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マイクロファイナンスに興味がある人なら誰でも知っているグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏の半生を描いた本。
グラミン設立の経緯等に焦点をあてている為、マイクロファイナンスについて勉強したいのであればお勧めは出来ません。
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結構目からうろこだった。
貧困層は商売できない。お金を返済できない。っていう固定観念を覆した。バングラディッシュのグラミン銀行設立の背景〜その後の広がりを中心にした自伝。いわゆる自伝的部分は少ないけどおもしろい。
マイクロファイナンスの仕組みをわかりやすく説明してる。
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http://hotwired.goo.ne.jp/altbiz/yamagata/010227/textonly.html
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先日、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのマイクロクレジットの産みの親の方の自伝。ノーベル賞受賞前の出版です。
ものすごくよくできた素敵な話です。銀行の話以外のバングラデシュの独立の話も利いています。
グラミン銀行が行う革命的なマイクロクレジットの原則はおおよそ次のようなものです。
・最も貧しい人、特に女性に融資する。
・借りにくるのを待つのではなく、こちらから訪問する。
・担保を取らない。
・少額の融資を行う。
これで、年20%の利息をほぼ100%に近い返済率で回収できるのだそうです。さらに貸し手もハッピーになれるそうです。そこでは貧しさこそが保証になるのだそうです。まさしくイノベーションと呼ぶに相応しい。顧客の創造と付加価値創造という企業の目的を具現化しています。マーケティングも独特でとてもよく動いています。利益は事業継続のためのコストだ、という考え方も初めて納得できました。
ユヌスさんはこの本で、政府や世界銀行のやり方ではだめだ、ということを強く主張しています。それでは、当事者意識も動機も生まれない。そこにはよき意図さえ存在してないのかもしれない。『フラット化する世界』で出てくるHPのインドでのビジネスの例もそうだったように思いますが、やはり貧困に対するには、施しではなく、機会と資本によってあたらなければならないというのがよく分かります。
著者は貧困の撲滅(博物館でのみ見られるものにする)というのを目標に掲げていますが、何となく希望を持たせてくれる本でした。ノーベル賞の後、どのように動くのか興味がそそられるます。日本にいると、離れた世界のこととして過ぎ去るのが現実的ですが少し残念なところですが。
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2006年ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌスの自伝です。
普通の銀行とは違う「グラミン銀行」、世界各地に広まっている、「マイクロクレジット」がどういうものか解ります。
また、ムハマド・ユヌスがこれから何をしていきたいのかも書かれています。
本書は、貧困な世界を知り悲観するのではなく、貧困をなくすための秘訣がわかりやすく書かれています。
《人の死に方にはいろいろあるが、とにかく飢え死にほど悲惨なものはな
い。じつに恐ろしい死に方だ。飢え死にはスローモーションで起こる。1秒
1秒、生と死との間がどんどん小さくなっていくのだ。
生と死の境界というのはそれほど曖昧なものであり、違いを見出すことす
ら難しい。地面に倒れた母と子の姿が、この世の出来事なのか、それとも
あの世の出来事なのかも、誰にもよくわからなかった。死はそれほどすば
やく、容赦なく、気づかれないうちにやってきた。》
本書で、貧困の悲惨さを再認識しました。
その貧困の世界で、「グラミン銀行」「マイクロクレジット」がいかに役にたったのか、普通では考えられない仕組みなのに、何故成功したのかが良くわかりました。
また、今までの実績だけでなく、今後の活動内容も書かれており、これからが期待です。
ムハマド・ユヌスは第一線で活躍しており、「貧困なき世界」を目指しています。
「グラミン銀行」「マイクロクレジット」が成功したのと同様に、「貧困なき世界」が終焉すると思います。
《私は、貧困のない世界というのは、あらゆる人が生活に最低限必要なも
のを自分で手に入れる能力を持つ世の中を意味するのだと考えている。
そんな世界では、飢えて死んだり、栄養失調に悩まされる人は誰もいな
いはずだ。これは世界の指導者たちが何十年もの間唱え続けている目標
だが、これまで、それを実現するための手段が論じられることは決してな
かった。》
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「2050年、貧困が見られる場所は<貧困博物館>だけになる」
先月バングラデシュ人で初めてノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の言葉。彼は貧困なき世界を目指して、貧困者向けに無担保融資を行うグラミン銀行を創設した。
この本は彼の自伝だが、それは=グラミン銀行の歴史でもある。
グラミン銀行がどのような経緯で作られ、どのような道を辿ってきたのかがエピソードを交えて書かれているのでとてもわかりやすく、現実味がある。
