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生きていくことは苦しいこと。その苦しみをいかに乗り越えていったらよいのか。それは覚悟と受容、そして融通無碍の境地なのだ。
『“泣きながら生まれてきた”人間が、“笑いながら死んでいく”ことは、はたしてできないものだろうか』という自らの問いかけに対する答えとは。
宗教、思想、心理学、医学と様々な分野からの考察が読む者を惹き付ける。
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「人は泣きながら生まれてくる」
というフレーズに感銘を受け、購入。
シェイクスピアのリア王の一文です。
直撃に感銘を受けた一冊。
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この本の一節で「面授」という言葉に出会った。ちょうどカイロプラクティック神経学を受講して悩んでいるときである。毎月韓国のソウルに15時間プログラムを受けに行く。金曜日の朝5時起き。6時発のこだまで名古屋まで。駅を降りてすぐ名古屋空港行きのバスに乗り、9時過ぎ発の大韓航空に乗る。金甫空港からソウル中心街まで約1時間。受講仲間の保井DCや伊藤DCと懇談し、あるいは昼寝を貪り、しばし午後の休息。夜は8時から11時まで補講がある。土曜日の初日は朝8時から夜の8時まで。日曜日の2日目は朝8時から午後3時まで。駆け足で空港まで行き、夕方発って名古屋空港に9時ごろ着く。名古屋から10時過ぎのこだまで静岡に帰り、自宅に戻るのは夜中の12時頃である。あわただしい日程で足掛け3年、20回以上の講義をやり通した。問題はプログラムの内容が難しくてよくわからない。受講者は韓国と日本のドクターだから、共通言語は英語。講義と教材はすべて英語である。講師はDr.Lee。MD、PhD、 DC、DACNBの資格を持つ韓国のエリートドクターである。一所懸命理解しようとするのだが、なかなか難しい。こんな状態ではたしてものになるのか。疑問が膨らむ。
こんなときに出会ったのが面授という言葉である。なるほどなあ。すべて師の薫陶を受けて伝えられるものなのか。神経学的に言うと、左脳よりむしろ右脳の働きが面授の側面を照らしているか。ともかく、この言葉に勇気づけられながら、最後まで貫徹できた。近頃、あらゆる教育の現場で面授の意味が重要になってきている。面授の機微はこの本を読むとわかる。
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私たちの生は、大河の流れの一滴にすぎない。
無数の他の一滴と海へくだっていき、空へ還ってゆく‥
人は皆大河の一滴という自覚から
はじめてゆこう、と著者は説いています。
「人生というのはおおむね苦しみの連続なのだ」と
覚悟することで、今の苦しみと折り合いをつける
という発想は頷けるものがあります。
そしてマイナス思考の必要性。
どう頑張ってもプラス思考になんか
なれない状況の人のことも考えるべきだと。
真のプラス思考は‥
「絶望の底の底で光をみた人間の全身での驚き」であり、
マイナス思考の極限まで降りてゆくことしか出発点はない、
という言葉には説得力があります。
なるほどと思う名言がたくさんあるなかで、
これはちょっとどうかしら?と反駁することばもありで
だからこそ、立ち止まって今の自分の内なる声に
耳を傾けるきっかけを作ってくれる一冊です。
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TOPPOINT 2011年7月号より。
自らの人生にいかに向き合えばよいのか。
希望を持って生きる道はあるのか。
人の生き方について考える。
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教授に出されなかったら読まないなー。
仏教&ナチュラリストが書いた啓発本って感じでした。
なんか、昔を美化しすぎてるのがダメねー。
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この書籍は、五木寛之氏の作品で人生観や常識など交えて書かれています。その中で「人はみな大河の一滴」「滄浪の水が濁る時」「反常識のすすめ」「ラジオ深夜一夜物語」「応仁の乱からのメッセージ」があります。特に長いのが「ラジオ深夜一夜物語」で、ラジオ番組風となっています。この影響なのか解りませんが、「滄浪の水が濁る時」が短いですがそれぞれためになるかと思います。
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☆松田先生 図書館だよりNo.51紹介☆
★SIST読書マラソン2015推薦図書★
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=all&category-mgz=all&materialid=10230197
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昔、悩みを抱えていた時に、旧友から勧められた1冊。昔のベストセラーと知ったのは、今回読んだ時だ。
本が表に出てから20年近く経とうとしている。自殺者は3万人を超えた後、減少し、出版当時と同水準を維持している。筆者の言う、「心の内戦」から時代は変化したのだろうか?
