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詳細目次
2001/05/18 16:02
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投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【詳細目次】
まえがき i
謝辞 xv
第1章:病気の神秘 1
二種類の原因
病気の原因
本書で述べていないこと
第2章:自然淘汰による進化 17
自然淘汰は集団ではなく遺伝子に有利に働く
血縁淘汰
自然淘汰はどのように働くか
進化的仮説の検証
適応論的アプローチ
第3章:感染症の徴候と症状 39
感染に対する防御としての発熱
鉄分の抑制
戦略と対抗戦略
衛生
皮膚
疼痛と倦怠感
強制排出にもとづく防御
侵入者を攻撃するメカニズム
損傷と修復
病原体による宿主の防御のくぐり抜け
宿主の防御への攻撃
病原体がもっているその他の適応
病気への機能的なアプローチ
第4章:終わりなき軍拡競争 75
過去の進化 対 現在の進化
抗生物質への細菌の抵抗性
毒性の短期的な進化
免疫反応の利益と損失
ますます複雑になる偽装
新しい環境要因
第5章:ケガ 99
ケガの回避
一般化された学習と理解
ケガの修復
やけどと凍傷
放射線
からだの部分の再生
第6章:毒素−新,旧,いたるところ 117
自然の毒素と自然でない毒素
自然の毒素に対する防御
新種の毒素
突然変異と催奇物質
第7章:遺伝子と病気−欠陥,変わり者,妥協 139
遺伝子がすること
病気の原因となるまれな遺伝子
病気の原因となる一般的な遺伝子
無法者遺伝子
遺伝的気まぐれ−近視その他たくさん
遺伝子を怖がるな
第8章:若さの泉としての老化 165
加齢の神秘
老化とは何か
一頭立ての馬車
なぜ年をとるのか
老化のメカニズム
老化の速度における性差
医学的な意味合い
第9章:進化史の遺産 189
他の機能的な設計の不備
最後の仕上げ
石器時代における死
石器時代の生活
第10章:文明化がもたらした病気 217
現代の食生活の不適切さ
現代の栄養の取り過ぎ
中毒
現代の環境に由来する発達上の問題
現代の環境に由来するその他の病気
結論といくつか奨励したいこと
第11章:アレルギー 239
IgEシステムの不思議
アトピー
もっともやっかいな疑問
第12章:癌 259
問題
解決
癌の予防と治療
女性の生殖器系の癌
第13章:性と繁殖 275
なぜ性があるのか?
男性性と女性性の本質
雄と雌のあいだの葛藤と協力
配偶者の好み
欺瞞的な配偶戦略
繁殖の解剖学と生理学
嫉妬
性的障害
妊娠
出産
幼児期
泣きと疝痛
乳幼児突然死症候群(SIDS)
離乳とその後
第14章:精神障害は病気か? 313
感情
不安
新しい危険
悲しみとうつ病
愛情の欠如
子どもの虐待
精神分裂病
睡眠障害
夢を見ること
精神医学の将来
第15章:医学の進化 353
病気の原因に対する総論
研究
なぜこんなに長くかかったのか?
医学教育
診療においてもつ意味
政策上の意味合い
個人的および哲学的な意味合い
訳者あとがき 377
注 [9-34]
索引 [1-7]
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進化医学の一般向け概説書。訳文に若干硬さは見られるが、この手のものとしては読みやすい。私のような門外漢にとっても興味深く読め進めた。ヒトや動物の行動・心理を進化という切り口から研究なさっている長谷川眞理子・寿一夫妻はほかにもわかりやすくて面白い著書や訳書を一般向けに数多く手がけており、科学にまつわる専門家と一般市民との間のコミュニケーションが乏しいといわれる日本にあっては貴重な存在である。
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病気の神秘
自然淘汰による進化
感染症の徴候と症状
終わりなき軍拡競争
ケガ
毒素―新、旧、いたるところ
遺伝子と病気
進化史の遺産
文明化がもたらした病気
アレルギー
癌
性と繁殖
精神障害は病気か?