ユヌス氏が経済学の理論に夢中になり、大学教授をしていた1974年、バングラデシュは大飢饉に見舞われた。あらゆる経済問題を解決してくれるものだと信じていたエレガントな経済理論と目の前で餓死していく人々のギャップに虚しさを感じたという。
彼は、世界の開発援助機関と仕事をしているが、それらの援助機関に対してもはっきりと不満を述べる。
彼の言い分、実際にあった援助業界の裏話を読み、援助機関・開発コンサルタントとそして政府によって紙面上で決定される開発プロジェクトがいかに無駄であるかということを説得させられてしまった。
彼の視点は援助機関というマクロなレベルにとどまってはいない。人として、生活していく上でのミクロな視点も忘れていない。
それは、開発途上国物に行って物乞いに取り囲まれたことがある人は必ず直面する、「物乞いの人々・子どもたちにお金を渡すかどうか」という葛藤。
お金をあげることで彼らの依存性を高めてしまうことになるし、労働意欲、自活意欲を奪い去ってしまうことになるとあたしは考える。
でも、「この10タカでこの人たちが一食を食べられるなら・・・10タカくらい・・・」とも思う。
ユヌス氏も常にこの葛藤を抱えていると述べている。
でも、彼はお金をあげることはしないそう。
それは、「私たちはお金をあげることで現実の問題から私たち自身を遠ざけているだけ」というのが彼の考えだから。
私たちにとってはほんのわずかな額をあげることで、善い行いをしたと思っていい気分になるのは、本当は問題を解決しようとする代わりにお金を放りなげて歩き去ってしまっていることで、何の解決にもつながらない。
ユヌス氏はこれまでの理論でガチガチに固められた経済学にこだわる経済学者とは違う。マイクロクレジットという銀行システムを通して、目の前の貧困を削減することに挑戦する実務家だ。
マイクロクレジットが実際に貧困削減にどのくらい効果的なのかは議論の余地があるところだが、彼の信念・方向性を支持したい。
貧困博物館の1日でも早いオープンを望む。
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今年度のノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行総裁であるムハマド・ユヌス氏の自伝本です。
これまでずっと平和賞の候補として名前の挙がっていたユヌス氏、今年度の受賞は選ばれることは必然だったのかも知れません。
マイクロクレジットと呼ばれる貧困層の女性への小額融資の手法は、貧困解消への有効なメソッドであるといわれて脚光を浴びています。
正直言って、相当なボリュームがあり読むのに苦労します。
しかしマイクロクレジットを理解するうえで、必ず一度は読むべきであろうバイブルであると私は思います。
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08年6月読 ノーベル平和賞をとった貧しい人たちのための銀行を作った人の自伝。この常識に囚われない企画力、無理と言われても突き進む行動力に舌を巻きました。
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2006年ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の創設者ムハマド・ユヌス氏の自伝。マイクロクレジットを用いて社会企業家として成功した氏の志を学べる。
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ムハマド・ユヌスについては、問題把握力、解決力、実行力が備わった人だと思った。
貧困国への支援については、支援方法が最も大切なのだと思った。
物質的に豊かな国が、自分の利益を優先した上での支援を行っている限り、貧困は解決されないと思った。
マイクロクレジットについては、貧困を背負っている人が、自ら貧困を解決するために動くということがポイントであると思う。
自ら解決したいと思い、行動しない限り、貧困は解決しない。
誰かがどうにかしてくれると思っている限り、貰い癖がついたりすることにより、貧困解決から遠のくと思う。
因みに、貰い癖は本人の責任ではなく、支援する側の問題である。
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まずこの本は世界銀行が機能していない点から
始まり、いかに経済学を学んだ著者が
貧困をなくすためにマイクロクレジットという
システムを作って活動してきたかという自伝。
自伝というのはどうも独りよがりなイメージがあったのだけれど
この人の本はそうでもなさそうです。
想像したこともないような貧困な生活している人が
バングラディッシュという国にはいて、
想像したこともないようなイスラム教の教えがあり
それこそ端的に言ってしまえば世界が違うのであろう。
日本にたまたま生まれて、幸いなことに
不自由なく生活している自分には
そういった人たちがいるという存在を認識する
ことすら欠落していることを感じました。
もっと、気の利いたこと書こうかと思ったのですが
考えまとまらず。。。
とりあえず、高校生のときくらいの夢を思い出した。
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マイクロ・クレジット・・・本当に貧しい人たちが自立できるよう、数十ドル〜数百ドルを有利子でかつ無担保で融資する制度である。このマイクロ・クレジット制度を、母国のバングラディシュで立ち上げたのがこのムハマド・ユヌス氏。
従来の「常識」からは考えられない、この無謀とも思える制度は、返済率90%以上という大成功をおさめ、私たちの「常識」を見事に覆す。しかも、今では世界中に(第三国だけではなく、アメリカやヨーロッパも含む)展開されているのだ。
