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読み進めたところで場面が急展開を迎えたり、ばっさり終わったり、著者が作るコラージュ・ミュージックのような皮肉めいたユーモアが感じ取れた。
モデルがいるらしい"つとむ"や、マリ&フィフィなどの人物が作品をまたがって登場するが、伏線関係なく一話完結の悪夢が日記のように続く。現実離れした不条理でブラックユーモアの溢れる文章だが、途端に現実的になって目が覚めると物語を読み終えていている。
場面の前後を見失いながら読み進めてしまう中毒性がある。
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最新作の『パートタイム・デスライフ』が面白かったので、ずっと昔に読んだのを読み返してみた。するとすっかり内容を忘れていて楽しく読めたのだけど、読んだ先から忘れてしまい、読んだばかりなのにさっぱり思い出せない。『パートタイム・デスライフ』のこともあまり覚えておらず、どちらも面白かったと感じた記憶だけがある。
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革命的な小説ではないかなと思う。現代文学の奇才中原昌也の短編集だ。一つ一つの短編が暴力的なほど短く、内容も支離滅裂だ。だけれども、この本がもつブラックユーモアの魅力が原因か、何度でも読み返したくなる。
カットアップのように前衛的な手法を用いているように思える。それぞれの短編は、ヌーヴォーロマンの小説のように、イメージが繋がっていくことで進行する。だから、全体のあらすじから見ると支離滅裂だが、イメージが連鎖する流れを読んでいくのは楽しい。つとむというキャラが誕生しているが、短編間も繋がりがあるのかどうかよく分からない。