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フランス革命の歴史がわかりやすい。
貴族⇒ブルジョア(弁護士、医者、経営者)⇒農民
の身分とパワーがどう動いていったかがわかる。
社会構造の仕組みや、変化する大きな流れが、
今の社会を見るのにも役立つ気がする。
今のフランスでデモが多いのは、
革命の気質を引き継いでいるからなんだろうか。
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やっとこフランス革命がどんなものかわかった。
ブルジョワと「パンと土地」を求める農民との関係は今を考える上でも大いに参考になる。
作者の語り口もとてもなめらかで、フランス革命に限らず、あらためて歴史を学ぶ大切さや人間というものについて向き合うことができた。
ほんとうに高校生やジュニア世代に限らず、多くの人に読んでほしい一冊。
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フランス革命の原因が書かれている本です。読んでみるとこのようにしてフランス革命に発展したのかがわかります
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学生時代に勉強したフランス革命について、ほとんど忘れてしまっていたが、
仕事で再度勉強する必要があったため、読んでみた。
フランス革命が起こった原因・内容・流れなどが分かり、また、劇薬だった(恐怖政治という副作用があった)ことなど、ただの歴史の参考書ではなかった為、読みやすかった。
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2009/12/09 読了
フランス史を専門とされている学者の先生のフランス革命についての解説本。
ジュニア新書ということで、文体は非常に分かりやすく書いてあるが、説明は非常に明快。さらに、歴史を通じて何を学ぶべきかという筆者のメッセージが熱く盛り込まれており、非常にいい本だと思う。
筆者はフランス革命を毒薬であるという考えを提示し、毒薬がどのような効果をあげたのか、毒薬はどのような副作用をもたらしたのかという点について解説している。フランス市民をブルジョア、大衆、貴族の3つのグループに分け、そのグループ間抗争を通じて、フランス革命がジグザグに進展していき、また看過できない痛みも生み出していったという説明は非常に明快でわかりやすかった。これまでフランス革命の推移についてよく知らなかったが、この本の説明で大枠をつかむことができるようになった。
筆者は、フランス革命を人類の偉大さと悲惨さが生み出した産物だといっているが、そこで掲げられた目標が偉大だったからこそ歴史を変えた出来事と記憶されるのだと思う。フランス人は、個人主義だという印象を持っているが、その人達がこうした事件を起こして成果を挙げたというのは、非常に興味深い実例だと思う。権利の主張というと、ネガティブな色彩も加わりかねないけれど、この時代の人権、権利、平等というのはよりよい世界を目指す崇高な主張だったのだろう。日本人は、理想を語ることが得意でない民族だと思うが、自分はそれを語れるような人間になりたいと思う。
また、フランス革命を通じて、歴史を学ぶことの意味はどういうことかという著者のメッセージは、非常に感銘を受けた。
歴史を学ぶ意味は、
① 過去から現在までの変化の筋道を知って、現在を理解するうえでの参考にする
② 現在のわれわれとは全く違った過去の人々の生き方をしって、今の我々の生き方を反省する
③ 歴史の中に生きた人間たちの偉大さと悲惨さとを知って、それに共感し、感動する。
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フランス革命が歴史の中での「劇薬」だったと言われれば、概ね賛同する人が多いと思う。つまり「フランス革命」=「劇薬」は一般的な比喩なのだと思う。
そのような中、本書では「劇薬」の比喩が連発され、むしろうるさく感じてしまうところもあった。
フランス革命について、確かに勉強になるところも多いのだけれど、ときおり分析的記述を逸脱して作者の思いが突っ走るのが「ジュニア新書」としてどうなのかとも気になった。
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[ 内容 ]
「自由・平等・友愛」を合言葉に、近代史に最大の劇的転換をもたらしたフランス革命―。
この事件は人間精神の偉大な達成である一方で、数知れぬ尊い命を断頭台へと葬った暗い影をもつ。
なぜ革命はかくも多大な犠牲を必要としたのか。
時代を生きた人々の苦悩と悲惨の歩みをたどりつつ、その歴史的な意味を考える。
[ 目次 ]
第1章 革命の偉大と悲惨
第2章 フランスではなぜ劇薬が用いられたのか
第3章 劇薬はどんな効果をあげたのか
第4章 劇薬の痛みについて考える
第5章 人間の偉大と悲惨
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ジュニア新書という言葉に惑わされてはいけない。この本は単なるフランス革命の入門書ではない。フランス革命の本質を読み解いた平易にして真に優れた著作である。著者の遅塚先生は私の尊敬してやまないフランス史家である。2010/11/13に逝去。残念で悔しい。謹んでご冥福をお祈りします。
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フランス革命についてサクッと理解できます。
高校生向けに優しい文体で書かれていますが、内容はすばらしいです。
