投稿元:
レビューを見る
映画化されています。
映画を先に観た人は、漫画に違和感を覚える。
漫画を先に観た人は、映画を楽しめない(これは漫画の実写化において他作品でもよくある話ですが)。
そんな感じ。
かく言う私は、
映画を観て漫画であるこの原作を知り、購入しました。
映画は好きですが、漫画は…。
その大きな理由は、映画は季節感と情緒漂う背景の映像込みで好きだったことと、吉田さんの画が個人的に好みではないからです。
古めかしい画です。それはそれで一つの味があって良いのですが、読みすすめていくと、時々登場人物の変に輪郭のひん曲がったコマがあり、そこばかりが気になって一気に萎えてしまいました。残念…。
映画を観たからこそ読んでみようと思った漫画で、映画を観ていなければ手にとることは、まずありません。
蛇足ですが、
漫画【ラヴァーズ・キス】で
一番お気に入りな部分は、
緑基調&江ノ電の
落ち着きを感じさせる表紙です(-_-;)
投稿元:
レビューを見る
鎌倉の県立高校を舞台に繰り広げられる男女六人の恋愛模様。
初読の感想としては、登場人物皆スペック高すぎだし、主要人物六人中四人が同性に対して思慕の情を抱いてるしで、ちょっと入り込めない感じがあったのだが、読み進めてゆくうちに、内面描写の丁寧さと構成の巧みさにすっかりやられてしまった。
まず内面描写だが、もはや吉田秋生さんのそれは職人芸の域だ。本当に10代後半から20歳前後の内面の揺れを、モノローグを駆使して見事に浮かび上がらせる。揺れ動き、刻々と変化する思春期の内面の模様を、まるでマーブリングでもするかのように掬い取る、とでも言おうか。
そして、何よりもこの作品を傑作たらしめているのは、視点人物を各話毎に変えていくことで、一つ一つの恋愛上の事件の多面性を暴く構成力の高さである。他にもこうした構成を持つ作品はあるが、ここまでの精度でそれを行った作品はそうそうないだろう。
同作者の「海街diary」もあわせてどうぞ。
投稿元:
レビューを見る
題名のわきにこそっと、
boy meets girl
boy meets boy
girl meets girl
ってありますね。
そういう感じ。
*
じつに好きですが。
思っていた以上に素直な少女マンガ過ぎて不満もあったりする。
重けりゃ良いってのも良くない趣味だと思うけど。
重たい秘密を抱えた王子様を取り巻くらぶすとーり、で説明が済んでしまうのはな。
「心理描写が精緻」みたいな褒め方をすれば良いのかもしれないけど。
BANANA FISHなんかと比べても、ストーリーが短いせいか秘密とか過去とかに預けてしまっている感がある。
*
にしても、よほど鎌倉好きなんでしょうね、このひと。
嬉しい限りです。
が、わりと古めの「湘南」のイメージって印象も受けたりする。
暴走族とか、海沿いのラブホテルとか。
サーファー多いのはいまもだけど。
ちょっと解らないのは、「浜にいた」の意味は「横浜」だろうか、「海岸」だろうか・・・?
多分「海岸」の意味で使っているのだろうけど。
真夏で海の家が出ている時期でない限り、浜で、もしくは134号線沿いでどんちゃんさわぎ、なんてなかなかないと思うのだけどな・・・
(それは私が高校から東京に離れてしまったからで、
鎌高とか七里とか大船とかいってたらあり得たのか・・・?おおいに疑問。)
投稿元:
レビューを見る
少女マンガから、すっかり離れてしまった私が
唯一、愛する少女マンガかと。
ちょっと内容はアレがアレで・・・アレ??(笑)
投稿元:
レビューを見る
海街diaryへと続くこの作品。鎌倉を舞台にした、男女の恋愛や進む道を描いています。焦燥感や憂鬱な展開が多いですが、要所で吉田先生の楽しいコメディも含まれており、丁度いいバランスになっています。
投稿元:
レビューを見る
みんな傷ついてる、けどすごく優しい話だと思う。
視点が変わって展開していく構成が上手すぎる・・・!
