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最後がもたついてるのが難点かなぁ……。「毒」とか「狂気」とか皆さん仰ってるけど、毒でも狂気でもなく、希望がないだけじゃないかなあと思う。ナチュラルにきちんと『壊れている』佐藤氏初期の語り口に共感が持てる人に。
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第一章の、特に始めから20頁ぐらいの読みにくさで、途中投げ出しそうになった。例えが微妙でなんだかサムかったものがあったからかもしれないし、分かる人にしか分からない小ネタ(?)があったりしたからかもしれない。
そこを超えてからの、ストーリーはもう壊れまくっていて、寧ろ清々しかった。壊れ具合がラストまでその勢いを衰退させること無く、終わりまで徹底的に救われない世界を描ききっていた。もう最後一行まで、完膚なきまでに。メタではなく、文字通りぶっ壊れていた。本書に比べれば西尾維新の『きみとぼくの壊れた世界』なんて、中途半端な壊れた世界だ。
この読者を無視して、貫徹に「壊れた世界」を壊さず書ききった力量に、おぞましさと馬鹿馬鹿しさと愛らしさを感じてしまった。
この世にでるべくして出た、という印象を個人的に抱いた。なんとも人に薦めにくいこと請け合いな作品ですが、僕は割とイケル口だった。でも積極的に再読したいとは思わないけど。賛否両論というのも、なんだか馬鹿馬鹿しくなってしまう。例に読んでみてこんなものがあると認識するぐらいはしたほうが良いんじゃないかな。
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どーせ、舞城王太郎に釣られて借りただけですよ、ええそうですよ。悔しいなぁ。というわけで、なんだかんだ言って結構人気もあるし評価も貰っている佐藤友哉さん。
初読ですが、正直今ひとつピンと来ませんでした。それほど期待していたわけでもなくなんとなく借りたので読んでみたんだけど、悪くもないが、趣味ではないっていう感覚。つうか、裏表紙に書いてある「本書は「ああっ、お兄ちゃーん」と云う方に最適です(嘘)」っていう言葉で相当退きました。
ええと、で。正直無理でした。このオチは無理でした。コレって、全然ミステリーでも何でもないッス。ファンタジーです。はい。あたしは別に特別ミステリーが好きというわけでもないし、ファンタジーも読みませんのでその定義は知りませんが、この作品がミステリーというよりはファンタジーである、と言う部分は断言したいほどだ。その程度だ。つうか、そりゃ無しだろ?度で言えば、舞城王太郎を抜いてしまいました、あっさりと記録更新って感じ。自分的にはこういう風に、作家に裏切られるのがとても嫌です。ミステリーにはたまに、読者を欺く事に執念を燃やしているのではないか?とすら思われる作品をちょくちょく目にするのだけど、そういうミステリーは嫌いなんだけど、特にこれは無理だった。
ただ、全体の物語は駄目でも、所々好きな表現とかエピソードというか、そういうのがあるので結局最後まで読めてしまったわけで、それは例えば、本編の主人公・鏡公彦は自分の妹をレイプした男の娘たちを拉致するが、その行動を自分で説明出来ない。妹が受けた屈辱を味わわせようというわけでもなく、金目当ての誘拐をするでもなく、何がしたいのか自分でも分からずにとりあえず、男達の娘を拉致・監禁していく。の、だが、それでどうするのか、と言う問いに対しては答えられない。最後まで答えを出せない。いや、物語の終わりの方に、その答えと言うべき台詞は出てくるのだが、果たして公彦君がそれにちゃんと気付いたかどうかは解らない。「犯罪に動機はいらない」という結論が本書には出てくるが、それはつまりココで言う、「妹をレイプして自殺に追い込んだ行為をした男達」にとって、そのレイプには自分たちにとって重要な理由があったし、「突き刺しジャック」という8年間で79人の女性を殺している殺人犯にも本人にとって大切な理由があったし、妹の復讐の為に拉致監禁する公彦君も人には説明出来ないけども、大事な理由がある、という。理由があれば何をやっても良いと言うことではなく、人に説明出来る理由などは犯罪の動機としては大した意味を持たない、という事なんだと思う。その部分っていうのは、興味のある所だったりもするので、嬉しかった。嬉しかったというのは変なんだが、ミステリーを読む時、もしくは殺人や犯罪を扱った作品を読む時に、「死」や「罪」に対する位置関係…というか立ち位置というか構え方というか、そういう部分が気になるというか、うん、興味があるので。
あとは地味に気になったのが、公彦が監禁している娘たちの食料を買う際、必ず生理用品を用意する所と、公彦の姉綾子の台詞でレイプは「精神に与える衝撃が一番大���い」と言ったところかな。男の子が生理用品へこだわるというのは要するに生理と言うモノに対して過剰反応してるって事で、ちょっと歪んだ性欲だ。生理用品の使い方も知らないくせに、そういうのに対して妙に敏感な男って、キモイし、まぁ良いんだけど、どっちでも。あと、その綾子の台詞。これは作者がどう考えて書いたのかって言う意味ですっごく目障りだったのだけど、あんまり深く考えてないんだろうな、きっと。単純に「レイプ=精神的苦痛>肉体的苦痛」っていう認識で、しかもその精神的苦痛っていう部分をやけに強調してあってなんだかな〜と思ったしそれが殺害の動機っていうのはちょっと…無理。駄目。それ極悪、と思ってしまったわけだ。
ついでに、あえて触れたくはなかった点であるが、ちょっと鬱陶しい単語が目に付く。なんだよ、「さくら」とか「マルチ」とか「ちい」とか、いらねーって。その程度の知識を作品に使うのはちょっとイタいよね、っつーか、もっと詳しくマニアックな一般人には全く理解出来ないレベルまで下げたキャラクターを使わないと無理でしょ。
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いや〜すごい人がいたモノです。いい意味で完全にイッちゃてる小説です。舞台が地元だったので別の意味でも楽しめましたし、主人公の理由のなさに今を感じました。
