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魔法使いハウルと火の悪魔 みんなのレビュー
- ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (作), 西村 醇子 (訳)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:徳間書店
- 発売日:1997/05/01
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紙の本
パワフルな主人公たちの繰り広げる冒険物語
2006/03/18 15:19
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kou - この投稿者のレビュー一覧を見る
(あらすじ)
→魔法が本当に存在する国・インガリーで、義母と共に帽子屋を営むソフィーのもとに、ある日恐ろしい荒地の魔女がやってくる。
魔女の呪いで90歳の老婆に変えられたソフィーは、娘たちの魂を奪ってしまうという魔法使いハウルの住む、動く城に掃除婦として押しかけた。そこで出会った火の悪魔と、ハウルと悪魔との契約を破ってくれれば、ソフィーにかけられた呪いをといてやろうと持ちかけられるが…。←
宮崎アニメ『ハウルの動く城』の原作です。DVDを見るにあたって読んでみました。
ジョーンズは以前『九年目の魔法』を読もうとして、あまりの伏線の多さについていけなくて挫折した時から敬遠していたのですが、こちらは面白かったです。
いろんなエピソードや素材が、これでもかというくらい沢山散りばめられているところは同じなのですが、今回はそのひとつひとつが面白くて楽しみながら読み進めることができた。
ソフィーやハウルの性格も一役買っています。ふたりとも普通のヒーロー、ヒロインの枠にはおさまらない。
ソフィーは90歳のおばあちゃんに変えられたのに、「元気なおばあちゃんでよかったわ」なんて言って冷静に動き回たあげく、老婆になったら随分と図々しくもなってしまう。
一方ハウルはものすごい移り気でナルシストのわがまま坊主という印象。
この二人が様々なトラブル(?)を経て荒地の魔女に打ち勝ち、ハッピーエンドに到るまでのお話なのですが、これは本当に読んでよかったです。
続編の『アブダラと空飛ぶ絨毯』も読むつもりです。
紙の本
映画とはまったく違う!
2011/11/11 01:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆる - この投稿者のレビュー一覧を見る
先にジブリの映画「ハウルの動く城」を観た方は、同じ内容を読んでもなぁ、と思うかもしれませんが、映画の後に読んだ私は、かなりおもしろかったです。
まったく内容が違ったからです。
特にハウル。
ナルシストなのは変わりませんが、女性にかなりだらしない感じです。
でもなんだか憎めないんですが(笑)。
後、ハウルの弟子もあんなに子供じゃありませんし、ヒロインの家族構成も違います。
当然、話の構成も大きく違っています。
映画では戦争が幅をきかせていますが、原作ではそうでもありません。
むしろ、魔法使いとしてのハウルや、登場人物の心の変化を主体にしていると思います。
映画のように魅せるハデな演出は少なめで、ダイアナ・ウィン・ジョーンズらしく、読み終えた後にみんな丸く収まってよかったな、と思える作品でした。
紙の本
若かりし頃、ロマンチックな少女漫画を読んだ後のような、幸せな気分がよみがえりました。
2003/06/27 13:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シュガー - この投稿者のレビュー一覧を見る
帽子屋の三姉妹の長女、18歳のソフィーは、「昔話でも、長女は成功しないものと決まっている」と信じ、自分の人生に夢を抱くことをあきらめています。父亡き後、若い継母を助け、店を守っていたソフィーが、ある時、荒れ地の魔女に、身に覚えのない恨みを買い、90歳ほどの老婆に変えられてしまいます。
初めて鏡で変わり果てた自分の姿を見たソフィーは、つぶやきます。「だいじょうぶよ、おばあちゃん。とても元気そうだもの」
この台詞にビビビッと来て、私はソフィーに惚れ込みました。その後も、次々降りかかる困難に、失敗を重ねつつもパワフルに立ち向かうソフィーを見ていると、こちらまで元気が湧いてきます。
一方、魔法使いハウルは、花の香りを身にまとう恋多き優男。入浴に2時間もかけ、おしゃれな服を着ているものの、部屋は汚いし、やっかい事があれば、のらりくらりと逃げてばかりの情けない魔法使い。いじけて緑色のねばねばを出す所など、なんだかかわいらしくて愛すべきキャラクターです。
思い切り言いたいことを言いまくるソフィーと、へなへなのハウルのやりとりは、面白く、微笑ましく、名コンビという感じ。ふたりに共通する「優しさ」が、ピンチを招いてしまうこともしばしばですが、そこは知らず知らずのうちにフォローし合って……。
火の悪魔や、かかし、犬人間など、最後の方まで敵か味方かわからないような登場人物もいて、謎解きが始まると一気に読み進みます。
荒れ地の魔女との戦いは、それまで引っ張ってきた割には、少しあっけなく、戦闘系のファンタジーがお好きな方は、期待しない方がいいでしょう。むしろ、ファンタジック・ラブ・コメディーといった趣です。読後感はうっとり、バラ色です。
