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二重螺旋の悪魔 上 みんなのレビュー

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20 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

サイファイ作家・梅原克文の衝撃のデビュー作。

2016/03/03 15:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者が自分でいっているように70年代の日本SFを彷彿とさせるSF&スーパージャンル小説で往年のSFファンにはたまらん作品。(<朝日ソノラマ版>の表紙が生頼範義画伯の絵だったので余計にね)

遺伝子操作監視委員会の調査官:深尾直樹は、ライフテック社の実験区画P3でバイオハザードが発生したと睨み調査に乗り出す。ところがP3区画では十数人の惨殺死体が発見され、死んだ研究員の中にDNAの中にある謎のイントロン配列を研究していた者がいた事が判明し、事態は想像を超えた方向へと急展開し出す、、、。

第一部はバイオホラーとして、第二部はサイボーグSFとして、そして第三部は戦争&電脳&神との戦いというようにどんどんスケールアップしていく。しかも毎回趣向を凝らした謎が登場し、それがそのまま次の物語に繋がるという仕掛けになっており、主人公:深尾直樹には次から次へと難題がふりかかって来る。それを時には運で、時には自力で解決しながら戦いの深みにはまっていくという一度読み出したら最後まで止まらなくなる、まさにジェットコースーター小説。

そしてこの荒唐無稽な話を支えるのが数々の魅力的なガジェットや科学知識。よくもまあこれだけの内容を詰め込んだなと感心するぐらいてんこ盛りにアイデアが投入されており、骨子になるキーワードを挙げるだけでもバイオリアクター、P3施設、エクソン配列、イントロン配列、クトゥルー神話、GOO、EGOD、アッパーバイオニック、マイクロマシン、NCS機能、神経超伝導化などなど、、、とにかくSF好きにはたまらない設定が目白押し。

また主人公は「死んだ恋人を蘇らせる為に戦う」という極めて人間臭い、シンプルな理由で「GOO」と呼ばれる人類の敵と戦う。他の登場人物もステレオタイプではあるし、主人公の考え方にもいろいろ疑問を呈する部分はあるが、それをありあまる熱気と力技で押し切ってしまっているのでとっても感情移入しやすい。初期のクーンツに結構似ているかな。

とても新人(当時)が書いたとは思えないスケールのでかい話であり、SF好きなら押さえておいて損はない小説だ。

本作と次回作「ソリトンの悪魔」は超オススメ。

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ワクワクの冒険小説!!

2003/06/10 01:05

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやー、こんな面白い話があるなんて! 長らく積ん読していて人生をソンしました。ジャンルは何だろう、バイオホラー? SFハードボイルド? バトルアクション? 理系用語がガンガン飛び交うため取りつきにくい第一印象を持つが、それをこらえればジェットコースター的ノンストップの展開で進む物語の激流に時を忘れてしまった。私は仮にも医学の徒のはしくれなので、かつて分子生物学などをかじった覚えがある。しかし、この小説によって知識を〈知っていること〉と〈物語として紡ぐこと〉の間には、とてつもない距離があるのだなあと考えさせられた。それはあたかも、畑で見知っていた泥だらけの野菜が、一流シェフの手により極上の横文字の料理の一皿になったのを見たかのような感慨である。
 またこの物語、やたらスケールがデカい。壮大な神話とでも呼びたいくらいである。上巻から下巻の間は話が飛んでおり、一瞬〈中巻が存在するのかっ?〉と思ったが、それさえも冗長な描写を削いだ作者の作戦なのだった。ああ、面白い。

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紙の本

バイオホラーの先駆け

2002/07/30 16:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 バイオホラーと言えば、映画にもなったパラサイトイブが有名だろう。しかし本作品はパラサイトイブよりも先に刊行されている。

 タイトルから分かるように遺伝子操作技術をテーマにした近未来小説である。冒頭にバイオホラーとか書いたが、ホラーというよりはアクションやサスペンスの要素が多いので正直何と形容して良いのか分からないが、スピード感あふれる展開で非常に面白い。

 人間の持つ遺伝子の97%はジャンクと呼ばれる領域で何の意味も持たないとされている。果たして本当にそうなのか。というところから本作品は出発している。そのジャンクの部分をいじっていると化け物が出現してしまうというストーリーである。あとはその化け物と人間との戦いが繰り広げられる。