医学の進化
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人体の構造・機能は進化の結果つくられてきたわけで、進化は結局その場その場でたまたま適応的だったものが選ばれるにすぎないので、環境が変わるとむしろ病気を引き起こしてしまうかもしれないねという話。
多くの事例が示されています。
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ダーウィン医学ってのは名前からして胡散臭いんだが、新しい分野なのか、ただの妄想なのか、全体的にただよう後出しジャンケン感はすごい。
単純に鵜呑みにするのは危険な気がする。
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はたして人間にとって病気は憎むべき存在なのか? 進化生物学で得られた知見を医学に応用すると‥、ダーウィニアン医学から病気やケガ、老化などを読み解くとどうなるか。遺伝性の病気や感染症ばかりではなく、アレルギー、精神障害、さらには嫉妬や妊娠といった性の問題にまで踏み込んでいる。
――2009/09/30
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進化生物学の見方で「病気」について考えた本。1995年発行なので、少々記載が古い部分が散見されます。乱暴に要約すれば、「病気にもそれが生き残ってきただけの進化論的なロジックがつけられる」っていうハナシ。
大学院で「進化生物学からみた発癌」をネタにした自分の目からは、「研究室で茶飲み話として語った話」の延長に見えるんですけど(既知の話も多かった)、ぼけっと読む分にはまあまあ面白いかと思います。でもどうなんだろ。専門バイアスがかかってるかも。いや、かかってるな。
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迷惑な進化と同じような内容を扱っていて、内容はいいのだが、外人特有の言い回しがうざい。訳者が下手?半分ぐらいでやめた
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何故人は病気になるのか。
風邪をひかず、老いを知らず、子孫に遺伝病を残さない人間は何故生まれないのか。
この単純だが奥深い疑問に対して進化医学という視点からアプローチしたのがこの一冊。
進化医学というだけあって部類としては医学書になるのだが、作者が序章で述べているように、多くの人に理解してもらえるように注意して書かれている。なんとも読みやすい!医学書なんて難しそうと考えている人はまずはその偏見を払拭して読んでみてほしい。
恐らく、日本のような医療の発展した社会においてでも、病気に対する恐怖心をまったく抱いていない人はいないだろう。そして、そのなかの少数しか病気がどのようなメカニズムで発生するのかを知らず、さらにそのなかの少数しか病気が何故存在しているのかを知らない。
つまり思うに、多くの人は病気を“理不尽”なものとしてとらえているのではないだろうか。
そして、本書を読むとそのような認識が一変するに違いない。何故なら、病気が存在する理由がわかるからだ。理由がわかれば病気は理不尽な存在ではなくなる。個人的な感想としては病気がただ恐怖すべき対象ではなくなった。
病気に対する恐怖心を持っているのであれば、是非とも一読してもらいたいと思える良書であった。
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進化医学の知見により、病気や環境への不適応の原因を「人類が進化史の大部分をすごしたサバンナ環境」に求める。老化は一見不利益な進化だが、実は青年期に繁殖力を上げるなどの理由で淘汰上優位であった、などの興味深い指摘。
特に目を引くのが、子どもが野菜を嫌う原因についての記述。”この敏感さの進化的な説明は、石器時代には子どものときにもっとも有毒な植物を避けるのが有利であったということかもしれない”
子どもに「野菜を食え」と説得する場面で、ぜひこのような知識を伝えていきたいものだ。同時に、「現代の野菜は栽培環境により毒性が弱まっていること、また野菜を食べると生物としての人体に(例1)(例2)の利益があること」なども伝えていけば、家庭内でも実りのある議論ができそうだ。
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体の完全さは妥協にもとづいている。
進化も常に妥協していかねばならない。
感染のチャンスが少なくなると、ウイルスの毒性は弱くなるよう進化する。
デザインには、歴史的なものと機能的なものがある。
歴史的に進化したデザインは、賢明な計画のもとにではなく、既にあるものをわずかばかり変更して進んで来た。
女性が魅力的な男性を望む。彼女の子供を繁殖に有利にするためだ。
身体は遺伝子を運ぶ容れものにすぎない。そして、遺伝子は個体の幸福や健康に関心はない。遺伝子が興味を持っているのは繁殖だ。遺伝子は少しでも繁殖に有利になるためなら、少しくらいの不都合には目をつむる。
感情も繁殖や適応に有利になるよう進化してきた。
子供の十人に一人が発達障害を背負っている。発達障害は、遺伝的要因が大きい。発達障害を引き起こす遺伝子が、適応や繁殖、生存に有利に働くから淘汰されずに残されてきたのか?
何かの間違いじゃない?どうかしてる。十人に一人は多すぎる。その十人に一人が、どうして私の母親なんだ。
Q.こんな遺伝子がなぜ遺伝子プールの中に維持されているのだろうか?
A.場合により、または、他の遺伝子との組み合わせにより、そのような遺伝子は、何らかの利益をもたらしているのだろう。
Q.適応度を下げるような遺伝子が、なぜこんなに高い頻度で残っているのだろうか?
A.精神分裂病を引き起こす遺伝子にかかる淘汰は非常に強いので、突然変異と淘汰のバランスだけに依るのならば、その頻度はもっとずっと低くて当然のはずだ。さらに、精神分裂病の頻度が比較的一定していることから、この遺伝子は最近現れたものではなく、何万年にもわたって維持されてきたと示唆される。精神分裂病を起こす遺伝子は、その強度な損失にもかかわらず、何らかの利益をもたらしているに違いない。
愛着理論 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80%E7%90%86%E8%AB%96
遺伝子について、もっと知りたくなった。
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進化医学について包括的に描いてあって、とても面白かったです。
個々の問題について深くというよりは、全体について広く浅く易しくといった本です。
そのため今まで自分が興味がなかった分野など、見識が広まったと思います。
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教授からお借りして読んだ。二度読んだ。とても興味深い内容だった。三周しようと思ったが、流石に教授に返さねばと思い、返した。でも、また読みたい。
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病気について、それはまるでシーソーのように、一面では利益をもたらし、一方では不利益をもたらすことがわかった。
つまり、何かしらの病気にかかったときに、素人判断は一番よくない。
そして何でもかんでも症状をなくしてしまうことがよいことではない。
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たとえ話をたくさん入れてくれてあるので、作者さんがたの意図や説明が分かりやすい。
(ただし自分は脳内変換で『はたらく細胞』のキャラクターになってしまう)