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日本語ネイティブであると、耳で聞く日本語をなんとなく理解しているつもりになっている。文字にしても話し言葉にしても、相手の伝えようとする内容に対してちゃんと受け止める能力が求められる。そしてそれを再構成してまた第三者に的確に伝える能力がコミュニケーションにとても重要だと思う。なんとなく心理状態が伝わる関係であればそれは人間と動物感でもあり得る。この本を読んでから、周囲の日本人がいかに伝えようとしていないか、伝える訓練ができていないかを再認識した。
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本当に私の弱いところを強化するのにうってつけの本。「は」と「が」はネイティブだけに感覚で使っていたし、敬語に関する国語学的な箇所はとても面白い。
文章を書くにも読み解くにも必要なテクニックも使いこなせば身につけられそう。
練習を繰り返しながらも、辞書と一緒に机に置いておきたい。
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(2010:川崎司先生推薦)冗長表現と長いセンテンスを避けることが、良い文章を書くにあたっての心得であることを説く。
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[ 内容 ]
どうすればよりよく読めて書けるようになるか。
何に気をつけ、どんな姿勢で文章に向かえばよいのか。
練習問題に答えながら、単語に敏感になる練習から始めて、文の組み立て、文章の展開、敬語の基本など、日本語の骨格を理解し技能をみがく。
学生・社会人のために著者が六十年の研究を傾けて語る日本語トレーニングの手順。
[ 目次 ]
1 単語に敏感になろう
2 文法なんか嫌い-役に立つか
3 二つの心得
4 文章の骨格
5 敬語の基本
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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自分の考えを文章で伝えるためには以下の3つの手続きが必要である。1.的確な単語を選び出す。2.意味が明確に伝わるようにそれらの単語を配置して文(センテンス)を作る。3.主張とそのサポートを組みとして段落を作り、段落を連ねることで論理展開を行い文章とする。これらは案外と難しい技術で、実際に、ネット上にはひどい文章が溢れている(勿論、このレビューも)。日本語を使いこなすには、上の3つの技術を訓練する必要がある。
この本では、上に挙げた3つの技術について以下の注意点を示している。
1.的確な単語を選び出す
◯類義語同士の微妙な違いに敏感になる
単語の用例を収集→使い方の類型により区分→それぞれの意味の抽出→最も根源的な意味とそこからの脈絡と展開をたどる。
◯ハとガの用法を知る
ハの働き:
①問題(topic)を設定して下にその答えがくると予約する(ハの後にトピックに関連した新情報がきますよ!という合図。問答の形式)
②対比(猫ハ嫌いです。このハは猫以外の何かは嫌いでないことを暗示する。つまり、他の何かと対比して述べた文である)
③限度
a.お寿司を2つ、6時に持ってきてください。
b.お寿司を2つ、6時には持ってきてください。(6時までにという限度を表す)
④再問題化(正直、自分には対比との区別がつかなかった)
ガの働き:
①名詞と名詞をくっつけて、ひとかたまりの名詞相当の句をつくる(ハにはない用法)
例:私が乗る飛行機
②現象文をつくる
ガの前にある情報も新しく気づいた対象・発見であり、新知識の対象(ここもハとの違い)。
◯正しい敬語を使う
◯縮約や要約を練習する
◯「〜ノダ・〜ノデアル」を使いすぎない。
これらは「こんな事情はご存じないでしょうが、これは大事なことですよ」という意味で、使い過ぎると書き手の上から目線を強めるし、本当に強調したい大事な部分がぼやけてしまう。
◯「...ガ、〜」を使わない。
この「ガ」の意味には逆接の他に判断の留保(本当の判断は...ではなく〜にあるよ)もある。それゆえ、使い過ぎると主張がだらだらと続き文意が曖昧になる。インターネットでよくみかける「...が。」で終わらせる文章もこれと同じ。正直、何を言いたいの?って思ってしまいイライラさせられる。
2.意味が明確に伝わるように単語を配置してセンテンスを作る
※「意味が明確に伝わるように」と書いたのは、順番によっては他の意味が生じたり、分かりにくくなったりするからである。
◯センテンスを短くする
◯「〜は」と述語の間隔を広げすぎない
例えば、「◯◯は△△です」というセンテンスがあれば、
◯◯=△△という構図がわかりやすい文章にする。
日本語では単語の配置が比較的自由なのでこういう工夫が必要なのだろう。
◯縮約や要約を練習する
3.主張とそのサポートを組みとして段落を作り、段落を連ねることで論理展開を行い文章とする
※この本では、論証については扱っていない
◯「文章の骨格」を見抜く
◯縮約や要約を練習する
この本の力点あるいは特色は、1の「的確な単語を選び出す」ことにあると思う。著者が岩波古語辞典を製作していて、単語同士の微妙な差異を研究してきたことがその理由のひとつだろう。そのような差異を心得て、自分の思いを単語に込めるのは実に気持ちのいいことだろうと思う。
ちなみに、2に力点をおいたのが「日本語の作文技術 (朝日文庫)」であると理解している。これも非常にためになる著作だと思う。
3については色々あるが、これぞ定番という本を私は知らない。おすすめとしては、「新版 論理トレーニング」、「細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!」、「論文の教室―レポートから卒論まで 」か。
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◆「思う」と「考える」
・「思う」とは一つのイメージが心の中にできあがっていて、