 現実の世界もクローン羊のドリーが出現して以来目覚まし進歩を遂げ、今日ではES細胞と呼ばれる未分化細胞から任意の器官細胞を作れるところまで進歩してきた。

 あと十数年経つとこのような世界が実際に訪れるのかも知れない。

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紙の本

超人願望な私が見える

2002/05/22 23:12

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青月堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上下合わせて1600枚(原稿用紙)の超大作である。

 全体は三部構成になっている「封印」「超人」そして「黙示録」。読み始めて、最初は一度あきらめた。一人称の文体が、平井和正の「狼男だよ」のパロディーみたいで、イヤだったのだ。

 しかし、クトゥルー神話がモチーフになっていること、「黙示録」なんてどう書いているのか興味があったことから、通勤途中に読み出した。

 面白い! 抜群のストーリーテラーだ。第一部の「封印」を読み終えた時点で、充分小説一本分の手ごたえがあった。それでも三分の一でしかない。この先どうなるのか、展開が読めなかったが、「超人」というタイトルに惹かれ続きを読んだ。面白い。そうきたか!

 第二部を読み終わったところで、充分小説二本分の手ごたえがあった。それでも、まだ半分。
 しかも、下巻の方が分厚くさえ思える。どんな展開になるのか、先が読めなかったが、「黙示録」というタイトルに惹かれ……、ようするに引っ張り方がうまいのだ。

 モチーフ自体はそれ程突飛なものではない。DNAに封印された太古の悪魔。一種の時限爆弾だ。キーを解除できるだけの科学力を身につけたとき、それは解き放たれる。食べごろに育った家畜を狩るように。ところが、DNAには逆の力も封じ込められている。悪魔に対抗する超人の力だ。そして、悪魔も超人もその役割は……。

 ちょっと長いけど、絶対面白い。おすすめです。

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紙の本

バイオ・ホラー・アクションの金字塔

2001/04/13 05:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:旅歌 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ここまで凄いと、自分の貧弱なボキャブラリーでは賛辞の言葉を思いつかない。
 わが国バイオ・ホラーの先駆けとか代表作との定説がある、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』に先行すること二年。鈴木光司の『リング』と同じ年(1993年)に出版されたこの作品は、馴染みの薄い朝日ソノラマという出版元も手伝ってか、上記ニ作に比べるとかわいそうなくらい忘れられた存在だった。

 ところがところが、今ごろ読んでおいてこんな言い方もないもんだと思うが、梅原克文『二重螺旋の悪魔』こそ、その後ブームとなったバイオ・ホラーのまぎれもない先駆であり、内容の凄まじさ、作家の創造力、稀有なストーリィ展開、ジャンルでは語れないハイブリッド感覚、どれを取っても凡百の小説では歯が立たない、上記二作を遥かに凌ぐ、バイオ・ホラー・アクションの金字塔だったのである。

 作者の梅原さんは、二年後に上梓した『ソリトンの悪魔』で日本推理作家協会賞を受賞して、各方面に知られるようになった。が、それとておもしろさでは『二重螺旋の悪魔』の比ではない。その後、積もり積もった怨念が炸裂したのか、サイファイ宣言で物議を醸したのは記憶に新しいところ。というか現在も継続闘争中。あれだけでかい口(失礼m(__)m)を叩くのだから、さぞや凄いんだろうと思った最近作『カムナビ』ではがっかりさせられたものだが、これほどのポテンシャルの高い作家ならば簡単に見捨ててはいけないですね。ケンカを売るかのような一方的で不毛な論争にばかりに力を傾けないで、作品の質を上げることに力を注いで欲しいもんです。

 この物語を読めば、梅原さんのおっしゃるサイファイがどういうものかとてもよく解るだろう。『カムナビ』はサイファイ・テキストに相応しくないですね。本家SFマニアたちの、陳腐だの、底が浅いだのとの酷評も納得できてしまうから。だが、この物語にそういう言葉は相応しくない。

 当然、エンターテイメント小説はおもしろいことが大前提である。なんでもありで結構だが、読者に擦り寄っていくような姿勢だけはいただけない。『カムナビ』には某出版社の超訳本のような不健全さがあって、どうしても納得できなかった。この物語だって、登場人物の心根には似たような不自然さがある。だが、まだ熱さがあるのだ。大仰でステレオタイプな人物たちに、血の通った温かみが感じられるのだ。主人公の深尾がなんでも自分のせいだと叫んでも、成長と考えても上下巻で違い過ぎるの深尾直樹の大げさぶった人格も、男女関係の機微が描けていなくても、ここまでなら許せる範囲だと思うのである。

