紙の本
クトゥルー初心者にも玄人にも
2003/01/29 16:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんだぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて同じタイトルのハードカバーが出版され、その際にはひどく感激したものである。当時は今ほどホラーは市民権を得ておらず、「クトゥルー、何それ?」といった扱いを受けたものだ。それだけにこのような事典が出たというのは、奇跡のように思えたものだ。
さて、こちらは内容も刷新されてデータも増え、さらに入手しやすいよう、文庫版になっている。勿論、出版予告の時からわくわくして待ち、発売されるやいなや迷わず購入した。
読んで感心した。
マニアにも納得できる内容でありながら、初心者や入門者にとっても使いやすい、分かりやすい丁寧な作りになっていたからである。
年表や作家録、作品紹介に単語辞典……まさにいたれりつくせりである。
ただ、一つ残念なのは内容紹介の部分。作品を未読の人間が読めば、ともすれば「ネタばれ」になってしまう危険が。よほど注意して読まねばならない。
とはいえ、最近は分厚い国産クトゥルー・アンソロジー「秘神界」なども出版され、ますますクトゥルーが一般に広まっていく(と願いたい)可能性が高く、そういった意味からも、ぜひこの事典を強く推薦したい。
クトゥルーに興味のある人も、「クトゥルーって何?」という人も。一度は手に取り、その独特の世界観を味わってほしい。
そして、是非とも闇の素晴らしさを、根元的な恐怖を、形容しがたい存在を、身近に感じて欲しい。
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ラヴクラフトの創作神話大系として有名な「クトゥルー神話」の辞典。現在では沢山の作家がラヴクラフトの作った設定を基に小説を創作し、どんどん新しい設定や単語が増えているようです。この本はそれらをまとめたもの。前半が用語集(辞典)で、後半がクトゥルー神話を扱った小説などの紹介になっています。
それぞれの項目の説明は少ないので。ちょっと物足りない感じはするかも。恐らく、項目によってはネットで調べたほうが情報が入ります。
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そのまんま辞典です。
クトゥルフに登場する神々や地域の名前が引けたり、作家、作品名でも検索できる本。
クトゥルフの基本はこの本で完璧に。
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TRPGクトゥルーに欠かせない一冊。基本をここで調べて深いところはネットの海で、という風に使うのが良い。
でも少し読み辛い気がする。第三版はちょっとは違うのだろうか。
10年近く前に出たハードカバー事典の文庫版だが、持ち歩くのには最適。
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どっちかというと、「夢の国」シリーズの方が好きかも。
「神話」の方は、怪獣大戦争なイメージです。
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書名のとおり、クトゥルー神話に関連した用語の辞典。用語だけでなく作品・作家名鑑、年表なども掲載されているので、とりあえずクトゥルーを網羅した一冊としては、持っていて損は無いかと。
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タイトル通り「クトゥルー神話」に関する事典。
用語、作品年譜、そして作家名鑑と分かれており、大概の事項は(出版当時までのことなら)掲載されているんでないかと。
事典というより副読本、か。
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ラヴクラフトという作家が創作し、築き上げた一大神話体系であるクトゥルー神話の登場人物や神々、それらが登場する作品やその著者などについてまとめられた、まさに「事典」。
クトゥルー神話は、一般的に知られている他の神話と異なり、ここ100年ぐらいで一気に形作られ、創造者であるラヴクラフト以外の作家によっても肉付けされていった神話体系であり、基本的には邪神によるホラー世界が主軸になってますが、よくこんな設定を思いつくなぁと感心しながら読みました。
ギリシャ神話や北欧神話のような、もはや厳然と存在している世界各地の神話も、創生期はこんな感じの混沌とした物語の群れだったのかもしれません。その頃と異なるのは、世界中の人が同じ神話にアクセスでき、それぞれの感性で新たに神話を生み出し、それを世界中の人に発信できる、ということ。
その点、これまでとはまったく別の成り立ち方で今まさに組み上げられている「神話」というものについて知ることができる、面白い素材かもしれません。