好きだなあ・・・
投稿元:
レビューを見る
BANAN FISHの作者による、
鎌倉・湘南を舞台にした高校生達の恋愛ストーリー。
鎌倉の風景と海街の人たちの日常が、ストーリーと絶妙にからみあって切ない。
この作中の藤井朋章は「海街diary」にも登場する。
二作の時間が微妙に重なり合うのを比べて楽しむのもお勧め。
投稿元:
レビューを見る
「出会ってしまった」6人のそれぞれの想いを描いた連作短編集。
ひとつの季節を、6人それぞれの視点から描き、全ての話がひとつの終結(始点でもある)に繋がっていくので、最初から最後まで通して読むと、また最初から読み返したくなる作品。
男女の恋愛、女子同士、男子同士の報われない切ない恋愛。家族関係、姉妹関係の問題。
美樹さんの
「あたしはあたしの家族が好きだよ でもだからってずっとあそこにいたいとは思わない
家族だからたまらないこともあるんだよ」
という重い、重い一言。
きっと皆が心のどこかで思っていても、口に出さないようなことを、さらっと書いてしまうところが、作家の才能を感じさせます。
「あたし、彼女に出会ってしまった」
そう言った美樹さんの横顔はとても美しい。
「あの人に、会ってしまった」
そういうふうに言えるほどの出会いを経験したことがある人は、幸福なんじゃないか、と思わせてくれる。
たとえその出会いが、報われても、報われなかったとしても。
きっと皆、経験を積むに連れ、色々な人を忘れていくんだろうけれど、「出会ってしまった」と感じる人のことは、きっとずっと忘れないんだろう、と思う。
「櫻の園」は永遠の乙女の聖書ですが、「ラヴァーズ・キス」は、もう少しほろ苦い、少し大人向けの青春漫画です。
投稿元:
レビューを見る
ものすごく大好きな作品。
boy meets girl、boy meets boy、girl meets girl。
同じ時間を別の視点から切り取ることにより、複雑な心の綾を描いてる。
せつなさだけが心を磨くなぁ、としみじみした。
投稿元:
レビューを見る
江ノ島あたりに住んでる6人の高校生の物語。
恋愛あり、ホモありレズありの泥沼っぽいけど意外とあっさりな印象。
投稿元:
レビューを見る
色んな形の恋があって、それを普遍的に、しかも瑞々しさを忘れずに描ける吉田秋生はすごい!と思った。
繊細な年頃の繊細な気持ちを、丁寧にみせてもらった。
投稿元:
レビューを見る
ようやく『海街diary』を読もうと思って、なんならリンクしているというこちらの本も読んでおこうと思って購入。
吉田秋生は『桜の園』しか読んだことがなかったけれど、やっぱり思春期の女子の心情のゆれを描くのが上手いなあという印象。
それにしても藤井くんの抱えている闇の部分が重すぎて重すぎて、そんなに重い必要があるのかという気もしたし、それにしては藤井くんがあまりにも大人な印象があったが、彼がこれからも生きていくために街から出て行くことや、周囲の大人たちの生き方を見ていたら考え直した。
この世界で生きていたら、彼はあんなふうに育つかもしれない。
女子団はもう一言で表せるような、表せないような思春期というには大人に近づいてしまっている感じがよく出ていてよかった。
完全なおとなの身体と未熟で素直な心のずれが、よーくでていてとても好き。
特に里伽子の小さい頃から染み付いてしまった生き方と、素直に自分をぶつけられる対象(藤井くん)が現れてしまったときの変化を他者の目から表現するとか、美樹さんが本音を吐露してから、えりちゃんと一枚のタオルをかぶって並んで座っているところとか、「何を使って」心情を描写するかという、その「何」を選ぶ吉田秋生のセンスがすごく好き。
他者との境界が曖昧だった子供の頃には分からない、だけどおとなになると、自分がすでに多くの秘密を抱えていて、他者はどうしようもなく他者であることを知る。
ひとりは心細くて、だから誰かと共有したいと思うのに、自分が他者に与えているイメージや相手の秘密の前に立ち尽くすばかりで、上手くいかない。
また秘密を告白して、共有しても、結局ひとりきりだという場合もある。
本書を読んで、そんなことが改めて感じさせられ、元気に生きてるってほんとちょっとした奇跡だなーなどと、何気ない毎日をもっと大事に生きようと思ったりした。
あと緒方と高尾はもうこれからどんどんしあわせになればいいよ!
投稿元:
レビューを見る
前に読んだ『海街diary』の少し前って設定らしい。途中まではそれなりに面白かったのに、最後は変態だらけの話に…。気持ち悪いぞ。
投稿元:
レビューを見る
吉田秋生の最高傑作と言う気がします。 萩尾ファンの私ですが、萩尾センセーは恋愛モノが あまりお得意じゃないし、小説、漫画問わずとも ここまで女々しくなくでも繊細に、美しい恋愛を 描いたものはないんじゃないかとすら思います。 何かこう、しめつけられますよね。2011年5月25日
再読2014年8月13日
投稿元:
レビューを見る
タイトルがいい。「LOVERS' KISS」。読み終えてこれ以上のタイトルは無いなぁ、と気が付かされる。素晴らしいと思います。