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農業、環境、経済、地域、生態系・・・問題は複雑に絡まってるけれど、うまくバランスが取れるといいのにね。なんでうまくいかないのかね。
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日本の食糧自給率が低いと言われているが、その実際のところが少しは理解できたと思う。
特に日本が深刻に考えなければならないのは、「穀物」の自給率の低さであるらしい。
穀物の需要が高まる理由、また、自国で供給できない理由が挙げられていた。
また、「諫早湾干拓事業」や、「まほろばの里」(山形県高畠町)の星寛治さんについての記述もあった。
農業を手放しに賞賛するのではなく、放棄された農地の再編などの必要性を主張していて、農業=良い、という観念から解放された。
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◎公共事業の歴史を政治と関連させて考えれば、いわゆる「55年体制」に行き着く。
どの地方でも土木建築業界が自民党議員の「票集め」の最前線にたつようになった。
当選した議員は大小さまざまの公共事業を選挙区に持ち帰り、業界に振舞い続ける。「拡大路線」を掲げる各省は、基礎って公共事業を日本列島狭しと貼り付けていく。しかも事業の立案から決定までの過程は、国民にまったくといってよいほど知らされていない。
◎ドイツ人のマイスター制度で鍛えられた「川の職人」フルースマイスターが植物、地形、地質など川の自然を存分に生かして、多自然型の管理を徹底している。各州の水利局が上下水道からダム、河川工事、水質規制まで一手に引き受け、河川環境への人間の影響を最小限にとどめる総合的な努力が尽くされている。
水利権を中心に建設、農水、厚生省が川を分断してきた日本の河川、水行政は、水の大循環の観点から再編されなくてはならない。
◎1本のブナの木は、実に8トンもの水を蓄えている。白神山地の、この膨大なブナ林=水源からほとばしる流れが、縄文の昔にかわらず、今も脈々と人間の暮らしをささえている。
◎第二次世界大戦から現在に至るまで、中国とインドの全のうち面積に等しい10億ヘクタールの農地が、誤った土地の管理によって塩化、酸性化、表土流出し、生産力を失うとともに、非農地へ転用された。
◎インドの場合、1947年に英国から独立した当時は国土の35%が森林だった。今では20%を割り、その半分はかたちばかりの劣化した森林。
◎中国
①農業生産の技術はまだまだ向上できる。
②誤った土地利用により打ち捨てられている膨大な土地を再開拓できる。
③養殖水産業の展開
④新技術の実用化
◎ベルリン陥落の日、自殺したヒトラーの机の引き出しから北アメリカ大陸の植生図が発見されたという。このファシストは「人間牧場」を構想していたのかもしれない。餌付けして人類を飼育する。人権はおろか、暮らしの質など考慮の外、飢え死にさせなければ足りる。
◎生産過剰を抱えるアメリカ農業が、土壌保全のために保留している膨大な土地と生産調整中の農地に作付けをしたら、穀物は大幅に増産されないか。また、高収穫種の普及で増える需要をまかなえないか。
→ブラウン氏の答えは否定的。
その収穫量では毎年増えていく世界人口8600万人のせいぜい2年分をまかなえるだけ。急増する人口を束の間養うに過ぎない。
◎山里の期限はさまざまだ。弥生渡来人がもたらしたイネを祭祀に用いることをはばかり、餅なしの「イモ正月」の習俗を伝える山村などは縄文時代の痕跡だろう。
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農業をとりまく環境、土木、農村、政策的な話題が多く論じられている本。例も地名や数値が具体的でよい。
が、意見はほぼすべて環境保護バンザイ的(それで間違ってはないと思うが)で、偏りを感じる。また、小説的な言い回しが多く読み辛い。
本書にもあるように、農政は構造改革の大潮流に巻き込まれつつある時代である。したがって、数値データや政策は本書を鵜呑みにするのではなく、各自が調べるべきと思う。
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[ 内容 ]
20世紀の初頭、世界人口は約16億人だった。
21世紀はじめの現在、世界人口は61億人に達している。
百年間で四倍近く、45億人も増えたのだ。
さらに21世紀半ばには約93億人に達すると推計されている。
この人口を支えているのが農業であるのは言を待つまでもない。
ところが、二酸化炭素の増加による地球温暖化や、オゾンホール増大による有害紫外線の増加によって、農業の未来も決して安泰ではない。
しかも、化学肥料の多投によって土壌は疲弊し、農薬が地下水を汚染するなど、農業そのものが環境へ悪影響を与えていることすらある。
地球環境を保全しながら、「持続可能な農業」をどうしたら実現できるのか、その可能性をさぐる。
[ 目次 ]
序章 地球の温暖化、そして60億人の時代へ
第1章 環境と農業
第2章 農業は環境の守り手か、破壊者か
第3章 地球温暖化への備えを森林で
第4章 生物圏の危機
第5章 日本農業―その現実と課題
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]