 何とか及第点の人物に、破格の創造力に支えられた無類のストーリィが被さる。山場がいくつもあり、時系列的に連なった短い時間の中で密度濃いストーリィが、決して読者を飽きさせることなく爆発的に展開する。次から次と問題が発生し、ころころとストーリィが転がっていく。実に無理なくスムーズに転がるので、例え仕掛けが陳腐に見えても、読者は文句なんか言っている暇がない。これも『カムナビ』とは大きな違いだ。物語作りのツボを知り尽くしているかのストーリィ。逆説的発想。もう見事と言うしかない。

 いろいろな先駆者の影響はあるでしょう。でも、補ってあまりある作者の類稀な想像力なのです。神の姿には失笑が漏れるかもしれないが、それとても全体を俯瞰すれば、バランスがとれているように見えてくるから不思議なもの。ラストにもっと捻りを期待していたので、少々残念な気もしたが、叫ぶ深尾直樹はこれで良いのだと結局納得してしまった。この神はおもしろ過ぎかな。

 『パラサイト・イヴ』や『リング』が最高! と思っている人には是非読んで欲しい。根本的に違う疾走感を感じてもらえると嬉しいのだ。もちろん、その二作だっておもしろいんですけどね。

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バイオホラーの最高傑作

2001/01/22 23:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:R2bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 遺伝子操作監視員会の調査官である深尾直樹は、バイオ産業大手のライフテック社で発生した事故の調査に赴く。そこにはかつての恋人、梶知美もいるはずだったが、深尾を待ち受けていたのは血まみれのP3実験区画だった。
 現在と過去の記憶が錯綜する中、イントロンに隠された謎が次第に明かされていく。
 だが謎はそれだけではなかった。人類の神経繊維に秘められたもうひとつの秘密。
 はたしてわれわれ人類の行く先はどこなのであろうか——。

 さて、DNAという言葉はつい最近までそれほど一般的なものではなかったが、近頃では遺伝子操作の是非を問う記事が新聞の一面に載るほどになっている。
 そのDNAであるが、塩基文字配列のすべてが有用な情報を持っているわけではない。実は、遺伝情報として意味を持つエクソン配列と、なんら意味を持たないイントロン配列とがあるのだ。ここまでは生物学の基礎を学んだものならば誰でも知っている。
 しかし同時に、ここで必ずと言っていいほどひとつの疑問が生まれる。すなわち、「イントロン配列は本当に無駄な存在なのか」という疑念である。考えてもみていただきたい。これほどまでに合理性を追求しながら進化してきた生物であるのに、その遺伝子に無駄な情報がたくさん含まれているなど、いったい誰が素直に信じられよう。
 この物語は、すべてその疑念に端を発している。
 著者は、誰もが感じていた疑問にひとつの答えを投げつけたのだ——イントロン配列は「何者か」がプログラムし、さらに人類のDNAに隠蔽した遺伝情報なのである、と。

 SFの手法としては、現実とフィクションの境目が分からなくなるような展開をとっている。目新しい手法ではないが、実に見事なリズムで現代風に再現されている。
 息をつく暇もないテンポで話が進み、読者はいつしか現実と虚構の区別が付かなくなってしまうのだ。本書は上下巻の二冊からなるが、寝る前に上巻を読むのはやめた方がいい。そのまま下巻に手を伸ばして翌朝、寝不足になるのが目に見えているからだ。

 クローンの作成や遺伝子操作食品が一般のニュースを賑わす現代にあっては、本書をただのフィクションと笑い飛ばすことはもはや不可能である。これは現実に起きるかもしれない恐怖なのだ。
 もしかしたら、われわれは本当に神の領域にちょっかいを出しているのかもしれない。いろいろと考えさせられる作品である。


〜 ELI ELI LAMA SABACHTANI 〜 主よ、主よ、何ゆえ我を見捨て給うた?
(新約聖書 マタイによる福音書第二七章四六節)

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2006/06/28 14:40

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2007/03/02 11:10

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2013/03/08 12:03

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