フランス革命の功罪を冷静に、分かりやすく書いているので、初めに読む本として最適でしょう。
フランス革命は政治を考える上で欠くことのできない事件です。
私もそうでしたが、高校で世界史を真面目に勉強していなかった大学生は
背伸びをしていきなり難しい本を読むのではなく、
本書でサクッと且つしっかりと基礎を身につけるのがいいと思います。
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フランス革命は歴史における劇薬だった。自由平等を求める人間としての崇高な部分と、エゴが丸出しになる悲惨な部分がともにあらわれ、大きく社会を揺さぶりつつ、最終的には貴族と大衆の中間に位置したブルジョアが本来意図したレベルに落ち着いたという本書の歴史観は、ヘーゲルの弁証法的世界観を思い出させます。
歴史を動かすのは、人々が目の前で対処する個別事象の積み重ねに加えて、底流に流れる中長期的な大局的流れである論点も面白い。
今回の大震災についても後世から振り返れば、インターネットによる情報の市民への権力移行という流れと同様な動きを、エネルギーの分野においても加速させるものとして、歴史的な大きな転換点かもしれません。
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この本は、フランス革命が劇薬である、という説に基づいて、なぜ劇薬が用いられたのか、劇薬はどんな効果をあげたのか、劇薬の痛み(副作用)とは、という流れで、フランス革命について考察がされている。そこから、歴史を学ぶということについても若い人向けに呼びかけがなされている。
ジュニア新書だけあって、とても分かりやすい。途中88~93ページであげられている革命の構造や諸運動の進路の図がとてもわかりやすい。中学高校の授業で習ったときに、ぐちゃぐちゃになっていたことがすっきりした。
フランス革命は多くの文学作品でもとりあげられている。以前、スカーレット・ピンパーネルというミュージカルを観て、革命の理想が狂った姿を痛々しく思った。自由・平等・博愛を目指した革命なのに、と思った。その答えの一端を得た気がする。
フランスは、当時産業革命に成功したイギリスと異なって、後進国の地位にあり、旧体制が強固で、貧しい大衆が大量にいた。フランスの革命は大衆が主役となり、主に平等を目指した。フランスでは、貴族でも大衆でもないブルジョワが、国を変えなくてはならないという危機感を抱いた。そして、ブルジョワと大衆は「革命」という同じものを選んだようで、望んだものは異なり、完全に相入れることは出来なかった。それが、フランス革命という劇薬になったのだ。
なぜ歴史を学ぶのか。過去から現在までの変化を知り、現在を考えるため。過去と現在を比較し、自分を省みるため。そして、歴史を導いた人の情熱に感動し共感するため。歴史を学ぶのは、今を生きるためといえる。
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[Good!]
・平易に書かれていて、とてもわかりやすい。
・フランス革命の概要を知るにはうってつけの本。
・当時の統計資料などが図表化され記載されていて興味深い。
[NG…]
・淡々としていて胸踊る本ではないのが残念。
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歴史を学ぶ意味を、歴史の傾向(必然とよくいわれている言葉を変えて)、個人の意思と偶然との関わりなど劇薬という言葉の通りの革命のエネルギーの正体なども踏まえて、これから生きていく人々に熱くエールを送っている。
大きな歴史の中の人も、そうでない人も名のある人も名も無い人も、自分の信じるところに従って生きる人たちの生き様を見ること、後に続け!と後押ししてくれるのでした。
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先日、シュテファン・ツヴァイクの「マリーアントワネット」(角川文庫)にはまってしまって上下巻を一気に読み、その勢いでこの「フランス革命」を読んだ。ジュニア新書だけどとても面白いのだ。
大衆が、自分たちこそ正義の担い手であり真理であると信じたとき、敵に対して人がどれほど残酷になれるか、(中略)それが正義だと信じた瞬間から、敵と見なされる者に対して、どんなにでも残酷になれます。大衆の正義感と大衆の暴力は、まさに裏表の関係にあるのです。人間のそのものの偉大と悲惨につながる。(140ページ)という一文に私はたいへん感銘を受けた。
さらに勢い余って「フランス史10講」柴田三千雄著(岩波新書)も読んでしまった。
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フランス革命は、「自由・平等・友愛」の理想の裏で、なぜかくも多大な犠牲を払わなければならなかったのか。それは、フランス革命が民衆・ブルジョア・貴族のそれぞれが担った三つの革命の複合体であるという、その複雑な構造による。
その中でも革命の中心を担ったのはブルジョアであるが、そのブルジョア達は革命の中で、妥協的改革を望む自由主義貴族と手を組むか、それとも徹底的革命を主張する大衆と手を組むかという大きな決断を迫られる。
自由主義貴族と組めば、大きな力を持った大衆を取り込むことができず、かと言って大衆と組むと、ブルジョアの望む資本主義路線が危うくなる。
このジレンマの中でフランス革命という”劇薬”は旧体制の破棄、人権宣言など現代民主主義の土台となるような重要な諸原理としての効果をあげる一方、恐怖政治という大きな副作用をもフランス社会にもたらした。
フランス革命の偉大と悲惨とは、大きな理想の元に倒れて行った、数々の人間達の偉大と悲惨が映し出された、熱情そのものなのかもしれない。