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現役を引退してまだ2年、コーチ経験といえば横浜の春キャンプでの臨時コーチだけ、という時に書かれた本書。やはり、というべきか、コーチングよりも選手としての自己成長・自己研鑽に紙幅が割かれている。そこは獲れなくても三冠王奪取を公言していた落合氏らしい考え方で、常に目線を上に向けていくことに氏の真骨頂があるのだろう。
コーチの仕事は教えることでなく見ていること。そして何が良くて何が悪いかを分析する能力がなければならない。
バッティングは人から教わらず、自分で考え感性を磨いていくもの。対して、プロの守備はプロの指導者から徹底的に教わらなければ身につかない。
結果が良かったから「ああ気分が良い」と感じて眠ってしまう選手と、ホームランを打っても自分のバッティングを考え次の日に練習する選手とでは、経験を積んでいくほど大きな差がついてしまう。
ほかの選手の動きを観察し良いものと悪いものを的確に見極めることができれば、自分の良い部分、悪い部分についても正しい認識がもてる。
自己成長を促す落合氏のアドバイスから垣間見える理想のコーチ像。この10年後に出された『采配』と重複する内容も多いけど、より一選手目線に近いところで読むことができる。そして痛感するのは自己研鑽に対する落合氏の厳しい姿勢。打撃の求道者のような人だから、あれだけの口をききながらあれだけの成績を残せたのだと、妙に納得。
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「采配」を読み終えた後、落合氏が監督になる随分前に
書いた書があるということで読んでみた。
すごいな、と思ったことは「采配」に書いてあった内容と
芯の部分でほぼ変わらなかったこと。
やはり人間として「ブレない」ことがもっとも大事で
あると感じた。
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チェック項目32箇所。コーチの仕事は教えるものではなく、見ているだけでいい。選手なりのよいところはある。良い部分は何かを見極めて頭に叩き込む。何が良くてなにが悪いか分析能力が必要。一年目の選手に否定をしてはいけない。1+1=2の発想から2=3-1、1×2など無限の過程を考える。相手の望みがわからないうちはコーチは何を話してよいかわからない。やり方を間違えないことが大前提。やり方がわかれば突き詰める。欠点を直すこと=良い部分が失われること。誰にでも長所と短所はある。監督は勝つこと、選手は自分のことだけ考える。監督はあくまで「優勝を狙う、それだけの戦力がある」と言うのが基本。それができない監督はユニフォームを着る資格はない。不要な謙遜はチームを停滞させる。指導者が過去の実績にしがみついてはいけない。最終的な起用法は監督が決める。コーチはなぜ選手たちをそういう使い方にしているのか説明責任がある。投手が納得して登板できる環境を作る。良い上司は部下を信頼する。まずは部下に腹の中をすべて吐き出させる。上司が一方的に方向性を決めると納得しない。「自分がいなければ・・・」という人に限って自分がそこにいたいだけ。現場の最高決定権は指揮官が持つ。そのことをあいまいにしてはいけない。責任は組織の長が取り、当事者も取るべき。中途半端なゼネラリストよりスペシャリストが好まれる。年俸問題・・・一人だけ5億、10億貰うと周りに影響アリ?日本のプロスポーツはあくまで企業のバックアップで成長した。ヨーロッパとは違う。チームのためになることは何か?自分で考える。自分を生かすことと自分のやりたいようにやるのは別物。目標は公言するとやるべきことが見えてくる。食事と睡眠・・・精神的スランプ克服法はシンプル。人間としての基本を考える。生活を見直す。本当の自信とは感性を研ぎ澄まし、自分で自分を洗脳することから始まる。裏方の選手からも学ぶ低姿勢。異なった考え方の人間が入ると質問が出ることがある。前の会社での実績はまぐれかもしれないと思って初心に戻って働く。ヤケ酒や仲間との悪口はそのときは気分爽快でも自分には何も残らない。
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落合監督の独特の考え方が書かれている。共感する点もあり、新鮮な点もあり、とても参考になった。ちょっと違った角度から考えるヒントをもらった。
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誤解を恐れずにいうならば、落合博満氏は個人主義者である。
彼の「オレ流」スタイルを崩さない姿勢はよく知られている。「オレ流」=ワガママだと思っている人も多いのではないだろうか。昨年、中日ドラゴンズの監督を解任されたのも、フロントとの不和が大きいとされている。それみたことか!能力はすごいかもしれないが、やっぱりワガママじゃないか!
このように、「オレ流」に偏見を抱いている人にはぜひ読んでもらいたい一冊である。
冒頭に書いた「個人主義者」というのは、「個人を大切にする人」という意味である。基本的には、コーチングをする上司の立場であれば、部下を「一人の人間」として育てる。コーチングを受ける部下の立場であれば、指導を自分のものにしつつ、上司に従うというものだ。個人あっての組織であるから、個人は大切にする。だが、個人が勝手気ままに動いたのでは組織が成り立たない。均衡は、上司と部下のバランス、コーチングの技術によって保たれるのである。
指導する立場にある人のみならず、指導を請う立場の人にとっても得るものが大きい。実績と経験と信念に裏づけされているだけに、心に深く沁みわたる。
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「采配」が面白かったので、読んでみた。教える側だけでなく、学ぶ側にも読んでもらいたいと思った。
自分にとっては、「良いコーチ」と言われたいのか、それとも「良いコーチ」になりたいのか、という言葉が一番響いた。
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2001年に出版された本。
ということは、落合監督になる前に執筆されたものである。
コーチ、指導者、選手、部下。
野球を通じて教える側と教えられる側を経験した著者の経験談や自己分析内容などを独特の言い回しで(平たくいうと、実直に)綴られている。
んー。
なんというか。
意外と繊細でマメな方なんだなと、読み終わって感じた。
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落合氏が監督を退任された後のタイミングでこの本を読んだのですが、当時から殆ど考えのブレもないことが感じ取れ、見通しの鋭さに驚きを禁じえませんでした。
個人的に、打撃の最適解は個人個人で違うからおいそれと指導できないという旨の主張については異論があるので、★4つとしました。
ただ、リーダーの考え方として、組織の在り方として、プロ野球団のみならず、一般の社会人でも示唆を得られるような考え方が随所に散りばめられていて、読んで良かったと素直に思える本だったと思います。
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野球好きにはたまらない本!