紙の本
ソフィー・ハッターと魔法使いの城
2002/07/14 00:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
三人姉妹の長女ソフィー、長女は出世しないと聞かされて育った彼女は、父親を亡くした際に家業である帽子屋を継ぐことを自然なことだと考えていた。店番をしていたある日、派手な服装の女性が店に現れたかと思うと、ソフィーは不可解な非難を受ける。そして、女性が去ると、店内に残されていたのは、顔にしわが寄り、足の関節が節くれ立った老婆の姿だった。
恐ろしい魔女の呪いによって90歳の老婆とされてしまったソフィーは、空飛ぶ城に住むという魔法使いの助けを得て、元の身体を取り戻そうとするのだが、この魔法使いというのも若い女の子を誘拐するという悪しき噂の持ち主で……。
《ハウルの動く城》シリーズ第一作。
児童文学で大事なことは、なによりも子どもがかっこいいこと。そして、児童文学でもっとも大事なことは、子どもが読んで面白いこと。そんな作品であれば、僕のような20代の大人が読んでも掛け値なしに面白い。
どうして、子どもがかっこよくなければいけないのか。それは、本を読んで子どもが自分を助けるということを知るためには、かっこいい子どもという要素を書くことができないからだ。身体は小さくとも強く、破天荒で、強く弱いものを虐げる存在を疑い、憎み、怒りを抱いて、知恵や勇気を武器に対抗していく、かっこいい子ども。
ロアルド・ダールやアストリッド・リンドグレーンの作品を読めば、眉をひそめたいかな? とも思えるほどにかっこいい、そんな子どもたちが大勢登場しているから、僕の言う《かっこいい子ども》がどんな子たちなのかわかっていただけるだろう。
子どもが読んで面白くなければ、本を読むということすら始まらない。それに、同義や倫理、社会的な健全さといったものを問う、大人にとって理想的な子ども像を持ったキャラクターが登場する物語を、果たしてこどもが心の底から愉しめるだろうか? 大人が気に入らないと感じる作品を、子どもたちは大歓迎で受け入れる。そんな例となる作品は、それこそ国内であっても、けっして少なくはない。『ズッコケ三人組』シリーズを由としない大人がいると知って、小学生だった僕はとても驚いたものだ。なんで? 面白いやん? と。
このような作品が生まれる英国の土壌と、作者の想像力に畏敬と嫉妬の念を抱いてしまった。いいなぁ、イギリスは……。
本当に素晴らしいファンタジー。
紙の本
ジブリ向きな超個性的なキャラばかりです
2002/10/01 16:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:音央 - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は、魔法がごく普通に存在するインガリー国。この国では、空中の城に住むナルシストでまだ若い魔法使いハウル、事情があってハウルに魔法を提供している火の悪魔カルシファー、荒地の魔女などがごく普通の人間たちとともに暮らしていた。
帽子屋の三人姉妹の長女であるソフィーは、昔話にあるように、長女というものは何をやってもうまくいかないものというコンプレックスを持ち、父親の死後も継母に言われるまま、帽子屋を継いで、ひたすら帽子作りに励む毎日を送っていた。
ところがある日、ある誤解から荒地の魔女が店に現れ、ソフィーは九十歳の老婆に変えられてしまう。突然こんな姿になってしまった自分を見せて、家族を驚かせたくないと考えたソフィーは、慌てて家を立ち去る。
体をかがめ、よろよろと足をひきずりながら、歩き続けるソフィーのそばに、若い娘の魂を集めているという悪名高いハウルの城が近づいてきた。けれど、いまや老婆の姿になってしまったソフィーには恐怖心など全くなく、座り心地のいい椅子と炉端を求めて、強引に城にもぐり込み、掃除婦として新しい生活を始める。
好奇心旺盛で活発なソフィー、ヒステリックで移り気なハウルを始めとする登場人物たちのキャラクタに魅力があり、また、ストーリー自体もひねりがきいているので、一気に読み通すことができる。ジブリが映像化するのも納得。
紙の本
スタジオジブリでアニメ化決定!18歳の娘が魔女の呪いで90歳の老婆に変身させられるという内容のポップなハイファンタジーなのだ。
2002/01/30 18:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『指輪物語』で知られるファンタジーの帝王トールキンに師事したベテラン女性作家が作ったお話だけれど、ノリがとってもポップ。ハリウッド映画式のジェットコースター的展開なものだから、(えっ、1934年生まれのばあさんが?)と正直驚いた。もっとも英国での出版年は1986年、作者がまだ、おばさん(失礼)だった頃に書かれたものだ。
次から次への畳み込まれるような楽しい進行とともに、視覚的な文章表現も特徴のひとつ。魔法や昔話が生き残っているインガリーという国の立地や街並み、ヒロインのソフィーが老婆に変身させられる前に働いていた店の帽子のカラフルさ、掃除奉公で仕えることになる魔法使いハウルの衣装のきらびやかさ、<空中に浮かぶ城>とはいえ実は普通の民家にちょっと手を加えただけというたたずまい、その城の暖炉に閉じこめられているカルシファーという魅力的な火の悪魔の動き、おそろしい荒地の魔女の誤解から変身の呪いをかけられたソフィーが<老い>を実感するシーンなど、挙げていると切りがないのだけれど、目の前にぱあーっと光景が開けてくる描写でいっぱいだ。
