紙の本
脳科学研究の最先端の具体的事例を要領良く説明、研究者に必要な意外な要素に驚き
2003/06/15 16:14
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1章は著者の経歴、第2章は脳科学の概要のようなもので、それほど面白くはない。第3章は、学習、記憶、想起という、脳の特定機能について、独自の研究戦略に基づく手法と、従来の手法を巧みに組み合わせて得られた、著者らの研究方法と知見を述べている。この部分は知的興味をひく部分である。脳科学研究の最先端の具体的事例が、素人にとっても煩瑣でなく、要領良く説明されている。第4章と5章は対談で、科学者に必要な素質や科学研究とはどういうものかが、述べられている。科学者でない人にとっては意外と思われるようなことが、要求されていることに軽い驚きを覚えるであろう。研究者に必要なのは楽天的性格であるとか、研究のある時期は純粋な単純肉体労働の繰り返しであるとか、成功するには良い師につくことだとか、予想外なのことなのではないか。
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成功のノウハウを知る
2002/04/12 22:38
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投稿者:ワハハ! - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル賞を受賞した利根川博士の研究成果が平易に解説されていたため意外にも面白かった。後半に、劇作家の池田理代子さん、藤田剛さんとの2つの対談が収録されていて、プロジェクトチームのリーダーとしての役割や、プロジェクトチームの編成の留意点など、成功する秘訣が参考になり、ビジネス書の感覚でも読める。
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ノーベル賞受賞者の人柄が良く描かれているところが魅力
2002/03/04 18:28
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投稿者:もえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔ワイズマンという人のノーベル賞が取れなかった話を呼んだことがある。先に研究したのに、論文の発表に後れをとったグチ話である。今回はノーベル賞を取った人の話である。ラッキーではあるといっているが、そこここに自慢が出てくる。彼より数年先輩だが、私も昔物理生物の単位をとったことがある。同じ道を進んでいたらさぞ悔しかったろうナ…。学者の世界も競争、押しのけ、情報の盗みが横行しているようだ。第三者の目から見て同じノーベル賞学者でも白川さんのような人は珍しい。人柄がしのばれる。
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(2003.10.29読了)(2002.06.28購入)
利根川 進
1939年愛知県生まれ
1963年京都大学理学部卒業
1987年ノーベル賞受賞 生理学医学賞
理学部化学科に入学したのに、先輩から紹介された論文(ワトソン、クリックの二重らせん等)により分子生物学に興味を持ち、ウイルス研究所の渡辺格先生のつてで、カリフォルニア大学へ留学します。
1971年1月アメリカを去りスイスのバーゼルに移りました。バーゼル免疫研究所で免疫学の研究に参加するためです。この研究所での研究がノーベル賞をもらうことになりました。
この辺の話は、「精神と物質」のほうに詳しく書いてあります。
その後、アメリカに戻り、脳科学の研究を始めました。
●脳ネットワークの臨界期
赤ちゃんの脳細胞のネットワークは、不完全な状態です。生後、目や耳や皮膚からいろいろな刺激が脳に入り、その刺激により脳細胞のネットワークが改良され機能するようになります。この刺激により改良できる期間が「脳ネットワークの臨界期」と呼ばれているそうです。この時期がすぎると機能はうまく作られない。
例えば、生まれたばかりの赤ちゃんでは、目からの映像はぼやけた状態だが、目からの光の刺激によって左目からの情報と右目からの情報を別々に処理するように脳細胞のネットワークが作られる。
言語の習得にも、臨界期が存在し、三歳ぐらいで作られてしまう。利根川さんのこどもは、アメリカ生まれなので、英語をベビーシッターから憶えたそうですが、三歳ぐらいになると父親のLとRの発音が変だと気付き一生懸命直そうとするそうです。三人の子供に次々と直されたそうです。日本語の発音がすでに身についてしまっている父親は直らないわけです。もうすでに臨界期はすぎています。
●記憶
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(「BOOK」データベースより)amazon