大学で経済学を教えていたユヌス氏が、自身で地元の貧民街に赴き、どのようにすれば貧困をなくすことができるのかを考え、それを実行に移す。周りの冷笑や反対、無関心やむき出しの敵意に対しても決して屈することなく、その崇高な目的のために地を這うような活動を忍耐強く行っていく姿は感動的だ。
こういう人が実際に世界にいて、その人を懸命にサポートする人たちが大勢いる。そんなことを考えると、世の中もなかなか捨てたもんじゃないって思える。
「世の中にはこんなに凄い人がいるのだ」、「生ぬるい生活をしている自分はもっと頑張れるはずだ」なんて、思い知らせてくれる本。
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内容(「BOOK」データベースより)
貧しい人々に無担保でわずかな金を融資し、それを元手として小さなビジネスを開始させ、経済的に自立させる―ユヌスが編み出したこの手法は「マイクロクレジット」と呼ばれ、今やアメリカやフランスをはじめ世界約60カ国で実践され、大きな成果をあげている。ユヌスは語る。「貧困は、私たちが生きている間に地上からなくすことができる」と。本書は、その活動に対して世界中から注目と賞賛を集めるノーベル平和賞の有力候補が、自らの半生と信念を語った初の自伝である。
内容(「MARC」データベースより)
わずかな無担保の融資により、貧しい人々の経済的自立を助ける「マイクロクレジット」を行う「貧者の銀行」を創設し、世界中の賞賛を集めるノーベル平和賞有力候補が、自らの半生と信念を語った初の感動的自伝。
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2006年ノーベル平和賞を受賞した銀行家の自伝。
貧困に苦しんでいる人々に無償援助するのではなく、
無担保少額融資することで自立させ、世界中の貧困層を救った。
内容は濃く、分厚い本ですが、文体が読みやすく、
著者の独自のユーモアが随所にちりばめられてあるので、一気に読めます。
おすすめです。
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ユヌス氏は創造的破壊者である。
この一言に尽きる。彼の自伝を読んで、多々受け入れられない部分はあるが、それは単に嫌悪感から来るものではなく、きっと既成概念を超越しているものからくるのであろう。
人々は愚かで怠惰だったから貧しくなったのではなく、構造的な欠陥が原因であった。
ユヌス氏はこれまで当たり前とされてきたものをすべて覆し、対貧困の革命を起こした。
貧困だけではなく、女性の社会的進出などのマイクロクレジットに関わる人々の社会的な成功をも引き起こした。
彼を通して感じるのは本当に貧困はこの世からなくせるかもしれないという熱き期待。
なぜ貧困は存在するのだろうか。
ユヌス氏は次のように言う。
BOPは労働の見返りで得たお金を持ち続けることができないからだ。
→従来、クレジットを得られないBOPは、資本をコントロールできずに、毎日わずか数セントのお金をめぐって生と死の問題に直面してしまう。もし自由に使える資本があれば、彼らは必要なものに投資し、貧困から脱出する機会を得られる。
銀行は、BOPには担保もなければ、小額でビジネスにはならず、読み書きもできないので、門前払いをしているからだ。
→彼らは関わってはいけない人たちだと決めつけて、不安定で未知数だが、将来性のある市場に対してリスクをとらないでいる。(しかしグラミン銀行での彼らの返済率は100%近くであり、多くの顧客を獲得したことで、小額でも確実な収益を見込めるようになった。古い体質である銀行は、今でもグラミンに対して懐疑的な人がいまだに多いが…。)
どの国の既得権益者は、お金をもつ国の資金援助を食い物(汚職とか…)にし、BOPに資金が届く前に、巨大な官僚システムを通してほとんど浪費してしまうからだ。
→そもそも資金援助は、資金を受け取る側は国家を自分たちの手で導く意欲を削ぐものとなり、また資金を提供する国は、実際の問題を放置し、良い行いをしたと自己満足しているだけのものとなる。
世界の多くの政府関係者、NGO、国際開発コンサルタントがBOPは技術がなく、何をすべきか知らないと決め付け、BOPが心から求めているわけではない非生産的な訓練プログラムを行うからだ。
→訓練プログラムを否定しているわけではなく、プログラムありきではなく、資本ありきだという。個々で既に獲得しているノウハウ・才能で自営することが最も重要。そこから必要な訓練をすればよいという考え。
多くの経済学者がBOPを救うのはただ1種類の雇用-賃金雇用のみと信じているからだ。(ここから訓練が必要だという潮流が出来てしまう)。
→事実は、BOPのほとんどが自営で生計を立ており、自営から生まれる自立の可能性を見落としている。実際にユヌス氏自身が経済学者であるが、理論ばかりを追うことに嫌気が差し、プラグマティックに現地現物主義を貫いてきた。
だらだら書いてしまったが、最後に思うことを少々述べると、ネクストマーケットでも述べたように、貧困層に対する僕たちのステレオタイプはいかに間違っ���いるか、自分勝手か、またそれを押し付けているかがよくわかる。できない理由を探し、何の可能性もない救いようのない人々だと決め付けていた。
その概念を覆したマイクロクレジットは画期的な触媒である。
最近、ほとんどの問題は、個人が原因ではなく、システム・構造的なものが原因やと思う。
ユヌスは試行錯誤の末、この触媒によって、今まで起こりえなかった化学反応を起こし、多くの絶対貧困の人々を貧困となるラインまで生活水準をあげた。マイクロクレジットの限界・弱点、その裏で行われている真実などなど、表層化していない問題があるんやろうけど、事実として多くの人々の生活を変えたユヌス氏に感動。
URL:http://ameblo.jp/btg4102/entry-10353020584.html