紙の本
科学、信じてる?
2001/09/10 20:03
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投稿者:道成寺 新 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サイエンスライターの著者が、科学のありかたについて、サイエンティストとのインタビューと彼の辛口の切り口で書いている。
問題意識は、科学は大体のことは発見しちゃって、もうあんまりすることがなんじゃないの? ということ。つまり、もう科学はいらないんじゃない、ということ。
科学のことを知らなくても、そのつど丁寧に説明してあるから分からないこともないし、でてくる科学者たちも個性的で面白い。
かつ、興味をもったら、豊富な注がついているので、それをたどって、また別の本を読んでいくのも面白い。
世界の見方が変わります。
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ジャーナリスティックな読み物としては悪くないでしょうね。第2章でのポパー、クーン、ファイヤアーベントのインタヴューだけでも読む価値はあると思います。
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理系本というより、著者の放浪記みたい。しっかりと自分の考えを持っていて、簡単に諂ったり引いたりせず、確実に科学者の核心を突く著者の姿勢は流石。
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科学が隆盛を極めている今、解き明かすべき分野は加速度的になくなっていき、実際には科学は終焉を迎えるのではないか? という疑問をジョン・ホーガンが当代一流の科学者たちにインタビューするという内容。
とにかく、ここに出てくる科学者は超一流の人々で、ペンロース、クリック、ホーキング、ファイヤーアーベント、フランシス・フクヤマなどなど、科学を囓っていればビックリするほどの面々が登場する。特に「科学史の終焉」の章で出てきたファイヤーアーベントや、「脳科学の終焉」で出てきたクリックなどは、1000年経っても歴史に残る人間なだけに、その話を読むだけで楽しい。
科学について良く知らなくても、楽しく読むことができると思う。
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物凄く刺激的な本だけれど、読むのに4ヶ月かかった。超ひも理論はタイプI・IIA・IIB・ヘテロSO(32)・ヘテロE8×E8そしてM理論へと色々分岐(統合?)している話はこれまで何冊かの本で読んだ事があるけれど、ある程度「科学」はそれなりにストレートな道筋を進んでいるんだろうと思っていたが、ノーベル賞受賞科学者やそれに準じるトップクラスのありとあらゆる分野の専門家が次々にインタビューされる本書を読んで、ここまで根本的に意見が分かれているものだったのかと驚かされました。その中には本書ではかなりの「異端」理論として登場する原理の最も有名な支持者は(去年恐らく私が一番読んだ作家である)オリバー・サックスであろうなんて出てきたり、スティーブン・ホーキングはある路線ではこういう風に異端者であるとか、統一理論(万物理論)に関する解釈がそれぞれの識者の間でここまで異なる事や、(へぇ〜これが現代科学の最先端なんだぁと素朴にこれまで読んでいた)超ひも理論に対する大量の科学者達の歯に衣着せぬ意見の数々に、自分が今まで読んできたあらゆるタイプのものが科学の世界の王道というより、それぞれの別個のイズムと言える程別々の世界であることが認識出来てとても面白かったです。本書が刊行されて約25年、本書からすれば未来人という特別ズルい方法で、とりあえず現時点では私達はジョン・ホーガンの認識が的を外していないことを確認出来ている。とはいえやはり、改めて科学は面白い。