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紙の本
ミステリーの粋を超えた問題作
2006/10/13 10:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
招かれた別荘で、5歳の少女が行方不明となってしまった。
4年たったその後も、依然として行方がわからない娘を必死に探す母親の姿を、渾身の筆致により描く壮絶な長編ミステリー。
自らの不倫という後ろめたい事実を胸に秘め、消えてしまった娘を捜す母・・・。
どうあがいても裏返りようのない事実、自らの過ちを責めることも、何の意味も成さないそんな日々の中で、ただ待ち続ける娘への想いはいかばかりかと考えただけでも心が重くのしかかり、読めば読むほど深みに嵌っていった。
母親自身も18歳の時に家出、当時、その両親の胸のうちは想像できなかったであろうが、因果は巡り巡って、自らがその苦しみの中で、もがかなければならない状況に置かれ悟った。
子をなくした親の気持ちとは、経験してこそ本当の痛みが判るのではないかと、つくづく感じさせられた。
中盤あたりから、癌に冒され死と隣り合わせにいる元刑事の存在がクローズアップされ、本筋から離れていったような感じがしないでもなかったが、うまく終盤に繋げられていた。
ミステリーとして読めば、その曖昧な結末には物足りなさを感じるかもしれないが、それを超えた感情が全編に宿っていた。
結末を論じる作品ではない、と強く強く感じた。
紙の本
鬱々とした気分に浸れます
2003/11/25 01:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
桐野夏生さんの小説は初めてで、あきらめず最後まで読めるかな、と
思いつつ読みました。
ストーリーは幼女が北海道で失踪し、それをおいつつ、人生をすすめていく
幼女の母親の話です。
主人公の女性(失踪した子供の母)の鬱々とした気持ちに感情移入
してしまい、夢の中で人を殺してしまいました…。そのあたりが
きっとうまい人なんだろうなー。
でも、全体的な感想はうーん…という感じです。ほかの人も書いてたけど、
刑事が登場したあたり(いやそれより前?)からなんか読むのが
しんどくなってきました。なんでかなー。あまりにも登場人物が
多いから、私の頭にはついていけてなかった??
でも、主人公の女の人の感情の吐露部分だとまた楽しくなったので
最後までよみきってしまいましたが。
結局犯人は? 犯人探しが目的ではなく、過程が目的なんでしょうね。
紙の本
読後も続く想像
2001/11/13 12:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゼンメイ@アベベ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『顔に降りかかる雨』『天使に見捨てられた夜』の次に読んだ桐野作品になります。桐野さんの一風変わった死の感覚に、またまた触れることができた気がします。
簡単に言えば、行方不明の長女を探す母親とガンに冒された元刑事が、子供探しをするお話です。
世間や関係者は心の中で「もう、死んでるよ」と言う目で見ているが、母親は子供が生きている事を信じて探し続ける。一方、末期ガンで余命もわずかな元刑事は、自分の最後の仕事として母親に協力する。つまり、死んでいるかもしれないが生きていてほしいと希望する者(母親)と生きているが死んでいく者(元刑事)のコンビが皮肉のように絡み合っていきます。
果たして、子供がいなくなった原因は、何か?!
・何らかの理由で誰かが殺して埋めたのか?
・事故か、羆に襲われたのか?
・自分の意思で消えたのか?
答えは読んでいただいて、皆さんが考えてください。