ヴィジュアル的にも性格づけとしてもユニークな作中人物や、空中の城、一歩で7リーグという距離を進むことができる魔法の靴などの飛翔感は、ジブリでアニメ化ということが「なぁるほど」とうなずける要素だと思う。本当は、アニメを見てから原作を…とも思ったのだけれど、ベストセラーの映画化『魔女の宅急便』の例のように、原作・映画それぞれに魅力的という事実もあったので、ええいっと読んでしまうことにした。
含みある台詞が散りばめられたりしているけれど、メッセージ性は薄い読み物なのである。「口の減らないばばあ」とばかりにソフィーをうとんじる女たらしのハウルと、「いけすかない高慢な男」と口やかましく説教を試みる老婆ソフィーが、実は恋の駆け引きにハマっていくという設定がしゃれている。アニメでは、恋がどう処理されるのかも楽しみだ。
物語は、この恋のさやあてとともに、インガリー国にとって最大の脅威である荒地の魔女をどう攻略するかということが柱となっている。インガリー王の弟と王室づき魔法使いが誘拐されて行方知れず。魔法使いハウルは、インガリー王に彼らの救出を依頼されているのだけれど面倒はいやだと逃げ続けて、美しい娘たちとのラブ・アフェアにうつつを抜かしている。ソフィーとしては、それがまた気に入らない。
それにしても魔法もの本が売れているようである。この本を星4つにしたのは、魔法ファンタジーの最高峰は『ゲド戦記』だという強い思いがあるためなので…、念のため。
紙の本
私的にはかわいいラブストーリー
2002/01/03 23:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鴨かも - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハリーポッター関連の魔法物として推薦されていたので読み始めた本作だったが、思いがけずラブストーリー的な要素も入っていたので驚いた。魔女によって90歳の老婆に変身させられたとはいえ元・美しい少女とハンサムな若い魔法使いが出てくるとあればそうならないほうが不自然というものか…。老婆(元・少女)が自分の変化を受け入れて前向きに運命を切り開いていく強さや、副題にある通り、空中にある魔法使いハウルの城(?)の内部の様子も興味深く読み進めることができた。しかしなんと言っても最後のハッピーエンディングはいい年こいて頬が緩みっぱなしだったです、ハイ。
紙の本
スタジオジブリでアニメ化決定!18歳の娘が魔女の呪いで90歳の老婆に変身させられるという内容のポップなハイファンタジーなのだ。
2001/10/19 11:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『指輪物語』で知られるファンタジーの帝王トールキンに師事したベテラン女性作家が作ったお話だけれど、ノリがとってもポップ。ハリウッド映画式のジェットコースター的展開なものだから、(えっ、1934年生まれのばあさんが?)と正直驚いた。もっとも英国での出版年は1986年、作者がまだ、おばさん(失礼)だった頃に書かれたものだ。
次から次への畳み込まれるような楽しい進行とともに、視覚的な文章表現も特徴のひとつ。魔法や昔話が生き残っているインガリーという国の立地や街並み、ヒロインのソフィーが老婆に変身させられる前に働いていた店の帽子のカラフルさ、掃除奉公で仕えることになる魔法使いハウルの衣装のきらびやかさ、<空中に浮かぶ城>とはいえ実は普通の民家にちょっと手を加えただけというたたずまい、その城の暖炉に閉じこめられているカルシファーという魅力的な火の悪魔の動き、おそろしい荒地の魔女の誤解から変身の呪いをかけられたソフィーが<老い>を実感するシーンなど、挙げていると切りがないのだけれど、目の前にぱあーっと光景が開けてくる描写でいっぱいだ。
ヴィジュアル的にも性格づけとしてもユニークな作中人物や、空中の城、一歩で7リーグという距離を進むことができる魔法の靴などの飛翔感は、ジブリでアニメ化ということが「なぁるほど」とうなずける要素だと思う。本当は、アニメを見てから原作を…とも思ったのだけれど、ベストセラーの映画化『魔女の宅急便』の例のように、原作・映画それぞれに魅力的という事実もあったので、ええいっと読んでしまうことにした。
含みある台詞が散りばめられたりしているけれど、メッセージ性は薄い読み物なのである。「口の減らないばばあ」とばかりにソフィーをうとんじる女たらしのハウルと、「いけすかない高慢な男」と口やかましく説教を試みる老婆ソフィーが、実は恋の駆け引きにハマっていくという設定がしゃれている。アニメでは、恋がどう処理されるのかも楽しみだ。
物語は、この恋のさやあてとともに、インガリー国にとって最大の脅威である荒地の魔女をどう攻略するかということが柱となっている。インガリー王の弟と王室づき魔法使いが誘拐されて行方知れず。魔法使いハウルは、インガリー王に彼らの救出を依頼されているのだけれど面倒はいやだと逃げ続けて、美しい娘たちとのラブ・アフェアにうつつを抜かしている。ソフィーとしては、それがまた気に入らない。
それにしても魔法もの本が売れているようである。この本を星4つにしたのは、魔法ファンタジーの最高峰は『ゲド戦記』だという強い思いがあるためなので…、念のため。