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人間の欲望って気持ち悪いなぁ〜とこれを読んだ高校時代、思ったのだけ覚えてます。谷崎は合わないみたい(笑)
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「刺青」にしようか、これにしようか迷って、文庫なのに装丁と挿画が良いこちらで。(今も同じ装丁なのかな?)あるひとところや、あるひとつのものを言葉の限りを尽くして描く描写が、言葉から生まれる想像力を最大限に引き出す。
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ハァー!!谷崎さまはなんて素晴らしいんだろう。文章、構成、物語…。どれをとっても完璧だ。描写にとにかくぞぞぞっとくる。勝手なイメージなんですが谷崎潤一郎はとがった水晶って感じがします(ちなみに夏目漱石は柔和なピンクオパール。どうでもいいですね)。透き通ってて美しいのに鋭さを兼ね備えてる。とにかく心酔した。挿絵も最高。なんだこれ。
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いかめしい表記と繊細かつ孤高の文体でつづられるファンタジー。
古めかしさが、かえって新鮮で斬新。
そこここにはさまれる挿絵も官能的で美しい。
2作品ともとても短いので、つれづれにさらっと読める好作品。
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美しいもののために、すべてをなげうつ妖しい世界。大人のためのちょっと怖い童話……というか、まあ、これは子供のためにはなりませんから童話ではないよね(笑)
注釈がないので、意味の分からない言葉が結構多いのが大変かも。レトロな挿絵がいっぱいでステキ。
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此れも、谷崎の探偵小説ですね。探偵と云うよりは、幻想小説的要素が強い作品の様に思われます。個人的には、人魚の嘆きよりは、魔術師の方が好きです。魔法の力で、人間を様々なものに変える事が出来る魔術師。私だったら何になりたいだろうと考えてしまいます。作中に挿入されている挿絵もいい味を出しています。
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「さああなた、これから私たちは試しに行くのです。二人の恋と、魔術使の術と、孰方が強いか試してやりましょう。私はちっとも恐くはありません。私は自分を堅く堅く信じていますから。」
0517-0519
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むかしむかし、まだ愛親覚羅氏の王朝が、六月の牡丹のように栄え耀いていた時分―南京の貴公子の美しき人魚への讃嘆。
また魔術師に魅せられて半羊神と化す妖しい世界―
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やはり美文。
数ページごとに有る挿絵も雰囲気を醸しています。
『人魚の嘆き』を読後、予想以上にロマンチックだったな〜と多少がっかりでしたが、
ラストでぶった切られてこちらも途方に暮れてしまう『魔術師』には満足です。
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現代の日本語への過渡期に書かれた谷崎潤一郎の大正時代の耽美小説。息遣いが現代文でありながら理解不能な死語が羅列されており、読み進めるうち幻の人魚を求めて没落してゆく権力者達の姿と同一化されてしまう読書体験がおもしろいです。
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あらすじだけ言えばどうってことないものかもしれないけれど、文章が巧い
なぁと久々にうなってしまいました。
直前に、某小説誌でとんでもない日本語な文章の小説を読んだせいもあるけれどね…。せめて小説の中(いわゆる純文学と言われる人の作品)くらい、日常の猥雑さを忘れるような丁寧な文章で書いてほしいと思ってしまいました。
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マゾヒズムを秘めながらも、
ちゃっかりと人を見下したような文章にとても好感が持てます。
日常の猥雑な雰囲気、そして非日常的な幻想が現代にも根強く印象に残る作品のような気がしました。
(2010.01.28)
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「人魚」というのはとても心惹かれる題材です。
ただこの人の白人崇拝、女性由来の美しさばかりを至高とする感性は受け入れがたいです。
あとこの作品に限りませんが、女性美を崇拝しながら同時に女性を見下している所が妙に鼻につきます。
時代的に仕方ないのかもしれませんが。
解説は『虚無への供物』の中井英夫さん。
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美と恍惚、それと退廃。50pほどのお話が2編だけのちっちゃな本です。
お話がシンプルなせいか、ディープなんだけどどこか童話的な雰囲気。
古い小説だけあってか読み慣れない言葉が満載で文章としては取っつきにくいんだけど、雰囲気だけで情景が読めちゃうのでそれでも楽しめます。
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ビアズリーに似た雰囲気の挿絵が多く入った幻想小説。
収められた二篇はどちらも伝説めいた幻想的な話だったが、どちらかというと「魔術師」が好み。
谷崎の文章はやっぱり艶やかで美しい。毒気も少ないし、文章の美しさにゆったり酔えた。
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話の内容よりも文体の美しさを鑑賞する本。
挿絵がまた素敵です。
この人は本当、女性の美を書き出したら止まらないですね。
11.05.10
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谷崎の作品で、これ程に情景と色彩を意識した作品は無いだろう。
文学と云うよりも絵画と云う芸術に等しい、オスカー・ワイルドの"サロメ"(或いは"ドリアン・グレイの肖像")を想わせる箇も屡々見られる劇的な作品である。
表紙絵・挿絵の水島氏の作品も、"サロメ"にあるビアズリーの作品の雰囲気を意識した、日本特有であって、幻想的・異端な美の描写が何とも云えず文面を誇張する。
"人魚の嘆き"では、憂う情や退屈の苦痛さえも情景として色彩と変える様で、此処では特に水島氏の作品が活きている。
美麗で繊細な描写に絶句する。
"魔術師"も又、感情よりも情景を意識した作品であるが、これはまた別の悲劇を映している様に感じた。
最上の美を有った者こそ真の孤独者であるのだろう。妖艶たるは即ち孤高である。幻惑させ得る魔術師は現実から隔絶され、最も哀れな存在であろう。
対照的な"女"は最後に醜悪な姿に変えられるが、其れは誰かを愛し愛される事の出来る女への魔術師の嫉みでもあり、羨望でもある様に感じた。
対極の存在を魔術を以て、美と醜と云う両極に、虚と愛の両極に、容貌でさえも変えて仕舞う。酷く悲しい噺。
全体の作品としては、矢張り小説としての評価は低い様に想う。
芸術としては魅力のある物で、評価は4にしておく。