抗体の多様性の謎を解明して1987年にノーベル賞を受賞した利根川博士は、いま世界の脳研究をリードする。脳にためた記憶を再生するプロセスをはじめとする、みずからの研究成果を通して、脳科学の最先端と何を明らかにしてきたのかを紹介する。目的・戦術・技術がみごとに組み合わさったその研究手法には目を見張らされる。
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[ 内容 ]
抗体の多様性の謎を解明して1987年にノーベル賞を受賞した利根川博士は、いま世界の脳研究をリードする。
脳にためた記憶を再生するプロセスをはじめとする、みずからの研究成果を通して、脳科学の最先端と何を明らかにしてきたのかを紹介する。
目的・戦術・技術がみごとに組み合わさったその研究手法には目を見張らされる。
[ 目次 ]
1 私の歩んだ道(分子生物学者になりたい サンディエゴへ留学 免疫学上の大ミステリーを解く MITで脳研究をはじめる)
2 脳科学の現在と可能性
3 学習と記憶のメカニズムを探る(わたしたちの研究戦術 長期増強は記憶の基盤か? CA3野の機能を調べる)
4 科学者とは、科学研究とは
5 日常生活から見た脳
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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専門的過ぎて分からないところと、通俗的で勉強にはならないところしかない気がした。なんというか,もっと俯瞰的で,ある程度専門性も保った感じを期待してたのですが。前者である第2章、第3章をなんのフォロウもなしに入れてしまう岩波さんは怠慢であるように思える。まだ第2章は分かるのだが第3章は僕の理解力では普通に読むだけでは無理。後者に属する第1章,第4章,第5章などは読んでて面白くないわけではないが、こういう話は『精神と物質』にもいくらでも書いてあったし、脳科学について知りたいという目的にもそぐわない。第5章の対談,池田さんて誰だろうかと思ったら「ベルばら」の作者で,これには期待したのだけど,結局利根川さん中心になってしまってるしなあ。総じて言えるのは、全ての章がどこかから引っ張ってきただけなので岩波さんのサボリ具合が浮き彫りになって見えるということと、『精神と物質』のほうが何倍も良い本だということ。
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たぶん野心家・自信家なんだろうな。自分で燃えている人,近くにいるとその火で焚きつけられたり,やけどしたりするんだろうな。
プライオリティをしっかりと保つことの大切さは,今までの自分に足りない部分だな。
自分がどうしたいのかを強く意識し続けること,自分の意志に素直に従い続けることが科学者としての成功を引き寄せている。
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元々脳科学を研究していたわけではない著者だが、だからこそ人とは少し違う視点で脳について説明していると感じた。パソコンにはできなくて、人間の脳にはできる直感や創造力を日常的に鍛えることが重要なのだろう。
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利根川先生の研究分野については、「精神と物質」で興味を持ち次のテーマは脳科学と言うことで、やや古い本ですが読んでみましたが、まああまり面白くありません。
前半は精神と物質でも読んだ先生の研究歴の復習。真ん中は脳科学でも記憶についてマウスを使った記憶と学習の研究せいかについて研究されている部分のみの話し、後半は科学者と科学の研究についての対談。
どの章もあまり心惹かれる話ではありませんでした。
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利根川先生の本。MITの教授ということもあって、どんな生活を送っていたのか興味をもって読んだけれども、選択がすべてにおいて絶妙で、興味深かった。脳の話はあまり多くない。
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ソーク研究所は、ヒト受精卵のゲノム編集の成功が「ゲノム編集からはじまる新世界」で言及されてたし、レナート・ダルベッコ門下での兄弟弟子には「アシロマ会議」のデビッド・ボルチモア博士がいるし、学者の世界は案外狭い。
まあ、ソーク研究所の創設者・ジョナス・ソークがポリオワクチンを開発したピッツバーグに、ちょうど友人が旅行中なのは…タダの偶然。
講演会の内容や企業誌のインタビューをまとめた構成なので、雑文的な印象は拭えない。むしろ、インタビュアーの池田理代子が、リケジョで物理クラブ所属だったとかに驚き。
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内容のない人間とつきあっているのは、その人自身の能力のなさをしめしている。
あることを成し遂げるためには、いろんな他のことを切り捨てないとだめ。
することはいっぱいあるんだから。人間、時間なんて限られているでしょ。