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この作品はとてつもなく屑である。つまらない。つまらないのはまだいいが、物語から文章から作品の全てが破綻している。
だが私は好きである。こう――初めはノリノリで書き始めたけど話を大きくしてしまって、とにかく終わらせようと思ってこんな結末にしました。という雰囲気が嫌なくらいに伝わってくるからである。いや、佐藤友哉好きですよ?彼を見て作家になるのを諦めましたから。
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出てくる人物皆壊れてる。でも1番壊れてるのは作者かな。中に出てくる同人ネタなんだかんだ言って全部解ってしまう自分がイヤ。面白いんだけどね。
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ユヤタンの、エッセイみたいなのは読めるんだけど、小説は苦手。
ちなみに私が持ってるのはこのラっぽいジャケじゃなくて80年代ぽい変な写真のやつ。
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初版の表紙の方が雰囲気が出てて良かった。公彦の人間性がどうも私と生理的に合わないのであまり好きではない。でも殺人者と視点を共有してしまう等のエピソードはなかなか迫るものがあってよかったと思う。
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買った本。
今まで読んだ本の中で、一番嫌悪感があった。今思い返すと、当時傾倒していたthee michelle gun elephantなどのJ-Rockが、消費される印象があったからだと思う。話が面白くなかった訳ではない。読んでて苦痛ではなかったし、先が知りたくてよいペースで読んでいたと思う。
本を買った前か後か忘れたが、大塚英志編集版の映画『多重人格探偵サイコ』上映会に行った際、トークイベントに大塚英志と佐藤友哉が出ていた。大塚英志はこの本について、元ネタとなったエロゲーを全部言えるっていうおたくはざらにいるが、じゃあそいつらがこんな作品をかけるかと言えば、そうじゃない。だから佐藤友哉はすごい、というようなことを言っていたと思う。
話はずれるが、このトークイベントの際、出演者の方が近くのブックオフで見つけたと言って、スタジオボイスのエヴァンゲリオン特集号をプレゼントとして持って来ていた。その本はエヴァに傾倒していたころに買って、今でも実家にあるので、気恥ずかしくなった。
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これ、最初に発行された表紙のほう持ってるんですが。イラストのほうが欲しかったよ・・・。
佐藤友哉氏の作品は何故か一時狂信的に集めましたね。あの時私は何を求めてたんだか。
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こういうのが人気を博したりする時代なんだなぁ、と、なんとなく変というか意外に思った。面白かったけど。
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好き嫌いが真っ二つに分かれる彼の著作だけど・・・俺は好き。
妹が殺されて、そのなぞを解いていく作品なんだけど、なんかこういう愛の形もあっていいのかな、と。サイコだし、クレイジーだし、描写は醜いし、理不尽だし、もうどうしようもないんだけど、ね。
単純にそのハイテンポなリズムとか、ドキドキとか、好き。
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内容…。エヴァ+サイコ+S・キング+さくら(笑)=………わからん。
批判的に解らないとか、物語が判らないとか、何を言いたいのか分からない訳ではないけど、これで良いのか?と。作中の人物の壊れ具合は、読んでいて面白いが、先が分かる内容はどうかと…。先日読んだ「ユリイカ」に西尾維新との対比論説が載っていた中で「トリックなんてパクリでいい」と作者が発言したようだが、パクリだらけのコラージュ作品だと思うのだが…。その部品の数々が良く分かる自分が、ちょっと切ないんだけどね。多分、7割くらいは同じような路線をたどってきたなぁ〜と、文章を読んでいて感じた。冒頭からキーワード(物語での重要性は無い)で、「テレキャス」、「ミュウミュウ」、「さくら本」、「クラフトワーク」、「エコエコアザラク」などなど。一番ウケたのは「ケロちゃん×さくら本」………分かる人だけ笑ってください。友人に描いてるひとがいるので、どうということは無いのだが、これがミステリの小説に出てきて、一般に販売されていることがサプライズだと思うけど…どうでしょ?後半というかクライマックスの主人公のセリフ「これはぼくの物語だ」を読んだ時に、デ・ジャ・ビュを感じ思い至ったのが鴻上尚史が立ち上げた劇団第三舞台の「トランス」という作品の印象的なセリフと同一だったりする…ハズ。この壊れ具合をまとめた作品を実感するには、読むこと以外ないかな…。まあ、「エヴァンゲリオン」と「カードキャプターさくら」を観てない人には勧めない作品(笑)。
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表紙に惹かれ手に取る。中身を見ると兄妹萌えが仄めかしてあったので即買。優しくない内容と文章だけど私的には良かった。
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鏡家サーガ第一弾。関係ないが「サーガ」って言葉流行ってるのか??
ある日突然妹が自殺した。僕と兄と姉と…壊れる世界。
こういう本が流行る時代なんだなぁ、と感じた。