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手塚治虫氏のマンガの原点が書いてありますが、結構被害妄想が強く、プライドの高い人だったんだと手塚氏本人が意図しないことを思ってしまいます。
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20年くらい前の講演記録ですが、「未来はこうなるでしょう」という予想がほんとに実現してて、驚きます。それは、科学の知識があったからではなく、大きな夢を見る力があったから、だと強く感じました。子供に読んで見て欲しい本。そして、やはり、偉大な人の母は偉大でした…。
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少年時代の話であったり、苦労話の吐露であったり、説教じみたり、若者へのメッセージであったりと、まるで一貫性のない構成。
それもそのはず、手塚治虫先生の没後8年の出版。
講演記録などテープから編まれた内容となる。
いじめられた子供時代、戦争経験を経て、漫画道を志す過程が書かれている。
またアニメや漫画などについて、実際に「AKIRA」や「ハレンチ学園」などのタイトルが挙がることについても驚かされる。
齢を重ねることで、自身の子供感覚と現実とのギャップに焦りをみせる姿も珍しい。
また本人以外に妹や子供時代の友人、そして経済的窮地を救った恩人の手記が収録されている点は見逃せない。
漫画の神様と呼ばれて久しいが、手塚治虫先生の人間臭さを感じられる一冊。
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苛酷な戦争体験を経て「生命の尊厳」を後生大事にするようになった経緯と、それが手塚作品を通底する大テーマであることが語られる3,4章が一番の読みどころ。「手塚治虫は科学技術を礼讃している」という世の風評に対して忸怩たる思いも表明されている。この点につき、手塚のよき理解者であった葛西健蔵氏は「手塚治虫の哲学は『生命を大切にする』ことと『心なき科学技術の発達はかならず人類を滅亡させ、地球を滅ぼす』というものです」(p.162)と簡にして要を得た談話を残していらっしゃる。手塚作品の原点を探れる一冊。
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手塚治虫の死後、手塚晩年の講演記録(テープ)をまとめたもの。「手塚治虫著」だが手塚自身がまとめたわけではないので、生い立ちに関する記述だったり、若者への提言があったり、マンガが入ったり、本としての一貫性はあまりない。しかし、手塚自身も述べている通り、マンガやアニメでは「かたくなに一つのこと(生命の尊厳)を取っかえ引っかえ描いて」いるさまはよく伝わってくる。個人的には、少年期の話、とくに綴り方教育の話が印象に残った。手塚いわく「ストーリーテリングの楽しさを学んだ」。
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手塚治虫さんは戦争体験者。
最後の話はちょっぴり感動。
頭いい人は小さい頃から読書家なんですねぇ。
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手塚さんの本は手に入れば必ず読む。謙虚でいて今の私たちに必要な言葉が散りばめられているから。外国人が見た手塚マンガが興味深い。リボンの騎士は日本人!?読めば分かります。
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手塚治虫が、自身の生涯を振り返りつつ、マンガとの関わりを語っている本です。
いじめられっ子だった手塚が、マンガを描くことで自分の居場所を見つけ出した話から始まり、戦争体験や彼のマンガを貫くテーマである「生命の尊厳」について、さらに未来の子どもたちへ向けての希望などが語られています。
とくに戦争体験に関しては、評論家の大塚英志が手塚マンガにおける「傷つきやすい身体」というテーマを発掘していることが思い合わされて、興味深く読みました。
さらにコラムとして、手塚に関わりの深い人びとの回想談が収められています。
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手塚治虫先生の講演書き起こしと、先生ゆかりの方々の談話から成る一冊。特に、母校の子供たちに語る、最後のご講演は非常に示唆に富む。有名な「夢はふたつ持て」の出典もこの講演からだと思われる。
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【手塚先生がいかにエネルギーに満ちた方かがわかります】
・感想
手塚作品は大好きです。
基本的に自分は作家などアーティストはその作品のみで評価されるべきと考えています。ですので、変に読んで失望したらどうしようとは思いましたが、それでもやはり気になって読んでしまいました。
