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ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言 みんなのレビュー
- スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ (著), 三浦 みどり (訳)
- 税込価格:2,200円(20pt)
- 出版社:群像社
- 発行年月:2000.11
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紙の本
「新体制」の人々は不在な本
2022/03/18 19:00
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
某マニア向けの本で「騎士十字章に輝く英雄」に仕立て上げたいからか、空疎な「英雄譚」を掲載していたクルト・フォン・ゴットベルクSS大将はパルチザンに殺されたヴィルヘルム・クーべの後任として赴任したのはベラルーシだ。こういう創作が成り立つほど、ドイツ軍占領下の3年間は知られていないわけだ。キエフ郊外のバービー・ヤールにしても言及されるとしたら、エフトゥシェンコが詩を書いたショスタコーヴィチの作品ぐらいか?
しかし、この本でもドイツ軍を歓迎し、ドイツ軍が言うところの「新体制」を受容した人々は見えてこない。ソ連時代の教師が正反対な事を授業で教えている記述があるが、共産主義時代は学校の教育をイデオロギーの対象としていたから、ドイツ軍占領下で学校で教えていた教師は赤軍がやって来ると「裏切り者」としてラーゲリに送られたと「収容所群島」にあるが、ベラルーシだと3年間、教育に空白が出来てしまう。中国で言えば東北では約14年、関内では最高8年だ。あと、ドイツ軍の手先と忌み嫌われていた警官と通訳が出てくる程度。ソ連時代に出た本だから「新体制」に言及するのは極力避けたいだろうが、本来なら「新体制」の人々の証言を取り入れないとドイツ軍占領下の時代が絶対的悪のドイツ軍とその手先に対して被害者となった人々と英雄的なパルチザンか赤軍兵士という善悪二元論になってしまう。
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