紙の本
少女漫画のような物語
2002/03/10 13:13
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんというか、少女漫画のような物語。主人公のサキは大切にしていた瓢箪のつるをうっかり切ってしまう。それに乗って空を飛び、時空を超えて過去の世界に。そこで出会った不破麻呂と恋におちる。
文章が平坦で、少し読みづらかった。あと終盤追っ手から簡単に逃げ出せるなど、ご都合主義のような展開もちらほらと。時空は超えないけれども、同じように古代を舞台に運命の恋を描いた荻原規子さんの勾玉シリーズと比べるとかなり物足りない。なんだか手抜きっぽい作品に思えました。
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時代を超えた、恋物語の傑作! 二人が生きる時代は違うから当然一緒にはなれませんが、ラストは感動します。せつないところがいい。スタジオジブリにアニメ化してほしいくらい。
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これも児童書ってなめてました。ティッシュの準備なしでしたので、涙ぼろぼろで大変…。小学生のときに読んでは読み返して泣いてを繰り返し、中2で改めて読んでまた泣いて。素敵な切ないお話。
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買った当初高学年児童推薦図書に選ばれていた一冊。
「更級日記」「竹芝伝説」を基に描かれたお話で、登場する地名も実在する場所ばかり。
少女が丹精込めたひょうたんの力なのか、夢でしかさかのぼれないはずの時代と、少女が住む時代は、あるひとつの酒壷を通じて繋がっていた。
物語にある場所が本当にあるのなら、ちょっと探索してみたくなる。そんなお話でした。
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異世界トリップの話じゃないんだよな…確かにこの世界の話ではないんだけれど。どうも、不思議な小説。小学生のとき図書室で読んでからすぐハードカバー版を買いました。
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古代史に絡んだ恋愛モノって結構よくあるパターンな気がする。やっぱりロマンがあるのかしら〜。荻原規子の勾玉シリーズも中学生には人気だし…。
現代人であるサキがひょうたんに導かれ夢の中で古代世界へ行ってしまう。ちょうど聖武天皇が遷都を繰り返していた時代。
歴史で習うおなじみの人物たち(吉備真備とか藤原仲麻呂とか)がわりと史実に基づいて描かれています。
かなり脚色されている部分はあると思うけど、歴史好きには興味深く読めます♪軸は「竹芝伝説」。
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『更級日記』の竹芝伝説が元になった話ですが、それに現代と奈良時代という時空を超えた愛という設定が加わり、物語を面白くしています。不破麻呂を始め出てくる登場人物が、とても魅力的なのもいいです。ラストが切ないですが、読んだ後、清々しい気持ちになりました。
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初めてちょっと厚みのある本に挑戦した時の本がこの本です。
小学生当時、『更級日記』なんて全然分からなかったし、歴史も勉強していなかったですが、読み終えたときに胸がきゅんとしたのを覚えています。
中学のテスト問題でこの一節が出されて、びっくりしつつも懐かしさにもう一度読み返しました。イラストも綺麗で大好きです。
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小学校5年生くらいに出会った本で、未だに大好きで大切な本です。時空間を飛び越えたファンタジーロマンス。小学生の私は果たして理解出来ていたのだろうか?というような、少し複雑で、不可思議で、切ない、それでいて優しく温かい物語。最後は何回読んでも泣いてしまいます。佐竹美保さんの挿し絵がまた素敵!