とてもよかったです。その周囲の方々から語られる人間味も含めて。
「生命の尊厳」というメッセージ性については作品から受け取ってはいましたが、社会や人間についてもいかに示唆に富む考えをお持ちだったかがよくわかりました。
特に以下のお気に入りの文章に挙げた諦観についての件はドキッとさせられました。
実力のある人間としての立場からの発言ではありますが、才能を開花させるには努力するしかないのです。その努力をどうせできないとか、失敗を恐れる風潮は確かに自分自身が感じることです。
そして自分自身もあまり何かにのめりこんだ記憶がありません。理由はと言われると、好きなことが何かわからなかったということもあったように思いますが、すぐに先をみてどうせたいしたことはできないと思い込んでいた気もします。
自分自身のやりたいことにすら頑張れない自分は一体何なんだ。
少なくとも二つの希望を持てという言葉とともに、もっと努力しようと奮い立たせてくれる一冊でした。
・お気に入りの文章
こういった諦観はひじょうに大人じみています。と同時に、そういう大人の否定的なビジョンを子供に植えつける情報洪水や、それに押し流されるのを食い止めることもできないいまの社会や教育の弱さに、腹立たしさを覚えるのです。(中略)少なくとも戦時中はそれがまちがっているにせよビジョンのようなものを人々はもっていました。それが多少なりとも「生きがい」につながったと思います。しかし最近は体制社会のなかで、ただ毎日を生き延びるという処世術が先行して、人生の喜びや未来への期待は次第に失われてきています。
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この本は、言わずと知れた漫画の神様、手塚治虫自らが書いた貴重な本だ。
彼の漫画に対する想いや「手塚治虫」の人物像、そして、いかにして「漫画の神様」と呼ばれるまでになっていったのか…。そのようなことが幼少期から漫画家になるまでのことなどが、この一冊にまとまっている。
子供の頃の親友や妹、借金まみれになったときに救ってくれた人物などが、彼との思い出を振り返る文を寄稿している。
この本を読んで、手塚治虫の描く漫画に一体どのようなメッセージがあるのかを考えながら読むと真意が見えてくるのかもしれない。文章も形に沿った堅苦しいものではなく、どこか温かい雰囲気があり読みやすいと思う。彼の漫画は大人向けのものから子供向けのものまで、多種多様なテイストに見えるが、根本的なテーマは一貫しているのだと改めてわかった。
作中で、私が彼の残した言葉で印象に残った言葉を紹介しよう。「大きくなってからは、少なくとも二つの希望を持ち、二つのことをつづけること」という言葉だ。
意味は、たとえ二つのうちの一つが挫折することになっても、もう一つの希望は残るからだ。生きていたら、人生の選択をするときがかならずある。そのときに選べるものがあることは、ほんとうに幸せなのだと、手塚治虫は語る。
なぜ印象に残ったのか。それは、私が高校生の頃、現代文という授業を教えていた教師も「本当の自由は人生において選択肢があることで、幸福なことなのだ」と、今でも覚えている言葉を、本作を読み再び出会ったこの言葉の真意を考えさせられたからである。 (160116 花のミル)
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尋常ならざる努力の人で、また本人はそれを努力と思っていなかったことがよくわかる。
弟の漫画に落書きをしてダメにしたエピソードなど嫉妬狂いの面もあって、しかしそれが突き動かす原動力にもなってたんだと思う
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1997年刊行。1986~88年頃の手塚氏の講演録を集成したもの。◆晩年に近いからか(手塚氏の没年は89年2月)、あるいは講演の演目・聴衆が理由なのかもしれないが、やや建前論に終始している感はある。が、彼の善の部分と理解すれば、それ程不自然ではない。戦中世代からの真摯なメッセージと受け取れば、自然と頭がさがってくる書である。
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バイブルに近い
心と心がぴたっと張り付くような感覚に
気があうとも、波長があうともいう
生きていたら一目会いたいな
命のあっけなさや、その尊厳、疑う気持ちや世界の小さなエピソードを大切に扱う態度
肩書きを嫌うところ
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マンガを読み聞かせてくれた手塚先生の母。共に昆虫蒐集に励んだ友人。当時はまだ主流ではなかった作文教育。そして、戦争。そうした豊かで、時に強烈な経験が先生のマンガの原点にあるのだと思った。
本書を通して綴られるのは先生のテーマである「生命の尊重」。