「過酷な時代で生きる価値をどう見出すか」ということについては、現在もヒントになることが多い。
社会的・時代的に「是」とされるものだけに焦点を当てるのではなく、それ以外の「否」とされがちなものにもその価値を認めること。全体を含んだ「寛容」的な価値観から生を見いだすこと。そのような随筆的な思索が印象的だった。
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話題本ということで初五木さん。悲観的な視点に立って物事を眺めれば、どんな状況でもそれほど悪くないと思える。自分中心で考えると一大事でも、宇宙や地球や世界や人類のスケールで考えれば、タイトルの通り「大河の一滴」ということになる。
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人を愛しても、その人に期待してはいけない。
期待していないからこそ、その人に良い部分に触れた時に干天の慈雨となり、喜びが増す。
という一節が心に響いた。
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コロナ禍で再注目されている本、とのことで読んでみた。
平成10年刊行なので、地下鉄サリン事件や、酒鬼薔薇事件など当時のセンセーショナルな事件に言及されているものの、ブッダや仏教の教えなど、普遍的な教えを語っている。
筆者は戦後満州からの引き揚げを経験するなど、波乱に満ちた体験をしており、たくさんの経験から導き出された考えが述べられている。
それに対してまだまだ私は未熟であり、理解できないこともたくさん書いてあった。
10年後、再読したらきっとまた違った印象をもつと思う。
「人はみな大河の一滴」とは、川が身近なものであった筆者ならではの言葉であろう。
私がそのような境地に達するまで何年かかるか楽しみでもある。
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確かに、大切な人が亡くなった時、最低の出来事が起きた時人は最高のパフォーマンスを発揮する事がある。大河の一滴というのは自分自身が自分らしくいられる魔法の言葉だと思う。焦らず、驕らず、自分らしく、必ず訪れる死を意識して、生きていきたい。
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帯表
もう覚悟をきめるしかない。
NHKラジオ深夜便で爆発的反響のトークエッセイも収録
帯背
真の希望と生きる力を求めて衝撃の告白的メッセージ
帯裏
瀬戸内寂聴〈作家〉
五木さんのエッセイの尽きない魅力は、深い愛と真実の本音を、心の涙をインクにして書き示してくれていることにある。
心身の傷ついた人が、どれだけこの一冊で、癒やされることだろうか。
多田富雄〈免疫学者〉
生命の奥底にある不安や怖れまで降りて行って、五木さんは身体の声を聞いてきた。
その声は危機の時代を生きる勇気を与える。
山田詠美〈作家〉
困難に巻き込まれた自分を見失いそうになる時、この本に出会えたことに感謝し、たかが一滴の自分をいつくしみたい。
周防正行〈映画監督〉
あるがままにあることを、肯定もせず、否定もせず、あるがままに受け入れてみる。
そうすることで、まるで違う自分が見えてくることを『大河の一滴』は教えてくれた。
見返し
私はこれまでに二度、自殺を考えたことがある。
最初は中学二年生のときで、二度目は作家としてはたらきはじめたあとのことだった。
だが、現在、私はこうして生きている。
人間の一生とは本来、苦しみの連続なのではあるまいか。
人は生きていくなかで耐えがたい苦しみや、思いがけない不幸に見舞われることがしばしばあるものだ。
それは避けようがない。
憲法で幸福に暮らす権利と健康な生活をうたっているのに、なぜ?と腹を立てたところで仕方がない。
いまこそ私たちは、究極のマイナス思考から出発すべきではないか。
まず、これまでの人生観を根底からひっくり返し、「人が生きるということは苦しみの連続なのだ」と覚悟するところから出直す必要がある。
私はそう思うことで「こころ萎え」た日々からかろうじて立ち直ってきた。
ー「人はみな大河の一滴」本分よりー
人はみな大河の一滴
滄浪の水が濁るとき
反常識のすすめ
ラジオ深夜一夜物語
応仁の乱からのメッセージ
あとがき
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資本主義が憂いを挙げている「心の内戦」時代において、人間が本来持っている感情や心、気と言った、科学的信仰では割り切れない領域に今一度深く目を向ける重要性を説く作品。病院に行くことで病気を「発見する」ことの疑問、酒鬼薔薇を生み出した「透明な存在である自分」、自己の生命の重さが感じられない時代、死を覆い隠す時代と社会の中で、人間の悲しいという感情に目を向け直し、それに正面から向き合うことの必要性を問う。阪神淡路大震災、オウム事件、少年犯罪、国際テロ、分断、過酷な時代に入っていく中で、人間の在り方を問い直す作品。