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岡倉天心とインドの女流詩人の超遠恋ラブメール集。
「茶の本」でしか知らなかった天心像が変わりました。
あの時代二人が知り合った事がすでに奇蹟だった。船便で1ヶ月かかる手紙のやり取りで心を通わす中年男女の至上のプラトニックラブ。
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一万年と二千年前から(略) 何十年もの月日を超えて出会えた2人の書簡。エピソードからして、とてもドラマチックです。
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印度人寡婦プリヤンバダと、
覚三(岡倉天心)が交わした書簡。
高速通信手段の乏しい時代に、
異境の文は海を越え、三週間後に届く。
みずみずしく、きらめくことばに、
心をよせ、思いは募り、激する。
離れていることの苦しさ、
手紙が届かないことの辛さ、
何もできないことへの苛立ち。
心は揺れ、崩れそうになったり、
強くあろうと願ったり、
どの表現も、胸に迫る。
わたしも「精神感応」を信じる。
読んだのは、一九八二年発行、
装画が淡く、繊細で、美しい一冊。
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「私はあなたが黙っていらっしゃるときでさえ書きます。あなたに手紙を差し上げて私の欲するものをあなたからいただきたいのです。」そう、恋とはそれほどに自己中心的で一方的なものだ。「過去は去らせ、未来には勝手にさせておきましょう。」そう、恋とはそれほどに刹那的で瞬間的なものだ。「今日は美しい一日でした。やわらかい光が空にさし、欲しいだけの陽光があり、けれども決してぎらつく光ではなく地平線全体をやさしいもやがうっすらとぼかしていました。」そう、そして恋とはこれほどに満たされ、穏やかな時を授けてくれる魔術なのだ。
大岡信/玲訳になる、最強とも言える詩のことばがまさに歓びの文字となって綴られている。読むことがこれだけ大きな経験となる本は珍しいと思う。