対的に安心できる場所ではないのか?虐待をされて育った子は、親になった時、自分の子どもにも、虐待を繰り返してしまうそうだ。虐待された記憶がフラッシュバックされる度に、苦しみ続けなければいけない人生は辛すぎる。
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虐待、トラウマ。子供の心の成長に関わる事柄などをとても分かりやすく書いています。一読される事をお勧め
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Child Abuseを知るために、まずは基本の1冊です。
Child Abuseを経験したかた、治療者になりたいかた、理解したいというかた、どなたにも役立つ本だと思います。
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児童福祉領域の勉強をされる方にお勧めの一冊です。
もう随分昔のことですが,著者である西澤先生の講演を聴く機会があり,もっと深く学びたいと思い,購入して読みました。
子どもが受けたトラウマが,いかにその後の人生に大きな影響を及ぼすかということを痛感するとともに,きちんとしたケアがあれば,回復できるのだということを学びました。
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研修で推薦された本。 児童虐待に関する内容だか、読みやすくストンと理解できた。 トラウマを瞬間冷凍されたものという表現など素人にも理解しやすく書かれてあった。
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第四章で子どもを傷つけてしまう親について述べている。
子どもは親に依存しながら生きていく。親自身が依存的である場合、子どもの依存を受け入れて、その欲求を満たしてあげることは、非常に困難でストレスに満ちた行為になる。
また、攻撃性や衝動性が高いということは、感情をコントロールできないことと関連している。
子どもへの虐待の背景には、親自身の非常に激しい愛情飢餓が見られることが多い。
親からこどもへの暴力の背景には、親が抱く子どもに対する非現実的な期待感がある。完璧性への欲求の背景には、自己肯定感や自己評価の低さが存在していることもある。親として完璧な存在になることが、それまでの人生で得られなかった自己肯定感を回復する最後の砦であるように感じているのではないだろうか。しかし、完璧な親などにはけっしてなれるものではない。そこであらたな失敗感や挫折感が生まれ、自己評価をさらに下げることになる。
虐待傾向を示す親たちは、子どもを子どもとしてみることができず、自分の対等な存在として、自分を困らせたり責めたりする悪意を持った存在として認知し、さらに自分自身を子どもから被害を受けた「犠牲者」とみている。
子どもが自分のいうことをきかないことが、「自分が完璧な親ではない」ことを意味し、「母親として失格だ」という無能感が生じることになる。人は、無能感を持ったとき、無能感を与えた対象を何とか何とか思い通りに動かすことによって「自分は有能な存在だ」という能力感を回復しようとする。
人は誰でも、自分の周囲に影響を与える存在でありたいと願っているが、それが過剰になった場合、自分が関わる人をコントロールできるということが、能力感(自分がさまざまな出来事に対処していけると思える気持ち)や自己評価の維持につながってしまう。つまり、能力感を持ち自己評価を維持するためにコントロールしようとしてしてしまうわけである。子どもがいうことをきかない、それが親の自己評価を脅かすことになる。脅威を感じた親は自己評価を回復しようとして、さらに子どもの行動をコントロールしようとする。しかし、親の態度におびえを感じた子どもはさらにうごけなくなる、といった具合に悪循環を生じてしまう。その悪循環の行きつくところに暴力がある。
親以前にその大人が、適度な自尊心を備え、健康的な自己評価を持っているならば、子どもがいうことをきかないという事実が自己を脅かすことはない。また、子どもをコントロールすることによって、自尊心を維持する必要もないのである。
最終章である第五章で、トラウマを癒す3つのRについて述べている。
トラウマとは、瞬間冷凍された体験である。冷凍されているがゆえに、心はその体験を過去のものにすることができず、いつまでも「新鮮」なままでその体験を抱えることになる。いわば「現在に生きつづける過去」として、その人のさまざまな心理的な機能に影響を与えつづけるのである。よってトラウマを癒すということは、その凍り付いた体験を回答し、従来の認知的枠組みの中に消化吸収していくことだと考えられる。
Reexperience(再体験) ・・・トラウマとなった経験を心の中でよみがえらせる。
Release(解放) ・・・よみがえってきたさまざまな感覚や感情を、外に向かって解き放つ。
Reintegration(再統合) ・・・トラウマとなった体験を意識の中に取り戻し、それを自己の中に再度組み込んで構造化しなおす。トラウマになった体験を自分の過去の物語とすること。「現愛に生きつづける過去」が「過ぎ去った過去」となる過程。過ぎ去ったものとして過去の物語の一章にすることによって、トラウマはトラウマでなくなる。いかなる方法を持ってしても、トラウマとなった過去の出来事を変更することはできない。しかし、その体験が自分の人生にとって持つ意味づけを変更することは可能である。
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児童虐待という問題を、子どものこころに生じるトラウマという観点から論じ、そしてそれが子どもの心身と行動に与える影響について解説した本です。「虐待」も「トラウマ」も「PTSD」も、いまではまったく珍しい言葉ではなくなってしまいましたが、それでも、この問題が実に根の深い、早急にことに当たらなければならないものだということを、本書はしっかりと伝えています。
