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レーガン・ブッシュ・クリントンそしてブッシュと4代の大統領とパートナーを組み、米国の絶好調の景気を演出した神話の人。シティー・バンクの危機、20歳年下の恋人との遅すぎた結婚、曖昧模糊として意味不明のプロポーズの言葉などが興味深かったです。連邦準備制度理事会(FRB)の米国そして世界経済にとっての重要性、共和党の下で議長となった氏がクリントン政権下で活躍する記載など豊富な取材に基づく迫力に富む実話です。
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ウォーターゲート事件の綿密な取材調査で有名な作者によるドキュメンタリー。
グリーンスパン自身による「波乱の時代」と当然内容が被っているけれど、
アメリカを代表するジャーナリストによる躍動的な筆致は、
翻訳のフィルターを通しても充分に伝わってくるような気がする。
両作品の間でわりと目立つ見解の違いといえば、
パパ・ブッシュ政権への捉え方だろうか。
この作品ではわりと好意的というか同情的というか、
さほど悪い感情は抱いていないように書かれている。
しかし、「波乱の時代」のほうでは、
パパ・ブッシュ政権によるあの手この手の露骨な利下げ圧力に対して、
かなりの嫌悪感と遺憾の意が感じられる。
やはり、順番としてはこちらを先に読んでから、
「波乱の時代」に手を出すのが正しい。
ちなみに翻訳は両者とも山岡・高遠のタッグなので、
続けて読んでも違和感がなくてよい。
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2001年刊。1987年~2006年まで米国連邦準備制度理事会議長の職にあったグリーンスパン氏の議長前半生録。◆彼の政策分析や、政策と経済・金融理論との関係を適示する力量はないので、あくまで印象論として。◇①長期的視点で金融政策を実施することは不可能に近い。政治的圧力や短期的な問題解決を優先する傾向が強い。②G氏はデータや公刊情報、さらには独自ルートでの収集情報を重視する傾向にあり、金融理論から方向性を判断していない。むしろ、金融理論で一義的な決定は不可。③収集すべき情報は政治家、経済人など多岐に亘る。
それゆえ人間関係は重視しており、孤高というイメージはやや的外れ。④指標や中央銀行の意向表明という意味以上には、公定歩合を上下させる価値・意味は乏しい。そもそも意味があるのかな?。⑤とはいえ、情報においてマネーサプライは考慮すべき重要な要素に位置づけられる。
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1987-2006年の連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたグリーンスパン。 ブラックマンデー、メキシコ通貨危機、アジア通貨危機、アメリカ同時多発テロ事件後の経済危機を克服し、アメリカ史上最長の景気拡大をもたらしたとされるが、2008年の世界金融危機はグリーンスパンの政策も一因だったと言われる。つまり、バブルの発生・膨張を見過ごした「主犯」の一人として批判を浴びた上、議会の公聴会で「私は過ちを犯した」と述べる羽目になったという。
インフレの今、このグリーンスパンから学ぶ事があるはずだと手に取った。適切さ。インフレが高まる場合、中央銀行は金利を引き上げて経済を冷やす必要があるが、過度な金利引き上げは景気を悪化させる可能性があります。インフレ対策と経済成長のバランスについて。市場期待の管理。グリーンスパンは市場の期待を重視した。中央銀行の政策発表やコミュニケーションは、市場参加者の予測に影響を与えるが、透明性を保ちつつ、市場の期待を適切に管理する方法には学びがある。金融安定性への配慮。グリーンスパンは金融システムの安定性を重視。現在のインフレ対策においても、金融市場の安定性を考慮しながら政策を運営することが重要。
本著は同氏の人となりと各政策への対応、腐心した事柄について述べられる。以下はネット記事の引用(本書より分かりやすい表現だったので)。物価上昇を抑えながら経済成長を下支えしたとして「マエストロ」と称されるが、内実はそう華麗なものではなかった。「60階から飛び降りる心境」例えば90年代半ば、過熱気味の景気を抑え込むため、FRBは果敢に利上げを行い、目指したのは「軟着陸」だったが、その最終局面では「60階のビルから飛び降りて、両足で無事着地できるかどうか試してみよう」という心境だったとのこと。「我々は濃霧のなか、手さぐり状態で進んでいた」と。言い換えるなら、マーケットは中央銀行総裁でさえ頭を抱えるほど、しばしば予測不能な動きをするのだと・・。
こうした片りんを感じられるのが本著。少し古いが。