勉強になるしエピソードもおもしろい!
監督になる前からこれだけ考えて自分の信念を持っているのは凄い
これだけの観察力や分析力を持っているから三冠王を3回も取れたのだろうし、監督初年度からドラゴンズを優勝に導けたんだなと納得!!
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感想はすごくよかった!
想像以上というか、この本を読んで落合さんが誰と一番向き合ってコーチングをしていたのかよくわかります。
ボクの中でなんとなくイメージが悪かった落合監督なんですが、外にアピールすることではなく、選手と向き合うことを一番と決めていたことに感動しました。だからボクの方はこれまでそんなイメージを持っていたのかもしれません。
誰のために?
徹底した姿があの形になったのだと思います。選手それぞれの特性を尊重しつつ•••任す側も、任される側にもすごい信頼関係。
『言うは易し行うが難し』
基本の基本でありながらまた改めて感慨深く考えさせられます!
コーチングされている方はぜひぜひ読んでみてください(^-^)/
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落合博満氏の考えるコーチングについて書かれた本。
サブタイトルにあるように、コーチングにおいて重要な要素を、
掛ける言葉と、強い信念の重要さを挙げている。
自身の実体験を下に書かれた内容はその納得感も高い。
「俺流」とも言われたように、自分のやり方を貫く姿勢のイメージが強いが、
本書を読むとそのバックボーンとなる考え方がよく理解でき、
「俺流」が極めてまともな考え方に則ったキチンとしたものであると分かる。
野球に限らず、ビジネスにおいても使える内容である本書。
マネージャーにもお奨めできる1冊。
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中日の落合監督が中日の、というかプロ野球の監督になる前ぐらいの本。今だったらどんな風に考え方が代わっているか知らん、というのはまた別の興味なのだけれども、書いてあることはごくシンプル。組織の中で自分を生かすにはどうしたらいいか、という部分に関しては「自分がすべき仕事」と「組織の中の自分」に関して完全に割り切っている。このあたりが現役時代の落合の「仕事人」の姿勢として特筆すべき点でありましょう。
会社のシステムがむちゃくちゃだったり不満があったり、ということは往々にしてあるだろうけれども、そもそも会社が社員のことを守ってくれるのだ、と云うところにべったりしすぎるのも困りもんだよ、と云うことを丁寧に書いております。
というわけで、あんまり変わったことは書いていない。ただ、今現在の落合監督の立ち居振る舞いの根本には確かに書いてあるようなことがあるんだなぁと思った。納得しました。
あと、「スランプ脱出の秘訣は十分な食事と睡眠である」というのは基本的だけど実際にやろうと思わないのでこの辺は気をつけていいかと思った。
落合監督が好きなら読んでいい本。
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落合博満が中日の監督をやる前に書いた本。部下に対する接し方や育て方や考え方をプロ野球時代の話と、それを一般的に話に置き換えながら話が展開されておりわかりやすい。"自分の役割に徹することが組織が目標を達成するための近道"という話で、選手・監督が自分の役割を理解し、それに徹した例としてワールドシリーズで調子が悪かった4番打者に躊躇無く送りバンドのサインを出し、それを遂行して世界一になった話を例にしていたが、その後著者が中日の監督になって、この言葉を裏付ける采配が数多くあった。この人は口だけの人ではないです。
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○「見ているだけ」が理想のコーチング
○手取り足取りではなく,ヒントを与え,自ら考えさせる
○「そんなことは常識だ」と言う前に,納得できる理由を示せ
○部下に気持ち良く仕事させるのも上司の仕事
○まず部下に腹の中のことを全部吐き出させよ
○良いコーチと言われたいのか,良いコーチになりたいのか
○第三者を介しての言葉のキャッチボールは危険
○上に立つ指導者でも,分からないことは分からないという
○部下の専門分野に強くなれ
○周囲に目標を公言せよ
○結果が出なくとも自分がやってきた事実まで否定するな,他人を観察せよ
○よき理解者が3人いれば,人生は見誤らない
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自己流のスタイルを貫き、誰もが認める成果を出してきた著者。そんな彼が語る、指導者の条件とは何か。野球を例に、普遍的なコーチングの理論を説く。
野球を、落合氏の現役の頃を知っていれば、もっと楽しめたのかもしれないと思ってしまった。やはり本を読む時に、著者の経歴などを無意識に考えているものなんだな。ものすごくストイックな人だということはわかったけれど、本来の落合さんを知っていたら、内容がもっとリアリティを持って伝わってきたのではないか。
現役時代も変わった人だと評されてきたようだが、タブーのようなこともあっさり言えてしまうのだということがよくわかった。「良いコーチ」と言われたいのか、「良いコーチ」になりたいのか。人の目を気にして前者を選ぶ人が多い、というのは納得した。現実を踏まえるとそれも仕方ない、と言われるのかもしれないが、そこは妥協せずに理想を目指したい。