それ一つが変わらずにあること。
胸の中の二つあるいは三つを比較して、これかあれか、
こうしてああしてと選択し構成するのが「考える」。
◆「ハ」と「ガ」
・「ハ」
①問題を設定して文末と結ぶこと
②対比する
③限度を明示
④再問題化(再審)
・「ガ」
①名詞と名詞をくっつける
②現象文をつくる
◆「が、」を使うな。
・保留・抑制
⇒「しかし」を使うこと。
大変ためになる。
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少し前から読みたいと思ってたんだけど、図書館でふと見つけたので借りてみました。ほんとに練習帳なんだね。専門的に日本語をやりたい身としては、買って問題ちゃんともう一回やってみようかなと。
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勉強になった。今まで気付かなかったことに気付かされ、日本語についての理解が深まったと思う。とりあえずざっと読んだだけだけれど、後でじっくりと取り組んでみたいと思う。特に社説の縮約は、むずかしそうだけれど、試してみる価値は大いにありそう。
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言葉を表現するとはどういうことか。他者と関わる時、文章でも会話でも同様だが、ほんの少しの言い回しで相手に伝わる内容が異なってくる場合がある。本書は、日本語とは何ぞやと考えるよい案内役だ。
母国語以上に外国語を伸ばすことは不可能だと、外国語を勉強してる人がたびたび訴えることがある。その人が話す言葉や文章の内容が、そのまま他の言語に反映される。単語や文章の選定の仕方は、そのまま個人の人格や人生に対する態度の発現だ。
この機会に国語の語感を磨きたい。
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大野晋先生が亡くなられた。約10年前にベストセラーになったらしい、この本の存在を全然知らず、あわてて読みました。先生の「やさしさ」が、とても滲み出ている本。80才にして、こんな本が書けるって、素敵ですね。
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学生時代、国語の勉強をしっかりやっておけば良かった。この本を読み終えて真っ先にそう思った。私は本が好きで、読む方だとは思う。しかし、いままで読んだ本の内容をどれくらい理解できていたのだろうか。若い頃に本書と出会っていれば、理解力がもう少し上がっていたかもしれない。ちょっと残念だ。どうすればよりよく読めて書けるようになるか。何に気をつけ、どんな姿勢で文章に向かえばよいのか。本書は、練習問題に答えながら学んでいく。単語に敏感になる練習から始めて、文の組み立て、文章の展開、敬語の基本など、日本語の骨格を理解し技能をみがく。1章「単語に敏感になろう」では、たとえば、「思う」と「考える」の違いを学ぶ。2章「文法なんて嫌い――役に立つか」では、ハとガの違いを学ぶ。私はたなぞうです。私がたなぞうです。どこがどう違うか。そのほか、具体的な日本語トレーニング手順などが教授される。なかなか実行はできないとは思うが、心掛けたい。読書好きの集うたなぞうでは、基本的なことが書かれているだけだよと笑われてしまうかもしれない。でも、私の日本語力程度だと、とても勉強になった。160万部超えの大ベストセラー。
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悪い本ではないけど、過大評価されすぎていた印象がある。コンセプトが新しかったから持ち上げられちゃったんだろうか。
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練習問題を解きながら、単語の語感の違い、「は」と「が」の使い分け、文章の組み立て方、敬語についてが学べる良書。
特に「は」と「が」の使い分けについては、本書の説明が決定版といえるのではないか。
単純にいえば、主語が旧情報で述語が新情報の場合は「は」を、主語が新情報で述語が旧情報の場合は「が」を使うというもの。
この説明は他の文章術の本にも書いてあることだが、何故そう考えられるのかを様々な文例で解説していくれている。
単語の語感の違いについては、ここでの問題は概ね回答できたものの、普段は何気なく使っているそれぞれの言葉の意味の違いを解説してくれており、すっと腹に落ちる感覚が心地よいものであった。
日本語をより丁寧に使っていきたいと思わせる一冊。
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・「思う」とは、一つのイメージが心の中にできあがっていて、それ一つが変わらずにあること。胸の中に二つあるいは三つを比較して、これか、あれか、こうしてああしてと選択して構成するのが「考える」。
・言葉づかいが適切かどうかの判断は、結局それまでに出あった文例の記憶によるのです。
・例えば新聞や雑誌に使われている単語は、年間およそ三万語といわれています。しかし、その五十〜六十パーセントは、年間の使用数1です。
・いつも相手は自分より上なのか下なのか、遠いのか、近いのか、親しいか疎いかを、込みにしてとらえ、その条件のもとでしか相互に接触ができない。そのとらえ方を敬語という形式で言葉に表現しているのです。
・敬語には「話しかける相手」に対する敬語と、「話の中身」に対する敬語があります。
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読んで良かった。なんというか日本語が、ますます好きになった。うーん、
図書館で借りたのだけど、手元に置いておいても良い気がする。特に、前半が。
興味深く首を捻りながら。感嘆しながら。面白かった。上司からの薦めで知覚。
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何気なく使っている日本語を見つめなおすことが出来た。特に、「が」と「は」の助詞の使い方の違いには目を見張った。