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著者:ファインマン 訳:大貫晶子
今読み終わりました。
「ファインマン最期の授業」や
「物理法則はいかにして発見されたか」
などを読んで、ファインマンがいかなる人か
ということが少しはわかったように思っていたけど、
この本を読んであらためて
その偉大さに感動しました。
子供の頃のはなしものっていて、
そこには世界に誇る科学者になるきっかけを作った
最高の父がでてくる。
物事の真髄を突き止めようとする姿勢は父によってもたらされたものだろう。
このご時世、情報はいやでも入ってくる。
ニュートンなどといった科学雑誌は、
幼くても内容がある程度わかるように書かれている。
しかし、情報が増えるにつれ、
疑うということをしなくなっているのも確かだ。
ファインマンには権威などというものは通用しない。
誰が言ったことにせよ、
自分で確かめるまで飲み込まない。
そしてなんといっても、
それが毒物(事実をきちんと記述していない)と
わかればいつでも吐き出す姿勢を崩さない。
この本の最後にもかかれてたけど
こういった姿勢が大事なんだと思う。
お母さんのことについてはあんまりかかれていないけど、
最高の賛辞があった。
「すばらしいユーモアのセンスの持ち主だったおふくろから、僕は人間の精神の到達できる最高の形という者は、笑と人間愛だということを教えられた。」
「困ります、ファインマンさん」−後編−
後編も読み終えました。
この題名「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
ってのは彼の一見はちゃめちゃで、
いたずらずき、そして自由な発想で、
周りにとらわれない、そんな一面が非常に現れていると思う。
はかにも、
「困ります、ファインマンさん」
の英語の題名
「What do you care what other people think.」
からも彼の人柄がうかがえる。
そんなファインマンの違った一面がうかがわれた。
この本の題名や、困りますの英題の真に意味するところがわかってきたような気がする。
後編の最期の章、
「カーゴ・カルト・サイエンス」
にはファインマンシリーズのなかで
最も真面目な教訓めいたことが書かれている。
科学者たる者、
「科学的良心」をもつべきだと。
自分を欺くことは簡単ではあるが、
科学者たる者、自分に対しても
批判的な態度をとり、
誠実に物事と向き合わなければならない。
当たり前のことのようだけど、
それを実行しているファインマンは
ちょっとかわったようにみえる。
実際こんな当たり前のことを
実行することが難しい。
そんな彼が一生を貫いたスタンスが
「What do you care what other people think.」
に現れていると思う。
いつもは愉快でユーモアあふれるファインマンに
魅了されていたが、
今日は大人なファインマンに魅了されてしまった。
「大人な」という形容詞は間違いかもしれない。
「純心無垢な子供」を貫いたことこそが、
「科学的良心」つまり、
他の何者にも影響されず、
自分との葛藤の、
そして決して自分に対しては妥協を許さない
ファインマンの姿が垣間見られる。
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ファインマン教授の科学に対する飽くなき好奇心が満ちている本。今回はスペースシャトルチャレンジャー号の事故調査委員会にも参加します。2007/10/16
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「What do ou care ... 」本の日本語版。ノーベル賞学者でこれほど人々に愛されるエッセイを書いた人は他にはいないはず。日本語にしてもやはり面白く、この人の魅力に引き込まれてしまう。絵が上手いことにも注目。
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後半のチャレンジャー事故分析に伴う、書類仕事や調査のドタバタ・ドキュメントが非常に興味深かった。アメリカでも別の意味のお役所仕事が色々あると実感。前半は良くできたエッセイ、とまとめたくなってしまう。
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『ご冗談でしょう、ファインマンさん』の続編のように見えるが、おもむきはかなり違う。どちらかと言えば『ご冗談でしょう〜』の方が有名だが、誰かに勧めるとしたら私は断然この『困ります〜』を選ぶ。
『ご冗談でしょう〜』はどちらかと言うとファインマンという人物にまつわるエピソード集だが、『困ります〜』はむしろファインマンの主張を伝えるものになっている。科学とは何か、科学者はいかにするべきか、子供たちに科学をどう教えるべきか、その非常に大切なテーマが書かれているのだ。
科学は大きな力となるが、善悪は教えてくれない。これは私が常々主張してきたことで、まったく同じことをファインマンが言ってくれていたことが嬉しい。一人でも多くの人に読んでもらいたいと心から思う。
なお、まえがきや解説にあるように、『ご冗談でしょう〜』も『困ります〜』もファインマン自身が執筆したわけではなく、同僚の聞き書きによるエピソード集であり、自伝でもない。前著が自伝と誤解されることが多かったため、本書は編集方針を改めたそうだが、私はこちらの方が読みやすくなっていると思う。
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彼に興味が出たのは、共感覚というものを知り、彼の名が挙がっていたから。
これの前に出ている、前・後編の前編がなく、先に読んでみた。NASAの項以来は読み進みが悪く、飛ばし読みだったが、面白かった。
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根本の問題は何か困ったことが起こったとき、何を書きとめたとか、誰が誰に何を報告したかということではない。問題を上役に打ち明けたとき相手が喜んで耳を傾け、「もっと詳しく話をきこうじゃないか」とか「○○はもう試してみたかい?」などというような反応を示すか、それとも「まあ自分で何とかやって見たまえ」というてんで乗り気のしない返事をするかどうかということだ。問題を話し合おう、情報を交換しようと努力しても、1回2回といい加減にあしらわれたのでは、「勝手にしやがれ」という気持ちになるのも当たり前のことだ。
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タイトルが大好き。最後まで読んでいないけど、さわやかでかっこいい。奥さんアーリーンとのエピソードなどなど。「ご冗談でしょう…」も読もう。
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ロケットの事故調査に関する話がメイン。他にはじめの奥様に関するエピソードもあったりと、前作「ご冗談でしょう」を読んだ後にも楽しめる内容!
個人的にはファインマン先生が日本を気に入った話がよかったです。やっぱりうれしいね!
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この本の半分を占めるスペースシャトル・チャレンジャーの事故調査委員として活動した顛末がとても面白い。クティナ大将も地味にカッコいいぞ。
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チャレンジャー号のエピソードは何度も読み返しました。
どんな分野であれ、一道を極めた人間はとてつもない慧眼を備えるのです。
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ファインマンさん博士が、チャレンジャー号の事故調査委員だった頃の話は、サスペンス映画を見ているようなわくわく感でした。何にでも興味を持ち、疑問を持ち、それに向かっていく姿勢の大切さを、痛感させてくれる良書です。
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物理学者リチャード・ファインマンさんの話を聞きとりしてまとめた本の第2弾。まとめ方がうますぎて前作は自伝との誤解が大きかったためか丁寧なまえがきがついていました。妻アーリーンの話、父親の話がとても印象深かったです。
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チャレンジャー号事故爆発事故調査委員会での行動記録が秀逸だ。
事実を解明する真摯な姿勢は、けして、科学者だけに必要な資質ではなく、およそ人として働く者すべてが備えるべき倫理だと思う。
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ファインマンさんの個人的な話も親近感がもてて楽しく読めた。
あのNASAのでさえ、組織としてはまともに機能してなかったのにいは驚いた。あれだけの資金と人命をかけて作られたスペースシャトルが納期を守ろうとした為にあまりにも単純な問題で爆発してしまう・・・。
納期を守ることは重要だがそれにこだわり過ぎるのもよくないという教訓になったのではないかと・・・
まぁそんなに単純な問題ではないと思うけど・・・