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濫造・濫発の時代 1946−1952 みんなのレビュー

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紙の本

現代まで受け継がれてきた戦後郵政の暗部

2001/12/30 18:22

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かつて、切手収集は趣味の王様と言われるほどメジャーな趣味だった。ところが、投機的な価格吊り上げのせいもあり、1980年頃を境に切手の市場価格は下落一方となっている。また、娯楽が増えたためジュニア(18歳未満の収集家)が激減し、収集家人口もジリ貧である。さらに、1990年頃からは記念特殊切手の発行が爆発的に増加し、現在、切手収集そのものが崩壊しつつあるのだ。そうした状況は、戦後間もなくからの数年間と酷似している。
 本のタイトル通り、1946〜1952年は記念切手の濫造濫発時代であった。地方のデパートの一画でやるような小さな切手展が開催されるたびに記念切手が発行され、その会場や地元郵便局のみで販売されるという事態が続いた。後に、それらの残品を「全国発売」と称して通信販売でさばくことになるのだが、収集家たちはその発行目的や販売方法に怒りを表した。1970年代の切手ブームの頃は皆、そうした粗製濫造を財政難時代の笑い話としか思っていなかったが、現在あの悪夢が全くそのまま再現してしまっている。地方イベントを記念する「ふるさと切手」、全般的な印刷の品質低下、行き当たりばったりの発行計画等である。民主主義と自由を得た戦後より、政治的意図の色濃い戦前の方が、良い切手が発行されていたとは皮肉なものだ。
 著者は、当時の資料を集め、発行の経緯や収集家たちの状況を明らかにしている。今まで、この時期の話はタブーというか、あまり関心を持たれない空白期だっただけに興味深い。なぜ、今あの時代を振り返るのか? それは本に書かれている通り、現在の郵政が抱える問題が、戦後間もなくの頃に発生し延々と続いているからなのである。

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紙の本

財投や規制緩和といった視点とはひと味違う郵政批判

2002/04/15 17:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LEE - この投稿者のレビュー一覧を見る

 郵便学者の内藤陽介さんによる記念切手の戦後史。わが国の戦後史とフィラテリーの新たな地平を拓き、記念切手ひとつからも透けて見える日本郵政の病理を衝く。記念切手を使わずに持ち続けていると「文字通り「不労所得」として郵政当局の収入となる」という指摘には笑った。郵便局と言えば「財投にたかる特殊法人や財投を操ってきた旧大蔵省を正すために郵政民営化すべし。けど、郵便局の人たちは真面目に一生懸命働いているのよね」というのが一般的なイメージだろうが、本書を読むと「郵便局っつったって所詮はお役所だなあ」と思う。財投や規制緩和といった視点とはひと味違う郵政批判を味わいたい。

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紙の本

記念切手で読み解く郵政の病理

2001/12/15 16:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:天野安治(雑誌[郵趣]より) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、1946年発行の「郵便75年」から1952年発行の「U.P.U.加入75年」まで、戦後の銭単位時代に発行された記念切手について、当時発行の郵趣誌や新聞などの資料をフルに活用して、それぞれの発行の背景、経緯、収集家の受けとめかたなどを明らかにした労作であり、収集家にとって必携の基礎文献である。この種の文献の必要性はかねてから言われていたが、著者内藤氏の努力によってそれが実現したことはまことに喜ばしい。
 日本切手130年の歴史の中で、郵政当局には明確な発行政策らしきものはほとんどなかったといってよい。それでも戦前においては、国家権力の権威と統制のもと、皇室の慶事・戦勝・逓信省自身の祝典などの限られたテーマについて記念切手を発行し、その一方で、外国人を意識した「国立公園」切手を発行して、切手を観光宣伝のために利用しようと試みたこともあった。
 ところが、敗戦後の民主主義体制下、切手の発行に関する国家の統制がなくなり、自由となった反面、発行の基本政策らしきものはまったく見られなくなり、実務担当者の恣意的で場当たり的な思いつき、そして事なかれ主義に基づく発行が続けられるという、きわめて日本的状況が生まれた。その結果、目先の増収策に捉われ、なりふり構わぬ乱発と、その帰結としてのデザインの劣化という病弊から抜け出せなくなって今日に至っている。
 本書は、この日本的病弊のはじまった敗戦直後の記念切手の発行事情を、具体的に明らかにしていて興味深い。今、切手の「大洪水」(これこそ病弊の行きついた先だが)に悩まされている収集家はもちろん、「大洪水」を起こしている郵政関係者にも、ぜひ読んで欲しい1冊である。

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