本書の初版が出版されたのは1997年と書かれてありますから、本書は実に13年前のものだということになるのですが、その内容は今でも十二分に、被虐待児を理解するための本質を提示してくれているように感じられます。いま、児童相談所に寄せられる虐待相談件数は、本書の出版当時と比較すると実に10倍になりますが、子どもを取り巻く環境やシステムは、その増加にまったく追いついていません。そのようなことを考えるとき、本書の記述の重要性は、当時よりもさらに高まっていると言えるかもしれません。
子どものトラウマのメカニズム、その結果として現れるさまざまな症状や行動パターン、そしてトラウマから回復するためのプロセスまでをわかりやすい字句で説いてゆく本書は、子どもとかかわる職にある人、そしてまさにそうした職に就こうとしている人にとって必携の書だと、私は自信をもって言うことができます。医療、保健、教育、福祉などに携わる人は、ぜひ一度読んでもらいたいと思います。もちろん一般の人にもぜひ手にとってもらい、こういう問題が今まさにこの日本で起こっているということを、知っていただきたいと思います。
(2009年入手・再読)
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わかりやすい。トラウマは瞬間冷凍。
周辺部に位置する一時的なものと、イチゴ大福のイチゴのようになってしまうものがある。
非虐待的な関係を学ぶことが重要
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[ 内容 ]
身体の傷は治っても心の傷は消えない。
人格を、ときには人生さえ支配してしまうトラウマとは何か。
第一線での臨床活動をふまえて「子どもの虐待」の問題をとらえなおし、傷ついた子と親の心の回復を説く。
[ 目次 ]
第1章 子どもの虐待を考える
第2章 トラウマとしての虐待
第3章 虐待のトラウマと子ども
第4章 子どもを傷つけてしまう親たち―虐待を生じるトラウマ
第5章 トラウマが癒えるということ
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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子どもの虐待がこれまでどのように捉えられ、扱われてきたか、虐待にはどのようなものがあるのか、虐待という現象の背後にあるトラウマについて、トラウマを癒すにはどうすればよいか、といった話が書かれている。虐待された側、した側のコメントや言い分を交えながら解説されている。
まず「虐待」という訳語がふさわしくない、という話に納得した。もっと言えば「良い子育て」から「悪い子育て」までの連続体の中の「悪い」方に「虐待」が位置づけられるのではないかと思った。つまり「虐待」までには至らなくても虐待の一歩手前の「悪い」子育てというものもありそうだし、そうなると育児に関心のある人は読むべき本だと思う。また、ショックな体験は再現を繰り返すことで自分の一部としようとするという心の動きが説明されていて、どの人も経験する一般的な事柄として理解できた。また、「解離」や、「ポストトラウマティック・プレイ」、トラウマの「再現性」などの現象も、経験がなければこのような現象は理解しにくいことなので、参考になった。トラウマの「瞬間冷凍」という表現や「真珠貝」のたとえも分かりやすかった。全体的に読みやすく、教育や育児、保育に関する本としても良書だと思う。(10/12/31)
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「児童虐待」を、「親による親権の『乱用』」と再定義している点が本書の最大の特徴であり、新鮮。
この解釈は、なぜ親が自分の子供を肉体的・精神的に傷つけてしまうのかという親側の心理を理解するための重要な補助線となる。
この問題が決して一部の特殊な家庭や親のパーソナルな問題ではないということを知らしめてくれる良書。
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充実したテキスト。何回も読み直してます。
・PTSD
単純性PTSD
複雑性PTSD/DESNOS
・ヴァンデアコーク
自分にとってトラウマとなった体験を人に与える
自分自身でトラウマを繰り返す
トラウマとなった人間関係を繰り返す
・トラウマ刺激
テアによる分類 タイプⅠ、Ⅱ
マクファーレンによる分類 累積性指摘
・精神分析
カタルシス、除反応
・EDMRとインナーチャイルド
イメージ療法
・子どもへの心理療法
ギルによる分類 修正的接近と回復的接近
治療的養育(米)
・セルフヘルプグループ
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児童虐待にまつわる行動や関係性を、「トラウマ」の切り口から解説します。このトピックスが大きく取り上げられる直前の1997年初版ですが、表現がシンプルで明快なので、今でもまったく古さを感じませんでした。
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C-PTSDの人には読んで欲しい一冊。しかしあまりにリアルで読みながら苦しくなるだろう。自分のペースで辛くなったら本を閉じて…しかしこんなに参考になった本はないという内容で満足だった。
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児童虐待について、知らなかったことがたくさん学べた。児童福祉について知識がない人にとってもわかりやすく書かれていると思う。