紙の本
くまのにおいって、どんなにおい?
2000/10/25 15:25
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投稿者:かいかい - この投稿者のレビュー一覧を見る
森のおくにひとりぐらしのくまがいました。森の動物たちは、何か困ったことや悲しいことがあると、くまのところへ出かけます。くまの胸に顔をうずめ、話をしているうちに、みんな不思議と気持ちが落ち着きます。どうもくまのにおいが関係しているらしい。みんな口をそろえて「くまって、いいにおい」と言うのですから。
とはいえ、くまはちょっと困りぎみ。どうして自分ばかり頼りにされるんだろう。ぼくだって元気がない時があるのにな。いっそ、においなんかしなけりゃいいのに。
ある朝早く、くまの家にきつねが訪ねてきました。においを消すクスリ「ニオイキエール」を発明したというのです。くまは喜んでクスリを飲みますが、きつねの本当の目的は、人気者のくまのにおいをなくして、発明家の自分に注目してもらうことでした。くまのにおいは消えますが、元気もなくなってしまいます。いったい、くまはどうなってしまうのでしょうか……。
くまのにおいって、どんなにおいなんだろう。動物たちはみんなで言い合いますが、それを読んでいる限りでは、どうってことない気がしてしまいます。きっと、安心できる人の胸にうずめた時に感じるにおいと、同じなのではないのでしょうか。誰でも時には甘えたいもの。甘えられてばかりでは疲れます。でも、いつも子どもにべたべたと甘えられてしまう母でも、子どもたちのにおいをかいで、「子どもっていいにおい」と逆にうっとりしてしまう時があります。
『きつねのスケート』のきつねよりはやさしそうな顔をしていますが、こちらのきつねも結構わがまま。でも、いいところもたくさんあって、にくめないヤツです。
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森の奥にいいにおいのくまが住んでいました。森の動物たちは、悲しいことやこまったことがあるたび、くまに悩みを打ち明け、くまのにおいをかぐと、ふしぎと気持ちがおちつきます。でもくまは、みんなの悩みを聞いてばかりでつかれてきました。すると発明家のきつねが「においを消す薬」をくれて…。
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湯本さんの作品。やはり一筋縄じゃ済ませない。ハッピィでもバッドでも無いんだけど、頼られる喜び、疲れ、その両方の感情が一つの心に同居することを描いている。
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いいにおいのクマの話。
クマが、いいにおいが消えてほしい、というので、
キツネがにおいが消える薬を作ってクマに飲ませたらクマが病気になってしまって、キツネが看病します。
キツネは、薬作るのは下手だけど、看病は上手でした。
最後、森のみんなと仲良くなれたところが良かったです。
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くまに相談すると、悩みが消えていく。
くまの胸の中で泣くと、心が落ち着く。
くまのにおいをかぐと、心が癒されていく。
森のみんなは毎日、好きなときにくまの家にやってきて、泣いたり愚痴をこぼしたり。それで心がすっきり!みんな幸せ!
でも、くまは?くまは幸せでしょうか。
心が疲れてしまったくまと、くまの人気を自分に向けようとする不器用なきつねの、心あたたまるお話。
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星がもう一つあったら、6にしたい。
きつねはかせが、くまのかん病をしてあげたところが、一番心に残った。
最初、きつねはくまにやきもちを焼いて薬をあげたのに、と中からは反省してやさしくなったのが、よかった。
ぼくは、このお話の中なら、きつねににていると思う。ひどいことをしちゃって、後から反省するところがにている。直したいな。
ぼくにとってのくまは、お母さん。いいにおい。(小4)
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タイトルがあまりに可愛いので、迷わず手に取った。見慣れた図書室の棚なのに、今までちっとも目に留まらなかった。
ささやかで控えめな本なのです。
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すてきなタイトル。これだけで読みたくなるもんね。みんなにいつでも頼りにされるクマ。でも自分だって優しくされたい。わかるわかるその感じ。みんなが「いいにおい」と頼ってくる自分のこのにおいをなくしてしまおうと考えるくま。すごいこと考えるな。大事なものは失って初めて気づくことがある。なんでも受け入れることが優しさじゃない。一方通行じゃなくてお互いひとりとひとりで対等に。
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2.3年から。文章がとても読みやすい。言いたいことはこの年齢的にピンとくるかは分からないけど、お母さんっていいにおい♪に近い。くまや周りのお互いを思いやる距離感も大事なこと。
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ブックトーク”友情”で、小学校中学年に紹介:
いいにおいがするくまさんは、森の人気もの。キツネはくまに焼きもちを焼いた。「くまのにおいがしなくなったら、みんなくまより僕が好きになるかな。」
キツネはニオイキエールという薬を作って、くまに飲ませたよ。
においがしなくなったくま。さて、くまは、キツネは、くまのにおいが大好きな周りのみんなは、どうなったかな。