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中学生の時に読んで印象に残っている本の一冊です。これをきっかけに、この後「更科日記」を読んだ覚えがあります。ラストが切なかった。
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図書館の児童書コーナーで、何げなく手に取った一冊。
主人公サキが、タイムスリップした先で出会った不破麻呂。
一度現代に戻ってくるが、彼にもう一度会いたくて、今度は時の帝の第4王女・更科内親王(竹姫)と同化して時を遡る。
不破麻呂もサキ(天女だと思っている)に心奪われていて・・・というストーリー。
吉備真備や紀郎女、後の道鏡となる弓削の志貴麻呂、行基など、当時の有名人物が多く登場し、色どりを添えている。
(しかし藤原宮子が実は不比等の娘ではなく、紀州の海女だったという説があったなんて知らなかったわ!本の中だけの事かと思ったら、本当にそういった説があるらしい)
ラストはやっぱり2人の別れで終わってしまうけれど、切ない余韻が残るもので、良い終わり方だった。
本書に載っている史跡(竹芝の済海寺、亀塚公園)に、機会があったら行ってみよう。
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歴史が好きな女子にはもってこいの作品ではないでしょうか。時代がとびとびなので、把握するのに頭の中の引き出しを出し入れしながらゆっくりと読みました。日本史のよいおさらいになってよかったです。主人公のサキがそれぞれの時代の中で、天女と思い込まれたり、皇女となって登場したりと立場は違うものの、会いたい人はただ1人という内容もグッド。古典文学とひっかけられているという点でも面白かったです。
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お互いにお互いが大好きなのに、生きる世界が違う。時代が違う。
死別とは違う、[もう二度と会えない]が、苦くて甘い。
この本と出会って、私は芝田さんに恋をした。
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小学生のころに読んで大好きだった本。
更級日記に記述のあった竹芝伝説や史実からここまで物語を広げた作者はすごいと今改めて読んで思った。
切ない恋の物語が好きになったルーツを再発見した。
歴史好きの子どもに、ぜひ手に取ってもらいたい。
佐竹美保さんの美しいイラストも必見。
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★おたがい、会えてよかった。いい思い出があって、よかった(p.255)
【感想】
・しっかりした作品でした。
・絵師で本を選ぶのもアリだろうと思います。挿絵の佐竹美保さんは好みです。
・著者の名前は記憶にあるような気がするのでなにか読んだことがあるかもしれません。
【内容】
・夢の中で育ったひょうたんかかえて空飛んだサキは古代で青年に惚れ会いたくなってもう一回行こうとしたら王の四女竹姫になってしまい記憶を失った。さて、どうなる?
▼簡単なメモ
【泉/いずみ】下道真備の息子。由利の異母弟。
【小鹿/おしか】紀女郎(きのいらつめ)。宮子に仕える女官。大伴家持の年上の恋人。竹姫の数少ない友人のひとり。
【行基】僧。かつては危険人物扱いだったがいまはみかどの大仏建立にもチカラを貸している。《どんな人間にとってもこの世は仮の宿りというわけじゃが……。》p.232
【ククリ】飛騨のククリ。仲麻呂の私兵。
【サキ】主人公。ひょうたんで空を飛び時空移動する。
【紫香楽宮/しがらきのみや】この時点で都は難波京だが、みかど、松虫姫、高野姫、井上内親王など主要人物は紫香楽宮にいる。
【志貴麻呂/しきまろ】弓削の志貴麻呂。行基の弟子。行基を大僧正にし教団を国公認のものにしたい。
【下道真備/しもつみちまきび】吉備真備のことと思う。遣唐使留学生として十八年間唐に滞在し帰ってきたエリート政治家。同期に阿倍仲麻呂や僧の玄昉がいる。高野姫の教育係でもある。由利は政治家として尊敬はしているが娘としての愛情はまったくないと言った。真備の方もそれはありがたいと言った。
【高野姫/たかのひめ】皇太子。安倍内親王。竹姫の異母姉。
【竹姫/たけひめ】更科内親王。第四王女。十五歳。サキが中に入り込んでいるかもしれない? 家族たちとは離れて恭仁京(くにきょう)にいる。「異例のお出かけ」をして何かあって記憶と気をを失ったらしい。
【におい】《それが、サキに話しかけている。におい、という表現で。》p.21
【人間関係】不破麻呂いわく《ひととひととのつきあいってのは、だな……》《なりゆきさ》p.281
【ひょうたん】サキが庭で育てていたがうっかり茎を切ってしまった。その後夢に出てくるようになり成長していく。
【広嗣のたたり/ひろつぐのたたり】藤原広嗣が反乱を起こしたが失敗しその後不穏なことはなんでも広嗣のたたりだと言われるようになった。
【不破麻呂/ふわまろ】ひょうたんでふわふわ飛んで出会った男。《……おれは、おまえたちのひとりだった。今は、もうちがっているかもしれん》p.219
【松虫姫】竹姫の姉。第三王女。有名な姫。
【都】みかどの気まぐれで都がたくさんある。紫香楽宮、平城京、恭仁京、難波京。
【宮子/みやこ】藤原宮子(ふじわらのみやこ)。この話の時点で六十五歳。皇太后。藤原不比等と娘。文武天皇の妻。今のみかどの母。竹姫の祖母。彼女をどう呼ぶかでみかどと長屋王がもめてその結果長屋王は自死したとのウワサ。長いこと心をわずらい玄昉により快癒するまで閉じ籠っており十八歳で時が停まってしまった状態。
【由利/ゆり】采女。下道真備(しもつみちまきび)の娘。